巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

熊本市旧植木町  滴水(たるみず)のイチョウ 

2013-11-30 | 熊本県

九州では巨木と云えば、ずば抜けて多いのが樟、次いではこの公孫樹じゃないだろうか??

どの地方に行っても名だたる公孫樹の老巨木が在って、それには必ずそれなりの曰く因縁が有り、信仰の対象と成って居る場合が多く、この「滴水(たるみず)のイチョウ」も例外では無い。 

JR鹿児島本線植木駅より北へ約2km地点、植木バイパス鹿南中学校近くの滴水集落公民館前の一段高くなった台地にそびえています。

九州の冬がいくら遅いと言っても、年の瀬の半ば過ぎ、小さな阿弥陀堂の台地は黄金色に染まり、裸木に近い大公孫樹は、寒そうに聳えて居た。

熊本県の天然記念物に指定された大公孫樹は、主幹の周りに株元から吹き出したヒコバエとの集合体の様に見えるが、実は5本の株が密植されて成長したものらしい。

根元には「滴水東屋敷の板碑」と言われる板碑石仏や石造物の残欠などが残り、この大公孫樹は平家落人の墓標として植えられたものだと伝えられている。

目通り14m、樹高42m、推定樹齢500年、廃寺跡の大地に佇む孤高の大公孫樹はそれだけで絵になる景観でした。

撮影2011.12.18


菊池市隈府(わいふ) 将軍木(しょうぐんぼく)

2013-11-25 | 熊本県

菊池市の中心街に程近い県立菊池高校、その正門脇に由緒有りげな祠と並び立つ、大きなムクノキ。

この地の中心、「菊池本城跡」直ぐ近く、古くは武家屋敷群でも並んで居ただろうと思われる一角・・・・

由緒有りげな祠は、城主「菊池氏」の祖霊三代を祀った菊池神社の御旅所、椋の巨木はその御神木だとされて居ます。

しめ縄を巻かれ、菊池神社の神木とされるこの椋は南北朝時代、征西将軍宮「懐良親王(かねながしんのう)」のお手植えだとされ、地元住民からは親王の身代わりとして崇敬され、将軍木と呼ばれている様です。

目通り8m、樹高16m、推定樹齢約600年、つっかえ棒で四方を固められ、ちょっと痛々しい姿です。

おまけに裏側に廻ると・・・・、ちょっと哀しいこの姿、鉄のワッパが根元の裂け目が広がるのを抑えています。

それでも大空一杯枝を広げ、まだまだ大丈夫だと言わんばかりに立ち尽くして居る。

撮影2011.12.18


菊池市七城町 妙見の樟

2013-11-20 | 熊本県

 

この巨樟自身が「妙見の樟」と呼ばれ、霊木として信仰対象と成って居る。

国道325号、菊池市七城町のメロンドーム依り北西に約500~600m、福祉施設脇の道路際、なだらかな斜面にどっしり腰を下ろして居る。

目通り10.0m、どっしり構えた巨幹には微塵の揺ぎも無い様に見える。

主幹は大きく二股に岐れ、樹高30m余り、樹齢約600年。

平成3年の台風で大小の枝が折れ、大きな被害を受けた、言われて居るが全くそんな気配さえ感じさせず、大きな樹冠を茂らせて居る。

しかし国の天然記念物から、菊池市の天然記念物に降格したようだ。

地元では、この樟を「上霍(か み づ る)神社」・「妙見さん」と呼び古くから「水の神様」として信仰対象に成って居る。

撮影2011.12.18


和水町(なごみちょう)西吉地  山森阿蘇神社の樟

2013-11-14 | 熊本県

前日の宿泊地、鳥栖市街から南へ約50km、和水町(なごみちょう)西吉地集落の鎮守、山森阿蘇神社参道脇に立つ巨樟です。

朝一番に宿を出、九州自動車道を南下、 南関ICから県道4号、県道194号経由でこの場所に着いたのが朝まだ早き7時半・・・・、集落の朝は遅く、まだまだ静まり却って居た。

集落入り口脇から石段参道を登れば右手、斜面上、岩盤にしがみつくような格好の大樟が聳えている。

集落を見下ろす形の大樟は、説明板によると、樹高25m、目通り10m、推定樹齢800年と成って居ます。

根元は蔓性植物に覆われ、神木のしめ縄が巻かれて居ますが、大きな洞や傷み等は無く意気軒昂に聳え、とくに根元のボリューム感は凄い。 

撮影2011.12.18


佐賀市旧富士町 下合瀬(しもおうせ)の大カツラ

2013-11-06 | 佐賀県

 

山の神として崇敬され、伐採が禁忌となって保護されてきた事もあり、全国クラスの巨木となり国の天然記念物指定の大カツラ。

佐賀市街より北方へ約25km、福岡県との県境に近い、旧富士町、背振北山県立自然公園内、北山ダム湖流入口付近から少し山中に入った所に立って居る。 

国天の為、車で走る分には僕のバカナビでも、目と鼻の先までバッチリ連れて行って貰える。

水が命の桂の巨木、やっぱりその根元を谷川の清水が潤し、、周りは森の精気と湿潤な空気で森厳さに満たされている。

黄葉もすっかり落とした冬姿の巨木に、いつ降ったのか?少しばかり雪が残って、やっぱり低山にしろ深い山中だと知らされる。

桂特有のヒコバエが25本も群立する樹姿、その一本一本が、脇の木を押しのけるように大空めがけ、その枝を伸ばしている。

樹 齢 約1000年、目通り15m、根回り19m、樹 高34mと成って居る。

まだまだ樹勢は旺盛、ヒコバエ支幹にも、ヒコバエがいっぱい生え出している。

撮影2011.12.17