水仙の香り
早咲きもの水仙は正月前にはすでに咲き出している。
水仙は姿と芳香がまるで「仙人」のようなところから命名されたらしい。
学名でもある英名「ナルシサス」はギリシ神話の美少年の名前で、泉に映った自分の 姿に恋をして毎日見つめ続けたらいつのまにか1本の花になってしまった。との話に由来する。
”ナルシスト”の名はここからくる。
いろいろな種類があるが「日本水仙」と呼ばれる古来種がすきだ。
地中海沿岸原産で平安末期に中国から渡来したといわれる。
越前海岸の群生地は有名だ。
「水仙の 香やこぼれても 雪の上」 加賀千代女(かがのちよじょ)
「初雪や 水仙の葉の たはむまで」 松尾芭蕉
植物は植えられたままの状況を眺めるのが一番などだろうが、好みの壷に一輪挿して観たくもなる。
水戸市白梅『桃花堂』の店頭に李朝の白磁に水仙と三椏の花が生けこまれていた。
李朝の白磁、しかもこの形の壷と水仙は最高の組み合わせだ。