松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

雪下ろしを、ただ見物す。

2022-02-16 15:11:38 | 日記・エッセイ・コラム
 筋向いの親父さんが2連梯子を出してきた。屋根に単独で登るつもりらしい。話によると、屋根からの落雪で下の車が壊れた。損害額20万円。この親父さんは家主でアパートを貸している。無料で置かせている車が被害に遭った。この場合、自分が負担しなきゃならんだろうなあ。と言う。

 それで残りの雪を落とそうというわけだ。数え年で90歳の彼氏は建設業の看板もかつて掲げていた。今でもオレなんかより要領よく仕事をこなす。それにしてもなあ。一人は危ない。
 手伝うことも出来ないが、せめて見守るしかないか。奥様をデイサービスへ見送ったあと、2連ハシゴをスルスル伸ばし、2方向へロープを張り、登って行った。
 オレと違い、休みなく動ける。大した90歳。雪とは言っても、下の層は10cmの氷。これが塊りで落ちて来たら、車はイチコロだわ。ましてや人間なら。あ~、今晩のニュースにならないといいが。

 最初はハシゴに捕まりまがらオノを使ったりして氷を砕いていたが。だんだん離れて行く。よくよく見たら、雪止めを足場にして、滑らないようにしている。
 ハラハラのし通しだったが、大方の雪を落とした。こういう作業は、終わったと思った時が一番危ない。見守る方も最後まで気が抜けない。さすがは「昔取った杵柄(きねづか)」
 親父さんは、降りて来て言った。見ている人が居たので安心して出来た。ありがとう。いや、良かったです、無事で。

 なんか今日は、一仕事したような気分。
 毎年何人も死者が出るので、身体を固定して複数で行うように広報しているが。現実はなかなかそういう風にはいかない。
 
 小正月行事は、あらかた終わった。横手のかまくらがニュースに出ていたが。一家でひとつ、家の前にかまくらを作って、この風習を語り継ごうとしている。つまり観光行事以前に戻るのだ。このほうが、絶対風情がある。これこそが見たい風景。まだ間に合うよ。
コメント (2)
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