巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

指宿市開聞十町 枚聞(ひらきき)神社のクスノキ

2014-02-23 | 鹿児島県

鹿児島県薩摩半島最南端、指宿市開聞庁舎の直ぐ近く、開聞岳の山裾最北端に鎮座する薩摩国一宮「枚聞(ひらきき)神社」のクスノキ。

境内に入って直ぐ、朱い二の鳥居脇から巨樟が一本突き出しているのが見える。

何故か大枝の殆どが途中で切断され、樹冠と言える程に葉を繁らせて居ない。

主幹が枝分かれする辺りに良く見ると別種の枝が伸び出していて、春にはその枝に桜の花が咲き物珍しい景観を見せて呉れるらしい。

そういえば以前にも奈良県で同じように、楠に寄生して花を咲かせて居る桜を見たことがある。

太枝を切り落とされたとは言え、樹齢800年、目通り10.6m、樹高23mと、中々のもん・・・

この楠王国の薩摩ではあまり目立たないが??。

境内はやっぱり、どことなく南国風で、師走をついそこに控えた時期にも関わらず真っ赤やピンクのブーゲンビリアが花を付け・・・

 

帰り道、池田湖畔では、12月末だと言うのに菜の花の向こうに開聞岳がその秀麗な姿を見せて呉れた。

やっぱり薩摩は南国ですね。

撮影2011.12.21


南九州市川辺町 川辺の大樟

2014-02-18 | 鹿児島県

落雷により幹が3つに裂け、肝心の主幹中央部には虚ろな空間が広がり、物凄い形相で立ち尽くす「川辺の大樟」。

薩摩半島のほぼ中央部、あの特攻「知覧飛行場跡」より西へ約6km、万之瀬川左岸段丘上に鎮座する飯倉神社の境内、鳥居横に大きく葉を茂らせて居る。

樹幹は見事に真っ二つ、落雷に遭うまでは、「蒲生の大楠」「志布志の大樟」に次ぎ、南九州ではナンバースリーの大楠として君臨していたと言う。

現在では真っ二つに割れた主幹を多くの支え棒で支えられなんとかその樹形を保っている。

しかしながら植物の生命力には目見張るものが有り、樹皮は若々しく、根回りは力強く、生への執着がみなぎって居る。

伝承樹齢1200年、目通り16.0m、根回り22m、樹高25m。

昭和16年国の天然記念物に指定されましたが、現在格下げされ、鹿児島県指定天然記念物となって居ます。

撮影2011.12.21


南大隅町 鬼丸神社のアコウ

2014-02-10 | 鹿児島県

 

南国独特の生態を持ち、最初他の樹木に寄生して発芽着生し、成長すると気根で親樹を覆い尽くし、枯らしてしまうことから「絞め殺しの木」とも呼ばれるアコウの巨木です。

此処は前回紹介の錦江町の南隣町「南大隅町」、鹿児島湾に注ぐ「雄川(おがわ)」右岸、河口から約3kmばかり遡った鬼丸神社社頭に君臨しています。

鬼丸神社は長閑な里山の鬼山と呼ばれる低い山裾に鎮座、一帯の山林自身も鬼山の暖帯林として天然記念物に指定されて居ます。

境内入口、朱い鳥居の両脇には灯篭と、腰から下は無く腕も捥ぎ取られた仁王が立ち並び、こんな辺境の地にも「廃仏稀釈」の波が押し寄せた事を窺わせる。

しかし、すぐ近くの道路脇には大隅半島で一番古い「久保の田の神」が有り、信仰心の強い地であることが窺える。

さて本題のアコウの巨木は、鳥居脇の少し高くなった土段の上、その気根の集まりを思わすような独特な樹姿で聳えて居る。

着床した樹木はとっくの昔に締め付けられ命当てたのだろう・・・・・気根とも枝幹とも見分けが付かない主幹にはまた、蔦やシダ類が共生して植物界の凄まじい生存競争を見る思いがする。

 

樹齢300年、樹高25m、目通り約10.0mとカウントされるが、それほどデカクは無い。

撮影2011.12.20


錦江町 旗山神社の大楠と大イチョウ

2014-02-04 | 鹿児島県

 

大隅半島、錦江町池田小学校近く、旗山神社に君臨する大楠と大イチョウ。

籏山神社は錦江町役場のある鹿児島湾岸、大根占市街地より大隅半島中央部、東部山稜へ約10km、山塊の山肌に拓けた集落の鎮守。

鎌倉時代の始め、平家の落人が住み付き創建された謂れの古い神社ですが、領主「島津氏」が朝鮮、琉球に出兵する際、この山の竹を採って旗竿としたため、旗山と呼ぶようになったとの伝承を紹介している。

朱塗りの鳥居両脇には鹿児島地方独特の石造仁王が起ち、畿内の僕は異質な文化を味わえる。

道路を挟んで境内の向かい、一段高い土壇に威容を誇る老骨の樟が、壮絶な姿で聳え立ち・・・

その主幹には木肌も見えぬほど一杯の寄生植物をまとわりつかせて居る。

大樟は終戦直後、空洞内に住み着いた行商人が火災を起こし、洞の内部が焼焦げ、すっかりこのようにセミの抜け殻状態・・・・、空洞化は否めないものの命を繋ぎ留めてりるが、ちょっと足元が覚束無さそう。

なんの指定もなく無冠だが・・・・樹齢800年以上、幹廻り16m、樹高30m。

空洞内には小さな祠も祀られ神木として大切にされている。

一方境内中央、一段高い拝殿脇には黄葉を落としたばかりの大銀杏が裸木に成ったばかりで聳えていた。

もう一週間程前に訪れていたらちょうど絶好の黄葉に出会えただろうに・・・・・。

因みに目通り5mぐらいだろうか??。 

撮影2014.12.20