松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

続K-1、極真とその後の結末。

2021-01-17 09:21:32 | 日記・エッセイ・コラム
 JAで賞を取った、あきたこまちを食べている。コメそのものを食べて美味しいかと聞かれると、格段にうまいと言えるわけではない(いいコメばかり、食っているもんで)。それは新しい、なんだっけ、あのコメにも言えるだろう。ただ、いつの間にか、一膳では足りなくて、自分で釜から盛りに行く。無意識が褒めたたえているようだ。多分、別のコメを食べた時に、違いを強く感じるだろう。
 魚介を食べた時も、同じような経験をする。一段低いものに当たって初めて、あーあれは美味しかったんだ。と気が付く、日頃から美味いものを食べている農家には多分普通のことなんだろう。内心、外に出て、こんなまずいもん食えるか、と思っているかも知れない。


 極真会館と言えばご存じ熊殺しの伝説の人、大山倍達です。生きているうちに伝説になった人物です。若い頃、還暦過ぎた館長のビール瓶割りを見たことがあります。ゴッドハンドです。本荘に住んでいたので身近に感じました。なにしろ当時、秋田支部本荘道場から日本チャンピオンが出たんですから。佐藤俊和という人です。普段はめがねを掛けているんですが試合の時ははずして、ものすごい中段突きの連打を相手の胸に集中します。極真は一撃必殺を掲げる割りには一発で倒れるような人間は上位に行くといないんです。ひたすら打ち合いです。手数の多い方が勝ちという雰囲気です。当時世界大会はなかったんで日本チャンピオンイコール世界チャンピオンです。
 フィリオと数見は96年も決勝で対決していて、その時はやはり僅差の判定で、数見が勝ちました。その差と言うのは、試し割りの枚数の差で、つまり数見の方が対戦前の試し割りで数多く割っていたのです。3年後の99年。今度は試し割りの時点でフィリオは数見の枚数を確認しながら行って自分が多いことを知っていました。だから体重測定の時も判定を待つ間も確信があったのです。それはグラウベ・フェイトーザ始めブラジルの応援団にも言えました。フィリオに手が上がる前から猛烈な喜びようでした。フィリオにとって待ちに待った3年間であったのです。
 ベスト4激突。前回は結構面白く書けたけど期待しちゃダメよ。疲れちゃってますんで。
最初はマーク・ハントVSステファン・レコ。レコは軽いので振り回されぎみです。1R、ダウンを喫します。効いているようです。しかしマーク・ハントKO狙いに行きません。2回目のダウンを取ればKO勝ちなんですが、慎重です。2Rまたレコ、スリップダウン。これまたカウント入ります。しかしハントそれ以上追いません。3R、ハントのコンビネーションが当たります。ただのデブのようですが、どうしてなかなかの反射神経です。デブと言えば紀香が魔人ブーみたい、と言ってました。そのとおりです。相手の攻撃を吸収してしまうんですから。そして自ら髪を金髪に染めたのはスーパー・サイヤ人を意識してのことだと白状してます。3R終了、判定を待ちます。ハント既に「素」に戻ってます。何事もなかったかのようです。かたや汗だらだらの肩で息してます。問題なく魔人ブーの勝ち残りです。
 残るはイグナショフVSフィリオ。内心あのひざ蹴りをフィリオが食わないことを祈ってます。1R・2R同じような展開です。フィリオがローキックで足ねらいです。うまくひざを食わないようにクリンチしたり距離を取ったり工夫してます。どうもローキックが効いているようです。イグナショフが不敵な笑いを浮かべ始めました。表情に出すという事は効いてる証拠です。どんどん来いというポーズを取ってますがこれは逆の表現です。結局判定に持ち込まれましたが、3人のジャッジとも30対29でフィリオに上げました。
 決勝戦、これで勝つと負けるでは34万ドルの違いです。チャンピオンはあくまで別格なのです。しかし一日に3試合やるというのは大変です。骨折しないまでも、今までの相手からダメージ食らってるわけですから、どこも腫れてないし顔もむくんでない方がおかしいです。でもこの二人、マーク・ハントもフィリオも見たところ、どこもダメージあるようには見えません。1R始まりました。フィリオは自分から出て行きません。カウンター狙いのようです。逆にマーク・ハントのきつーい体重の乗ったボディが来ます。どうも余裕しゃくしゃくなのはハントのようです。フィリオの攻撃をまねして返してきます。後ろ回し蹴りを放てば同じ技で返してきます。2Rまたボディ攻撃です。左右のフックも入ります。ハイキックもきます。ボディは効いているようです。前に出れません。時折、フィリオのブラジリアンキックが側頭部に入っているように見えますがケロッとしています。ブラジリアンキックとは上腕を狙ったような軌跡を描きながら頭部に入る高等テクニックです。しかし魔人ブーにはキックもパンチも効きません。フィリオどう攻めていいのか悩んでいるようです。手応えはあるのに倒れない、やりにくそうです。3R終了。両者ドロー。4Rに入ります。フィリオにボディ攻撃のダメージが来ている分、マーク・ハントの優勢です。判定の結果、マーク・ハントの優勝です。小錦喜んでいます。紀香も喜んでいます。まったく新しいタイプのチャンピオンの誕生です。
 しかし私はフィリオに期待したいです。どんな人間でもいくら首を鍛えても左右のフックをヒットさせて、相手のあごを右向かせて、左向かせてと連続やったら必ず倒れるはず。惜しいきっかけはあったけど、フィリオはそこまでカンは良くなかったようです。パンチを顔面で受けてケロッとしている人間はいても首振り攻撃には弱いはず。フィリオよ、気が付いてくれ。そしてまた、チャンピオンになって涙を見せてくれ。世間はフィリオより「スーパー・サモア人」マーク・ハントに人気が集まってると息子は言うが、オレは応援するぜ。フィリオよ。

 ps. 本荘の夜の街は、こわいお兄さんも居たが、正義の味方も居た。その中で思い切り羽根を伸ばし泳ぎ回った。危ないこともあったが、刺激に満ちた青春だったね、今思えば。 
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