巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

一色神社(いっしきじんじゃ)の楠(長寿の樹)

2010-12-31 | 三重県

一色町は伊勢神宮の近く、画像でも見慣れた夫婦岩の有る二見が浦に行く道筋からちょっと外れた、 五十鈴川と勢多川に挟まれた岬状の先端部に位置する長閑な田園が広がる河口の古い集落(集落と言うには大きすぎるけれど)です。

ちょうどその真ん中辺りに有る一色神社の境内に「長寿の樹」と呼ばれるこの大楠が腰をすえている。

この地に人が住み始めた約800年前には既にこの楠は聳えていたようで人々はこれを「産土の木」として崇拝、その後この樹の懐に氏神、一色神社を創建したようです。

しかし時は流れ、慶応2年(1886)、付近から出火した火にあぶられ、神木の楠も延焼を免れることなく消失・・・・・、ところが命の灯が完全に消え去ることは無く復活を果たし、根元から出た新芽が消失した主幹を囲むように大きく成長して現在の姿になっているようです。

残酷な悲劇の跡を残す正面も・・・・・

廻り込み、方向を変えて見るとこの穏やかさ・・・堂々とした巨木ぶり・

まるで何事も無かったよう・・・・、子供が親の命を引き継いで成長し続けている。

樹齢としては150年弱、大枝一杯に羊歯をつけ貫禄充分・・・・・しかしこの成長の速さは凄い。

目通り幹囲 8.0、m樹高 10mとなっている。

撮影2008.10.4


箕曲中松原(みのなかまつばら)神社のクスノキ

2010-12-29 | 三重県

伊勢市、近鉄宇治山田駅 すぐの繁華街の真ん中に在ってこじんまりした森の中に有る。

境内は道路代わりに使われているのか人通りも多く厳粛さには欠けるが緑は濃く揺らぎの一画を市民に提供してるのではないだろうか??

内宮、外宮を始めとする伊勢神宮やその摂社の多い中でなんとなく親しみやすく、一息つける佇まいが嬉しい。

豊受稲荷社と箕曲中松原神社は同境内に有って、この大楠は西側入り口から入って直ぐの正面、境内の真ん中辺りにドンと腰を据えている。

根元より大きく数本に分かれた大枝にシダ類を一杯大枝に纏い、根幹は大きな洞を有している。

推定樹齢800年と言われ、楠正面には鳥居が建てられ楠神社として神格を与えられた大楠です。

目通り 7.7m 樹高 25mの大楠は神そのもののような厳粛さを有している。

根元の洞には守り神の白蛇が棲みついているという話だが確認は出来なかった。

撮影2008.10.4


月夜見宮のクスノキ

2010-12-28 | 三重県

JRと近鉄の総合駅の真正面に鎮座しているのが外宮と呼ばれる豊受大神宮が鎮座していて、またその前方200mぐらいの処に月夜見宮(つきよみのみや)が在る。

伊勢神宮の祭神が天照大御神の太陽神であるのに対して月夜見宮の祭神月夜見命は月の神・・・昼と夜、陽と陰の関係に有るのだろう。

外宮と月夜見宮を一直線に結ぶ道は神が通う道とされ「神路通り」と呼ばれて親しまれているようです。

 清清しい空気の流れる境内に入ると拝殿の東側に大きな楠が聳えている。

手水社の傍で両手を挙げたように見えるのは途中で主幹を失い大枝三本がその代わりを果たしているからなのだろう・・・古い昔に落雷にでも遭ったのだろうか??

しかしそんなことが有ったことを物ともせずに巨大な目通りは7.8m、樹高 28mと言う事になっている。

主幹や大枝にも大きなダメージは無く樹勢も盛ん、推定樹齢 300年以上と言うがまだまだ若々しく見える。

撮影2008.10.4


朝田寺(ちょうでんじ)のスダジイ、楠

2010-12-26 | 三重県

松阪の中心街より伊勢湾方面へ約3km、田園地帯の真ん中に「朝田の地蔵さん」と呼び親しまれている伊勢国最古の地蔵菩薩立像を本尊にする天台宗光福山延命院朝田寺(ちょうでんじ)がある

