山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

政治家のことば

2010年02月24日 08時46分38秒 | Weblog
 政治家は自分のことばに責任をもたなければならない。政治家でなくとも、人は人として言葉には責任をもたなければならない。政治家は公人であり、権力をにぎっているのだから特別に重い。
 ところが、トップに立つ政治家が、日によって発言がころころかわり、1月前、1週間前と明らかに矛盾することを平気でいうという憂うべき事態が常態化している。大阪でのことだ。橋下知事だ。日本の政治史上かつてない状態だ。本来なら、その責任、能力、人格が問われる事態だ。だが、80%という異常な支持率=人気があるから、ジャーナリズムを標榜する新聞もこのことを問わない。
 もともと知事に立候補する時、20000%ないといいながら覆した人だ。2万%という表現自体首をかしげるのだが。今年の府の新年互礼会では「関空をスーパーハブ空港にすることが必要。そのためには、1にも2にも3にも、4にも5にも6にも、7にも8にも9にも伊丹廃港しかない」とあいさつで述べたそうだ。まあなんという表現だろう。
 去年12月、橋下知事は、4月の豊中市長選挙で伊丹廃港が決着する、そのため廃港をかかげる市長候補を募集するといった。ところが1月になったら、伊丹の廃港について近隣自治体の同意はいらないと違うことをいう。
 先日の箕面市議会との意見交換会で、廃港に同意するなら北大阪急行を千里中央から箕面まで延ばしてやるといった。「脅しといわれてもしょうがない」と言い切った。自分の政治目標について、ある市議会の支持をとりつけるために鉄道をつける約束をするのは、政治の、府財政の私物化以外の何ものでもない。
 さらに同日、伊丹廃港の前提としていたリニア構想にかえて、新幹線が現実的ではないかと府の担当部局に検討を指示したといった。なんだ。リニアは現実的ではないと自分で認めた。私のブログでもリニア論議がいっぱい交わされた。私は、リニアは空論で、府民の生活・福祉には有害だと述べてきた。で、今度は新幹線か。13分で結ぶそうだ。府庁に新幹線建設を検討する部局があるとは知らなかった。つぎつぎと命令される府庁職員も困惑しているだろう。
 普通、政治家が、権限をもった政治家が発言をするときは、検討をし終えて、関係の市や団体とも話をすすめてから、発表するものだ。だが、橋下氏の発言は、自分と取り巻きの話で出てきたものを新聞やテレビがいるところでしゃべるというものだ。これでは新聞はふりまわされる一方だ。だから、知事発言の新聞スペースが膨らむ一方だ。はっきりいって、垂れ流し報道だ。一週間後にころっとかわるであろういいかげんな発言を大々的に報じて、府民をひきずりまわす。そのスペースが大きいほど、支持率は維持される。引きずり回した結果がどうであれ。新聞記者はろくに検証もせずに、人気者から離れてはいけないと、付き従うばかりだ。
 平松大阪市長は引きずりまわされるのに相当怒っているようで、「知事はコメンテーターを卒業して」といったが、コメンテーターどころがその振る舞いは、テレビで目立つことに全精力をかたむけるお笑いのタレントの行動スタイルそのものだ。政治家のものではない。
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