香港警察は、10日、周庭さんら民主活動家10人を逮捕した。国家安全維持法違反だという。国家分裂、政府転覆、外国勢力と結託などの罪をつくりあげて逮捕だ。政府批判は、民主主義、自由の出発時点からの中心事項だ。中国も、民主主義推進をいう。だがその内実は中国風民主主義だ。批判を許さない、賛同民主主義だ。中国も国連人権規約を批准している。だが中身を理解せず、人権規約にのっとった行動に対して処罰する。
国家安全維持法は、日本では治安維持法(1925~1945)に相当する。治安維持法は国体批判すなわち天皇主権を批判すると最高刑が死刑だった。裁判によらず、特高警察によって私的に死刑にされた人がたくさん出た。
中国は社会主義でも何でもなく、経済は超格差資本主義の強権国家だ。中国共産党は共産党を名乗ることの正統性はみじんもない。
12日、周庭さんは一応釈放された。だが自由が保障されたわけではない。あまりの国際的批判を前に少しかわそうとしているだけだ。香港の議会で審議もしていない国家安全維持法を習近平政府は押し付けた。国際公約(条約)をくつがえし、一国二制度を破壊した。