山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

民意はあやつれると勘違いした橋下氏、みじめな結果に当選会見からも逃げる

2014年03月24日 22時24分59秒 | Weblog
 自分勝手な野望のために市長選挙を仕組んだ橋下徹氏。夏までにひとつに絞った都構想の設計図をつくる、そのために法定協の委員を入れ替えて維新を過半数にするとして選挙にのぞんだ。議会それも府議会が選んだ委員を入れ替えることを市長選の圧倒的民意で強制することをねらったが、みごと失敗した。
 民意を得たといえる選挙結果ではなかった。本来、選挙は1票でも多ければそれで決まるものだ。ところがこの市長選挙は、する必要のない選挙で再び市長の座を得る選挙なのだが、当選が目標ではなく圧倒的民意を手にすることが目標だった。その目標から大外れした結果、当選しても万歳三唱できなかった、じつに珍しい選挙だ。
 投票率が過去最低の23・59%。白票を含む無効票が13・53%にも及び、過去最多。松井知事は有権者の4人に1人が投票してくれたといったが、ことの本質は4人に3人が投票しなかったのだ。こんな勝手な選挙は認められないと、積極的に棄権した。わたしも含め、積極的な意思表示として。それでも選挙は行かなければと思った人の13%が、白票にしたり、大きく×を書いたり、都構想反対と書いたりした。
 当選会見を拒否した橋下氏は、翌日、住民投票実施の信任を得たと胸を張った。だが当選はしたが、信任されてはいない。政治的には不信任だ。有権者の意思は、住民投票に信任を与えていないし、まして法定協から反対派委員を排除することを信任していない。
 橋下氏は、「ふわっとした民意」はもういらないといいだした。もう二度と得ることはできないと悟ったからなのだが、強がって、もういらないといった。「ふわっとした民意」なるものは、公務員攻撃を定期的に打ち出し、テレビを引き連れた政治をおこなっていた間は、なんとか形づくることができた。だが、さすがのテレビも、橋下従軍慰安婦発言以後、放送法第4条の政治的公平原則を侵していたことに気付いて(5年も気付かなかった)是正して以後「ふわっとした民意」は形成されにくくなった。
 さらに、橋下政治の本質である新自由主義政策が、市民サービスの削減という形で具体化されてくるにつれて、雲が晴れるように吹き飛んでしまった。カスミ目で、曇った景色を見ていたのが、赤バス廃止、市バス削減、敬老パス廃止、幼稚園保育園の廃園・民営化、市民病院の廃止、老人支援策の廃止その他で目が覚め、虚像ではなく実像がしっかり見えるようになった。だから、もう二度と、「ふわっとした民意」なるものは出現することはない。都構想で住民サービスが向上しますといっても、もうだまされない。
 政治的には不信任状態の選挙結果では、法定協委員を差し替えることなどありえないし、都構想を法定協で議決することも、府議会・市議会で議決することもありえない。できないことはもうはっきりした。維新からさらに府議がひとり脱退した。橋下氏は今年中にもう一回市長選挙をするつもりだった。圧倒的民意を盾に、秋に住民投票に持ち込むために。
 だがこんどの市長選挙の結果からこれは無理だろう。しかし橋下氏は常人には理解できない考えの人物だから、やる可能性はある。最終的には、来年4月の統一地方選挙で、住民投票で大阪都をやるかやらないかで決めよう!などといって、維新過半数を目指すだろう。でも秋から半年すえおかれて冷えたピザ、しかも毒のまじったピザには、人々は食指を動かさないだろう。かくて、都構想と橋下氏は最終的に却下される。

コメント (5)
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