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こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

白いアジサイの花

2013-06-09 19:12:29 | 季節・花
6月生まれのその人と初めてあったのは5年前のことでした。

心も体も病んで傷ついていました。

訪ねた部屋には、暮らしの臭いがありませんでした。

話をしながら、焼酎の水割りを飲み続けていたときもありました。

アルコール以外の飲みもの、食べ物を口にしない日もあるようでした。

それほどまでに深く傷ついていたのだと思います。

私の大切な友人が送ってくれた飛騨の郷土料理「朴葉寿司」を、これもいただきものの陶器のお皿と一緒にお誕生日に届けました。
とにかく、何かを食べてほしいと思ったのでした。

希望も喜びも願いも、何もかもどこかへ置き忘れてきてしまったようでした。
口実をつくって外へ誘いだしたいと思っても、ていねいに断られました。

そんな日々でも、人に対して行き届いた心配りをする人でした。
そして時折、花が咲いたような素敵な笑顔をみせてくれました。

救いは生活保護を申請し、生活と医療が保証されたこと。
しかしあるとき「若いのに働かずに生活保護を受けているなんて・・・」と言う会話を耳にしては傷つき苦しみました。

生活保護制度を活用していることは、彼女の救いであると同時に苦しみでもありました。

昨年来の嵐のような生活保護バッシングは、いっそうひどく彼女を苦しめたことでしょう。

医師のアドバイスも聞かずに仕事をし、また落ち込んで。そんなこともあったようです。

紫陽花の花が咲くと、彼女の誕生日を思い出し、お祝いのメッセージをおくりました。


ある冬の日、裸の枝をさらしている紫陽花の傍らにたち、彼女のことを思いました。

葉は一枚残らず潔く落とし、まるで枯れ木のようになって寒さに耐えている紫陽花は、春には再び緑の葉を繁らせ、雨の季節に艶やかな花を咲かせます。



冬の紫陽花に、彼女を重ね昨年2月のブログに書きました。




昨年の暮れのある日、久しぶりのメール。
それは転居と結婚の知らせでした。
きょうは、その人の結婚式です。



白いアジサイの花の向こうに、やさしくて清らかで無垢なその人の微笑がみえるような気がします。



今年も、飛騨の朴葉寿司が届きました。

たくさんなので一人暮らしの隣人や、「珍しいものを」と喜んでくださる方にもおすそわけ。



「6月の花嫁」を思いながらいただきました。彼女の幸せが長く長く続くことを願って。
おいしくて幸せでした。ごぼう茶の香りとよくあいました。


コメント (2)
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