松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

捕鯨文化で話題に上らない「クジラかやき」

2014-04-04 08:15:04 | 日記・エッセイ・コラム

クジラの肉が無くなっても困らない、という日本人は多い。

クジラ肉は固いというイメージを持っている人は多い。

柔らかいと、ウマイのか。食レポで最も多く登場する言葉、

それは「やわらかーい!」だ。

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ま、脳みそも、とろけそうな人間のコメントとしては

それもいいだろう。

しかし忘れてはいないかい。日本が誇る捕鯨文化を

最も的確に指摘し、擁護してくれたのは、当時外国人だった、

C・W・ニコル氏だということを。

アメリカが油をとるためだけに、クジラを殺したのとは対照的な、

捕鯨文化。日本には「文楽」という伝統がある。

人形浄瑠璃ともいう。その人形を滑らかに動かすのが、

クジラのヒゲを使った、あー、何とか板という弾力のある部品だ。

からくり人形のゼンマイとしても、クジラのヒゲは使われた。

肉だけが重要なのではない。捨てるところなく、ありがたく恩恵に

与(あずか)るのが日本の文化だ。

秋田県人以外、知らないとは思うが、クジラが獲れなくなると、

「クジラかやぎ」が食べられない。

これは我々年代にとっては、死活問題だ。

クジラかやぎに使用するのは、皮からすぐの脂身だ。

皮ごと、いただく。

この小さな町にも「おやじ」という飲み屋が、かつてあった。

夏の暑い日、冷房のない、風の通る座敷で、

「クジラかやぎ」を頂く。

秋田人にとって、クジラかやぎは、夏場のスタミナ食として重要だ。

これが無くなることは考えられない。

(注) 「クジラかやき」は「なすかやき」とも言う。

むしろ普通そう言う。材料として、クジラとナスが重要なのだ。

それに豆腐やミズが入る。

味噌仕立てだ。

あー食いでぇーっ。

コメント
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