十三のシアターセブンで初めてスタンダップコメディを見た。沖縄芸人で「お笑い米軍基地」主宰しているまーちゃんとぜんじろうさんが出演。まーちゃんは、映画「米軍が最も恐れた男カメジロー」の瀬長亀次郎をテーマにしたスタンダップコメディを演じた。スタンダップコメディというのはわたしは初体験だったが、主張する一人コメディとでもいうものだ。テレビや演芸館にはない、日本では排除されるタイプの「新しい笑い」だ。でもこれから期待が持てる分野だ。
もうひとりのぜんじろうはその昔、テレビでも活躍したが、姿を見なくなって久しい。今は、アメリカ、スリランカ、ドイツなど世界に足を延ばしてスタンダップコメディをしている。金は儲かっていないようだ。でも道を切り開いているようだ。もう51歳と言っていた。風貌は昔のまま。般若心経をあつかった作品は、アメリカのいくつもの宗派の仏教寺院から招かれて演じたという。般若心経の内容に相当通じている。坊さんの方があっけにとられるらしい。
二人それぞれ二本ずつ演じた。計3時間という長時間。ぜんじろうの師匠は上岡龍太郎だ。思えば、上岡の芸風をそのまま受け継いだのが、ぜんじろうであり、スタンダップコメディという芸風だと思った。上岡は自己主張の笑いだった。政治や社会への批判満載だった。それが受け入れられていた。ところがぜんじろうも言っていたが、吉本では排除され、ぜんじろうは吉本に居場所はない。吉本はいまや安倍f極右政権のお抱えの演芸集団となり、多くの国民をやわらかく改憲に誘導する日本の21世紀的政治装置となっているから。