この地は思い出したくも無い苦々しい経験の地でも有るが、その苦々しさを忘れさせてくれるに充分な素晴らしいカツラの巨樹と出会わせてくれた土地でも有ります。
今年の5月、丹波、但馬の遅い春も夏への衣替えの季節、丹波篠山からこの和田山町まで足を伸ばし、もうすぐカツラの近くの集落に差し掛かる田舎道の交差点で一旦停止違反でつかまった。
おかげで僕は免許停止になるという苦々しさ、知らない土地での車の運転はまさしく要注意。
気を持ちなおしての、この大カツラの訪問となりました。
集落の奥、糸井渓谷を数キロ遡りさらに林道の砂利道を少し走ると目の前にこのカツラがでんと構えてて待っていてくれる。
桂の周りは綺麗に整備されていて駐車上も整備されている。
空いっぱいにわかばを広げたカツラの樹は巨大で、まるで絵本の表紙から抜け出たような親しみの有る巨樹に見えました。
主幹はすでに朽ち果て、周りのヒコバエだけが元気にその命をつないできたようです。
中心部はぽっかりと大きな空間が占めていて、その中から見上げるカツラの若葉には感嘆の声を上げずには居られない素晴らしい光景でした。
カツラの巨木の常であるが、沢沿いの水の豊かな場所に生育するため根を洗い出され、長大な根が地面を這いまわる姿はカツラの生命力の強さを感じる。
国の天然記念物に指定されていて樹齢2000年、幹周19.2m、樹高35mの威容さです。
こうしたカツラが永久の命を得たかのようにいき続けられるこの環境が破壊されないことを願いたいものです。
2000年生きた命を絶やさないことを願うのみです。
撮影2007.5.26