20代から使っているダイレクトドライブのレコードプレイヤーは時々動かさないと不安なので、午前中からずっとターンテーブルを33回転にして回していた。さてどれにしよう。
エルトン・ジョンだな。これはかなりすり減っているが、針が飛んだりはしない。何といっても大学生協に陳列して、ずっとBGMで掛けていたLPレコードだから。ほれ、SOUND-COSMOって印字されているだろ。
どうやって手に入れたか忘れた。多分、安く売ってくれたんだろう。結構、まめに通っていたからな。1年の時から、SONYのP&Dが欲しくて、よだれを垂らしていた。
ソニーのP&Dはカセットレコーダーだが、取っ手が付いて持ち運びに便利で、ステレオ録音ができる薄型の音のいい機械だった。
オレが音にうるさいと見た高久くんは、録音するなら何がいいと聞いた。オレはカセットを卒業して、オープンリールに目覚めていたから、躊躇なく「そりゃ、オープンリールだろう」と言った。
高久くんは素直ないいやつだった。オレのいう通り、オープンリールデッキをバイトを頑張って買った。
長い休みが明けて再会した時、彼は言った。おばあちゃんに持って行って、聴かせて来たよ。なにっ!オープンリールデッキを栃木まで持って行ったとな。何を吹き込んだのか今では思い出せないが。それにしても。
あれを思い出すたび、冷や汗が出る。そういう目的なら、カセットデッキで充分と言えたのに。
改築前の同袍寮の汚さを知っている、数少ない友達だった。いいやつを亡くした。あれ、まだ死んでないか。年賀状来てるな。ゴメンね~。
エルトン・ジョンがゲイと知って、一時は気持ち悪く思った時期がある。しかし出来上がった曲は文句なくいい。人生には色んなことが付き物さ。
ps. ふるさとに行って、何かを録音してきたんだったかなあ。