祭りを見るため、電車に乗った。8分で到着すると、ホームはすでに祭りの中だった。
ドアが開くと、いきなりにぎやかな囃子が聞こえてきた。土崎神明社は駅から近い。だから駅前を曲がって神明社に向かう。きょう初日は、各町内から一斉に神社に集結する。
だからその辺にいると、全部のヤマ(山車)が見られる。ここ土崎神明社は、子供たちの七五三のお参りをした所で、自分にとっても馴染み深い。
神社に入るには、方向転換する必要があるので、前の道路は「油」と引きずった跡だらけだ。丁寧に、油に「おが屑」を撒いて、後始末もする。
思えば、子供の頃からこの祭りは怖かった。車輪(わっぱ)の出す音が、半端でなく大きい。
「ぎゅいいいい」そばで見ている男の子が泣きだす。無理もない。この音と、岩(黒い幕)の間からぬっと出た、肌色の人形が、子供心に恐怖心を植え付けた。
この前、たまたま法事で隣に座ったのが、本家の旦那だった。彼は今回、委員長を仰せつかったそうで、いろいろ話を聞くことができた。今、人形師は一人しかいないそうだ。新屋の方だ。この人のお爺さまが、名人と言われた人で、僕らの世代はその方の人形を見て育った。だから一層迫力があったのかも知れない。ヤマの運行によって、人形が縦横に揺れる、そのイメージが今でも残っている。
昼前後の様子を見たので、帰りの電車は14時前だった。結構混んでいて、秋田方面から乗ってきた大量の人が土崎で降りた。浴衣姿のシロウトさんを、指くわえて見送った。ほんとは、こっちを、撮りたいんだがなあ。質が高いのは、見物人の方なんだが・・。
えっ、ダシがほとんど写ってない?おかしいなあ。何を見ていたんだろう。
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