山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

松井大阪市長、住民投票ねらいで未就学児に5万円給付!所得制限なし

2020年08月21日 15時27分40秒 | Weblog
 松井一郎大阪市長が、8月20日びっくり仰天の発表をした。コロナ経済対策と称して、0~5歳の未就学児に対してひとり5万円を給付するというのだ。大阪市廃止をねらう住民投票直前の10月末に配る。投票直前に「買収」まがいの大盤振る舞いだ。しかも所得制限を設けないという。大金持ち(お金が増えて困っている人)にも配るのだ。12万人に60億円配る。20万人程度の親を税金で「買収」するのだ。
 よその市でもやってるらしい。ただし、仙台市、堺市は新生児に5万円。新生児はお金がかかる。横浜市、川崎市は児童扶養手当の受給世帯に2万円だ。これも困っている人に対してだ。
 5歳までの子全員に、所得制限かけずは全国唯一、異例だ。「朝日新聞」では市幹部の「住民投票を意識した大盤振る舞いのばらまき」という証言をとっている。幹部でさえ批判的だ。それが常識というものだ。わたしはこれを、税金による「買収」だと思う。半沢直樹の「倍返し」ならぬ「買収」だ。
 ただし公務員の子どもは対象外だという。ということは0~5歳全員ではない。親の収入ではなく職業を問題にしている。子どもへの給付事業を親の収入ではなく職業で左右するのは初めてではないか。そこに正統性はあるのか。
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ドキュメンタリー『沖縄戦』を観る。西本願寺が製作。

2020年08月21日 13時55分55秒 | Weblog
 コロナで遠ざかっていた十三の第7芸術劇場に久しぶりに行った。太田隆文監督の『ドキュメンタリー 沖縄戦』を観るために。ナレーションは宝田明さんだ。宝田さんの魂の叫びのようなナレーションが心に残った。
 米軍のフィルムと生存者の証言、専門家の解説とをたくみに組み合わせて沖縄戦の悲劇を教えてくれる。1500もの児童が学童疎開船で犠牲になった対馬丸。生き残った平良啓子さんの鮮明な記憶が実相を示す。嘉数(かかず)高地の戦い、司令部のあった首里城の攻防。さらに渡嘉敷島での集団強制死。集団自殺とはいわない。中学生以上は学徒隊に編入され、残ったのは老人女性乳幼児児童。乳幼児児童がみずから死を望むはずがない。役場から手りゅう弾を二個ずつ配られ一家一族で固まって爆死を強制された。知花昌一さんは読谷村のチビチリガマとシムクガマの事実を説明する。チビチリガマでは140名くらいのうち、80余名が鎌や包丁でのどを切り殺し合った。「生きて虜囚の辱めを受けず」の戦陣訓が軍国教育で一般住民にも徹底された結果だった。一方1000人もが避難していた同じ村内のシムクガマではハワイ帰りの農民比嘉平治、比嘉平三さんがアメリカは民主主義、殺さないよと、壕内の人を説得して、米兵と交渉し、全員が生存をかちとった。
 県民の3分の1が死亡した沖縄戦の実相をあますところなく教えてくれる。2時間近い作品だが、圧倒的な迫力だ。いまこそ、すべての人が見るべき映画だ。私が見たのは終了間際だった。だが、これからも全国の良心的な劇場で上映されるだろう。機会を逃さずに見てほしい。
 この映画を製作したのが、なんと浄土真宗本願寺派だ。西本願寺だ。えらい。東本願寺も西本願寺も、日中戦争・アジア太平洋戦争で、親鸞聖人の教えになきことを教えと称して、侵略戦争に門徒を動員したことを深く反省して戦争責任の罪責告白をしている。その実践のひとつがこの映画だ。イラク戦争にも、集団的自衛権容認の戦争法にも反対した。ものを言わない教団もあるが、小泉・安倍政権を支えるために戦争の道にはまり込む教団もある。そういうなかにあって、西本願寺の『沖縄戦』製作は称賛にあたいする。
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