山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

ビンラディン容疑者殺害に思う

2011年05月04日 08時34分55秒 | Weblog
 2001年の9・11同時多発テロの首謀者と目されるオサマ・ビンラディン容疑者が、パキスタンのイスラマバード郊外で米軍によって殺害された。
 ブッシュ大統領は、テロの翌日、「これは戦争だ」といった。そしてアルカイダをかくまったとしてアフガニスタン・タリバーン政府に対する戦争をはじめた(10・7)。それから10年たつ。
 同時多発テロはテログループ=犯罪組織によるものであって、国家による武力攻撃ではなかった。だから国際的な協力の下、捜査をすすめ、犯罪者を逮捕し法に照らして処罰することが正しい対処の仕方だった。
 だが、ブッシュ政権は、戦争に対して自衛権行使としての戦争を宣言した。しかし約1ヵ月後にはじめた武力攻撃は、国連が「必要な措置をとるまでの間、個別的または集団的自衛の固有の権利を害するものではない」という国連憲章51条の自衛権にもとづくものとはいえない。しかも10年もつづけているのだ。
 わたしは当時、組合の役員をしていて、ブッシュが戦争をはじめたその日、戦争に抗議し、あくまでも法にもとづく捜査と処罰をすべきだという声明のような文章を書いたことを思い出す。
 この戦争でアフガニスタン人がたくさん殺されている。9・11の犠牲者約3000人をはるかに越える。アメリカ兵の死者数は発表されるが、アフガンの人々の犠牲には頓着しない。こんどのビンラディン殺害報道でも、アフガンの犠牲者には触れない。
 今回の米軍の殺害に至る行動についても、国際法に反するのではないかとの指摘がある。当然だ。容疑者の潜んでいる場所が特定されたならば、パキスタン政府によって拘束し裁判にかけるのが筋だ。
 初めから終わりまで(これで終わったとはいえないが)軍事力で決着をつけようというアメリカ政府の独善的な姿勢だけが浮き立つ。
 
コメント
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