最近の吉田輝星の活躍は、地元民でもネットを見ない人には分からない。
それを義母に伝えようとした。
そしたら弟の話題になって。それを話題にした人物の名前の連想ゲームみたくなってしまった。
「最近、地元新聞に掲載された」「美人とは言いにくい」ここまで聞いて、はは~んと思った。オレが「作家の?」と聞く。大体、共通理解できたようだ。
3人とも名前が浮かばない。畳み掛けるように「横綱審議委員だった」「白鵬に物言い付けた」ダメ押しをする。
誰だっけ、名前。時々コラム載せているな。まきこ。内舘と誰かが言った。
途端に頭の中に映像が浮かんだ。「内館牧子」漢字が、視覚中枢に見事な図形として、よみがえった。
オレは固有名詞が浮かばない事に、あまり不安は感じていない。或る意味、ボケ具合の尺度として使われるけど。そうなれば、オレは義母よりボケている。
でも、こういう風に考えられないだろうか。
名前なんて、次のステージに行ったら。必要ない。
この世では不便だけど。あの世に行けば、口に出さずとも分かり合える。
だから、その途中なんだ。
言葉にしなきゃ分かり合えないなんて。まどろっこしくて、かなわん。
そう言いながら、こういう事を書いて、メッセージを発信している。
これはオレのリハビリ。固有名詞は検索して探す。
ひまわりを見に行った頃、暑っつい日。温室に入った。「なんでらマグニフィカ」が萎みそうな花を一輪付けていた。狂い咲きだ。移植したせいだろう。
おやおや。こんなにしょっちゅう見られるとは。有難みに欠けるなあ。
お前もボケたか。仲良く、しようぜ。
ああ、思い出した。義母が言いたかったのは。吉田弟が甲子園で負けた日、語った感想について。「甲子園にふさわしい投手で無かったから負けた」という、いさぎよい発言についてだった。
忘れていて、ゴメン。