湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

ぼちぼち

2012年07月07日 | LeMond
 「ピリオダイゼーションは人によってすべてちがう。君がこれまでにないピークに達したときは、そのぶん谷もまた深くなる。そしてトレーニング局面を作るときには『ほかの誰もがやっていること』を無視して、特定のトレーニングに焦点をあて続けなければならないのだ。それゆえマクロサイクルによってトレーニングを期分けすることは、一定レベルのクライミングを維持してきたクライマーにとっては精神的な試練となる。

 たとえば、エンデュランス・トレーニングの初期では、君のパワーが一時的に以前よりも低下するのに気づくだろう。これではトレーニングを続けていく気にはならず、ましてまわりの仲間がガンガン登っているときにはなおさらである。しかし、もし君がエンデュランス・トレーニングを不充分に終わらせ、相性の悪いトレーニングにつなげてしまうなら、持久力がつかないままハイパワーになり、ともにピーキングさせることもできないだろう。

 このようにピリオダイゼーションの計画を頑張り通すには、結果にたいする信念が必要である。計画通り自分の道を行く信念を持ち続けるために、その支えとなることをいくつかあげておこう。第一に、あらゆるスポーツのトップ・アスリートたちはトレーニングを期分けしており、同じ変動の波に耐えている。私たちがトップ・アスリートを見るとき、いつもベストの状態にあるように見えるけれども、彼らもまたオフをとったり、谷間の時期を経験しており、そんなときの彼らのパフォーマンスは、自己ベストやライバルたちにははるかに及ばないのである。

 中略

 トレーニングというものは、言わば不断の投資と報酬の過程である。投資が大きければそれだけ最終的な報酬も大きくなる。だからアップダウンを通して、君ががんばり抜けるような計画をたてよう。」


 「肉体的に上達していく能力は無制限というわけではない。私たちは皆、各自の限界を持っているが、それは筋繊維の構成比率、免疫機能、体型などのように遺伝的要因によって決められているのだ。人は自分の遺伝的な限界に近づいていけば、そこから大きく肉体的な上達を果たすことが難しくなってくる。たとえば、以前にクライミングをしたことがない人は、クライミングに関わるあらゆることがそのままパフォーマンスの上達につながっていく。しかし、もう何年もクライミングをしている人にとっては、その肉体的な能力はふだん行なっているトレーニングへの適応を表したものにすぎなくなる。だから、もしトレーニングを減らしていけば後退することになる。

 このようにビギナーが大きく肉体的な上達をとげることは造作もないことである。しかし何年もクライミングやトレーニングを続けてきて、さらに上達するためには、トレーニングの質、量、内容に注意し、故障しないように気をつけて意識的に行なっていかなければならない。実力が高くなればそれだけオーバートレーニングの危険に気をつけて、伸びる割合がどんどん小さくなっていくなかで、より懸命に努力しなければならないのだ。

 しかし、現実には選手の到達点が遺伝的限界レベルにあることはほとんどない。多くのスポーツマンがトレーニングの優先性を誤ったり、不適切なトレーニングを実践したり、故障にたいして不注意だったりして、自らの潜在能力を引き出す努力を怠っている。知的な想像力をもってこのスポーツに取り組もう。そうすれば、ドイツのリュディ・ボルヒャートというクライマーが50代半ばで5.13dを登ったように、自分を押し上げていくのも夢ではない。」


 全然そんなレベルにいるわけではないけれど、ひとりで練習しているとやっぱり励まされることは多い。

 久々LeMondで、今週短い坂6本。まだエントリー迷っているけれど、とりあえず次の目標に向かってがんばろう!