クジラの肉が無くなっても困らない、という日本人は多い。
クジラ肉は固いというイメージを持っている人は多い。
柔らかいと、ウマイのか。食レポで最も多く登場する言葉、
それは「やわらかーい!」だ。
それもいいだろう。
しかし忘れてはいないかい。日本が誇る捕鯨文化を
最も的確に指摘し、擁護してくれたのは、当時外国人だった、
C・W・ニコル氏だということを。
アメリカが油をとるためだけに、クジラを殺したのとは対照的な、
捕鯨文化。日本には「文楽」という伝統がある。
人形浄瑠璃ともいう。その人形を滑らかに動かすのが、
クジラのヒゲを使った、あー、何とか板という弾力のある部品だ。
からくり人形のゼンマイとしても、クジラのヒゲは使われた。
肉だけが重要なのではない。捨てるところなく、ありがたく恩恵に
与(あずか)るのが日本の文化だ。
秋田県人以外、知らないとは思うが、クジラが獲れなくなると、
「クジラかやぎ」が食べられない。
これは我々年代にとっては、死活問題だ。
クジラかやぎに使用するのは、皮からすぐの脂身だ。
皮ごと、いただく。
この小さな町にも「おやじ」という飲み屋が、かつてあった。
夏の暑い日、冷房のない、風の通る座敷で、
「クジラかやぎ」を頂く。
秋田人にとって、クジラかやぎは、夏場のスタミナ食として重要だ。
これが無くなることは考えられない。
(注) 「クジラかやき」は「なすかやき」とも言う。
むしろ普通そう言う。材料として、クジラとナスが重要なのだ。
それに豆腐やミズが入る。
味噌仕立てだ。
あー食いでぇーっ。
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