OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これには、やられた!

2007-07-05 16:35:55 | Jazz

今日は午前中、豪雨でした。

しかし涼しいせいか、体調も良く、仕事もガンガン出来ました♪

実は、個人的思惑からスケジュール調整して、成すべき事をやり遂げるために、頑張ったんですが♪

ということで、本日は――

Facing You / Keith Jarrett (ECM)

1970年代前半のジャズ界では、ソロピアノがブームになっていました。ソロピアノのアルバムを出せない者は二流という雰囲気さえありましたですね。もちろん住宅事情が厳しい我国では、ソロピアノが自宅で聴くのにぴったりだったというポイントもあったわけですが……。

そして、当時のジャズ喫茶で特に人気があったのが、このアルバムでした。

キース・ジャレットはご存知のように、幅広い音楽性を持っていて、ジャズばかりではなく、ロックやクロスオーバー、フォークやカントリー、そしてゴスペルや様々な民族音楽、ファンクやR&Bまでも、屈託無く、貪欲に吸収したスタイルをこなせます。しかも自らがピアノばかりでなく、サックスやギター、打楽器までも演奏する実力者!

そういうピアニストが、ピアニストとしての本分を聞かせる初めての「ソロ」というアルバムを出したんですから、これは後々の得意技の最も初々しい部分が出ていて当然の仕上がりです。

録音は1971年11月、オスロで行われました――

A-1 In Front
A-2 Ritooria
A-3 Lalene
B-1 My Lasy; My Child
B-2 Landscape For Future Earth
B-3 Starbright
B-4 Vapallia
B-5 Semblence

上記の演目は全てキース・ジャレットの作曲によるものです。

まずA面ド頭の「In Front」がフォークカントリーというか、爽やかな草原の香り漂う、当時も今も最高に気持ち良い世界です。しかし演奏が進むうちに、それはゴスペルの世界に発展し、執拗な左手のリズムと歯切れよい右手のアドリブラインが、独自の陶酔的なグルーヴを表出させ、聴き手を感動させます。

このあたりは後の「ソロコンサート」や「ケルン」での人気パターンが既に出来上がっていた証左ですねっ♪ いやぁ、気持ち良いです。

続く「Ritooria」は、せつなく哀しい響きが印象的ですし、「Lalene」はモロに「ケルン」の世界に通じるロマンチックでゴスペルライクな名曲・名演です。

つまりA面だけで、後々までウリになるキース・ジャレットの黄金律が全て出ているわけですから、ジャズ喫茶でも鳴りまくりだったのが、ご理解いただけると思います。

個人的には、あの唸り声やステージのケツフリが好みではないのですが、このアルバムには、やられましたですねぇ~。

で、B面には、ちょっと抽象的な曲と演奏が収められています。しかし、いずれもジャズの世界にどっぷりというか、当時のジャズの論法に近い名演ばかりです。

例えば、妙に想像が膨らんでいく「My Lasy; My Child」とか、軽妙な思惑が深遠な「Starbright」とか……。

しかし、ほとんどA面だけで満足でしょう。特に「Lalene」は何度聴いたか分からないほどです。だから、私有の盤はB面ピカピカ状態なんですねぇ、ははははっ……。

ということで、このレーベル特有の澄み切った録音も人気の秘密と言う、これは認めざるを得ない名盤だと思います。ジャズ入門用としても使えるですね♪ 

コメント
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