いててて……、夕方から、昨日のスノーボードの後遺症である筋肉痛が出てきました。
こういう時には何もせずにリラックスした演奏を聴きたいということで、本日は――
タイトルに偽り無しの名演集です。
メンバーはロイ・エルドリッジ(tp)、ヴィック・ディッケンソン(tb)、レスター・ヤング(ts)、テディ・ウイルソン(p)、フレディ・グリーン(g)、ジーン・ラミー(b)、ジョー・ジョーンズ(ds) という、スイング時代からジャズの歴史を作って来た大物ばかり♪ もちろんジャム・セッションの趣が強いわけですが、しかしここではメンバー間の意志の疎通が、言わずもがなのところでピタリとあっているので、アルバム全体がひとつの作品として完璧に纏まっています。
ちなみに録音は1956年1月12日ということで、時代はモダンジャズ全盛期でしたが、ここに集ったメンバーは時代やスタイルを超越した名手ばかりなので、全く不滅の演奏を聞かせてくれます。
特にレスター・ヤングは所謂レスター派というサックスの大派閥を作った大御所でしたが、1950年代には不調のどん底……。しかしここでは奇跡の復活というべき快演を披露しています。
それはA面1曲目の「I Guess I'll Have To Change My Plan」の出来からして決定的! テディ・ウイルソンの絶妙なイントロに導かれ、ふぅっ、と歌いだすレスター・ヤングのテナーサックスは自然体の神業です。ミディアム・テンポで奏でられる哀切のテーマだけで身も心も虜になってしまうはずです。もちろんアドリブ・パートも美メロの連続♪ フレディ・グリーンを核としたリズム隊のサポートも最高です。
そして続くヴィック・ディッケンソンやロイ・エルドリッチも、そのペースにノセられて刹那の名演ですし、テディ・ウイルソンには泣き濡れる他ありません。
あぁ、もう何も言いません。とにかく聴いて下さいの大名演になっています。
それにしてもヴァーブの製作方針は単純明快で、一番良い演奏がA面ド頭に収録されるのが常になっているようです。したがって、ここでの名演がアルバム全体の出来の良さを象徴しているわけで、収録全5曲、何気に鳴らしていても完璧に聴き入ってしまう名演揃いです。
モダンジャズ以前の古いスタイルの演奏ではありますが、ジャズの最高峰を極めた瞬間が記録された1枚として、ぜひとも聴いてみて下さい。