これは私にとって日記と同じ、あとで振り返って見るためのものなので、ありのままを書く。
伯母が亡くなったので今日、火葬だった。釜に入れられて帰って来た時のことだ。それまで冗談言ったり、笑っていた自分だったが、帰って来たお骨を目の前にして不覚にも目から水があふれた。鼻をかんだのは、自分だけだった。骨拾いの最後の方で、長女が或る骨を差して、拾ってもいいか係に尋ねた。それは大腿骨と一体になった金属だった。
それについて向こう側で係とやりとりして、結局やめたのだ。聞くと係が言うには、病気も一緒に持っていくことになるから、普通は拾わないと言われたらしい。それで彼女はあきらめた。
実はその骨は自分が拾って一度係に戻されたものだった。一番大きく立派な骨だったので、深く考えることなく箸を出した。
確かに金属の棒は、お骨ではないから、拾う必要はない。しかし長女も私も何か引っ掛かるものがあった。もしかして伯母さんは、その金属に未練か愛着があって、僕らに信号を送ったのであるまいか。だから長女もそれを形見として、墓に入れたいと思ったのであるまいか。
ゆうべ枕元に伯母さんを見た人は居たし、私の部屋でも3回ほど普段と違う音がした。伯母さんが、どちらを選びたかったのか、知るすべはない。