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大規模修繕工事の心得

2015年02月13日 | マンション管理
建物は竣工した瞬間から劣化がはじまる。

その老化(劣化)を少しでも遅らせることが定期的なメンテナンスとも言える。


管理組合においてその大規模修繕工事を実施するのは大きなイベントとなるが・・・

大規模修繕を行うと言うと。


まず頭に浮かぶのは「〇〇の業者にしよう」とか。

自分のいろいろな利害関係に気がむく人も少なくないのが現実。


というのも、管理組合の大規模修繕工事の額は大きく、

小さな建物でも〇千万円。大きな建物になれば〇億という単位になるからだ。



工事の施工方法には大きく分けて「責任施工方式」と「設計監理方式」があるが、

それぞれ一長一短がある。

施工金額が大きいものであれば、設計監理も必要かもしれないが、

小規模の工事であれば、設計監理料の経費を払うのがばからしいとも言える。

(まあ・・・この辺りはそれぞれの管理組合の性格。

理事・居住者の性格にもよりけりではあるけれど・・・


でも、ファイナンシャル・プランナーの立場の立場から見た場合は、

「資金」が潤沢にあるかどうか?そこが一番の気になるところ。


マンション管理士の立場で見た場合は、

その管理組合の組合員が修繕工事についてどう考えているのか?

「借入」は絶対反対。

「今ある資金の範囲内で修繕工事を実施すべき」と考えているのか?

それとも資金を借りてまで、全ての工事をしようと考えているのか?という部分。


建築士主導のやり方を見ていれば・・・

どうも、資金より修繕。悪いところはとことん直すという方針のような気配。

まあ、確かにそう。

建築士は後々、不具合が出ないよう。悪いところはとことんお金をつぎ込んで

修繕しておきましょうと言いたくるのでしょう。(よくわかります。)



でも、管理組合運営を補助する立場。

ロングランで管理組合のキャッシュフローを監視する立場のファイナンシャル・プランナー。

マンション管理士としては、まず現況資金の把握。

そして、管理組合住民の意向を優先したいと思うところ。



え?何故って?


管理組合運営というのは、民主主義。

多数決で物事が進んでいくという性格上、多くの意見によって決まるため。

勝手な思いで「借入」と想定していても、住民が「借入反対」とすれば振出です。

で・・逆の場合もあり、「借入せず」と節約で想定していても、

住民が「借入しても全て綺麗にしたい」という場合もありだから。



でも、借入した場合。

現在、お世話している管理組合では、約8年前に借入。

借入残期間は、あと2年。

ってことは修繕工事から10年経過して、ローンは完済できても。

また、その後の修繕積立金はなしという状態になる。


これ・・・築年数が経過すればするほど、修繕工事費はかさむ。

ということは、次の修繕工事ではさらに資金不足になるという計算。



国土交通省の推奨では、修繕周期は12年。

これ、14年~15年周期で私は推奨しておりますが・・。

修繕周期は伸ばす。資金は貯める。ここ大切です。


借入を検討するときは、次のシュミレーションも検討しておいて頂きたいなと思う私でした。
コメント
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