それにしても観光地という所はどうしてこんなに歩かなきゃいけないのだろう
と思いながらホテルに戻ってきて、美しい夕日が落ちるのを眺めていました。
気が付くとフルートの音楽が聞こえて来ました。きのう到着した時は何気なく
聞いていたけど、下まで降りていってじっくり聞きたい気分になりロビーに
行きました。夕食前の時間を三々五々皆さん集まっています。
解放された空間からは、万座毛の断崖。まったくの心地良い風が入り込んで
疲れた体にメロディと共に沁み渡り、全身から力が抜けて行きます。
私の耳はコウモリほどではないにしろ、跳ね返ってくるフルートの音をエコー
として捉える事が出来ます。この音の広がりが、気持ちいい程開放的なのです。
曲線から成る内部空間は、音響の設計まで計算したのではないかと思える程
快適です。一曲終えるごとに拍手が起きます。最初に聞いた沖縄の民族音楽と
「さくら」は最高でしたね。彼女がプロだと思ったのは、最後の音を長ーく、
ビブラートさせながらきっちり終わるところです。さくらのロングブレスは
凄かったです。
あとで、音楽の先生のまねをして、彼女の場所から「パンッ」と手を叩いて
みました。案の定、その残響は意外に短くフェイドアウトし、しかも抑揚が付いているような
気がしました。