この寺では道明供養という独特な信仰形態が受け継がれ、葬式終了後宗派にかかわらず朝田寺の地蔵菩薩にお参りし、故人愛用の衣服を掛けて極楽浄土に行くことを祈ると言う。

山門前の良く整備された広場に車を置き、山門を潜ると右手にスダジイ の老木が蹲るように佇んでいる。

根元から何本にも分かれ、新しいヒコバエも大きく世代交代も進んでいるようです。

古い主幹はさすがに老獪、しかし荒々しく隆々とした木肌には力強さがみなぎっている。

枯損した大枝も有って痛々しくも有るが、樹勢そのものに衰えは感じない。

樹高 8m、目通り幹周5.3mとなっています。

左側鐘楼脇には楠の巨木もあって、鐘楼と隣のお堂を覆い隠すように枝を一杯広げている。

しかし楠の巨樹が多い三重県に有っては全く目立った存在ではない。

推定樹齢約 300年、目通り 5.8m、樹高 15m。

撮影2008.10.4


松阪神社の長寿楠

2010-12-24 | 三重県

前回まで紹介していた岐阜県のお隣り、三重県では巨樹もガラっと変わって、岐阜県の大杉からがぜん楠の木の老大樹が目立つ様になる。

岐阜県は山の中、三重県は太平洋側の海沿いに有る県だと云うことなんだろうが・・・・。

三重県の県庁所在地、津市に近い松阪は言わずと知れた松阪牛で有名ですが、市の中心部は松坂城址有す城下町でも有り、本居宣長を排出したところとしても知られている。

松坂城址の城壁を真直ぐ進むと本居宣長神社の鳥居、参道を登って行くと同じ境内に松阪神社があって、この大楠が聳えている。

もっとも松坂神社の参道は別に有る云うのがあとで分かりましたが、松坂城址脇の小高い丘の上に有る緑豊かな森に囲まれた由緒深そうな境内です。

この楠は表示版に依ると、1092年に意非神社のあった「意非の森」(おいのもり)で誕生し、後1588年に蒲生氏郷公が松阪城を築いて城主となり、この森を「四五百の森」と名付け、当神社を城の守護神として崇敬、この楠も神木として崇められ大切にされてきたようです。

この楠の根元には大きな穴があって、これは松阪城からの抜け道の出口だと言う伝承があるそうですが??、僕が此処を訪れたときには根元の洞は見えないようにこの通り割竹の目隠しがされていてどんな様子なのか不明でした。

推定樹齢900年、樹高22m、目通り6.49mと記される老楠ですが見た感じはそれほどの樹齢とは感じられなかった。

 

たしかに洞は大きく深く人が通り抜けるのには充分な大きさ・・・

裏に廻ってみてもこの通り、洞は貫通しているような??

この無粋な囲いは動物が住まいにするのを防ぐためのものでしょうか??

傍らに有った樫の樹の幹にミツバチが巣食って居て充分近づくことは出来なかったがまだまだ元気そうに見えた。

撮影2008.10.4


神淵神社(かぶちじんじゃ)の大杉

2010-12-13 | 岐阜県

すくっと真直ぐに伸びているから国指定天然記念物にになるほど巨大には見えない。

しかし岐阜県はやっぱり山が奥深いのか巨樹となるとどうしても杉ばかりの様な気がしないでもない。

 地域に依って巨樹の種類にも大きな変化があるが、岐阜県の場合はやっぱりまずは杉。

飛騨川沿いに進む高山本線に沿って国道41号線で七宗町役場付近まで、そこから伸びる県道64号で山里の神淵まで、七宗町の神淵支所の前を通る枝道に入って道なりに10分余り、道路は思った程は厳しくもなく山道を走り慣れた身には、あっけなく神社駐車場に到達してしまった。

七宗町のシンボルと言われている神木大杉は国指定天然記念物にも指定され、樹齢約800年、目通り約 7.5m、樹高約 45mと言われています。

鬱蒼としたスギ林に囲まれた神淵神社は海抜457mの深い山中にあってその名の通り神の淵、八百万の神がいる人里離れた神の里です。

撮影2008.10.13


大森神社の大スギ

2010-12-08 | 岐阜県

大山白山神社の大杉を訪れた帰り道それほどの期待もせずに近場に大杉が有るというので大森神社を訪ねて見た。

林道をどんどん下って行くと左手に大きなゴルフ場を見ながら谷間に転々と軒を連ねる小さな宇津尾の集落が長閑な景色の中に見える。

ゴルフ場から出てくる道路や谷奥へ入る道路が交差する集落の入り口辺りの左手山裾に大森神社は鎮座していて大杉は石鳥居の後方、低い石段横の石垣の上に立っている。

石垣状からはみ出した樹根は石段にまでこぼれ落ちる様な勢いで脈打っている。

予想に反した見事な巨樹ぶりで、特に根張りの見事さはこの上ない力強さを見せつけて居るが、少し洞でも有るのか蜂に要注意のにわか作りの看板が立っていた。

しかし大きく枝を張り目一杯に葉をを茂らせて樹勢は旺盛、目通り 9.4m、推定樹齢 300年、樹高 35m。

撮影2008.10.13


保月(ほうづき)の地蔵杉

2010-12-06 | 滋賀県

滋賀県琵琶湖東岸平野を見下ろす鈴鹿山系は滋賀県と三重県、岐阜県を分ける深い山々を連ねて聳えている。

<保月集落・・・・車載カメラにて>

そんな中、滋賀県多賀町の東北部山中には人里離れた隔絶性の高い集落や、既に廃村になってしまった集落も多く興味を惹く。

そんな集落の一つ保月(ほうづき)を訪れる道筋で立ち寄った大杉です。

国道307号線を北進していくと多賀大社前の信号を越え道なりに直ぐの久徳信号で右折、暫く進んで調宮神社へ続く県道139へと入って行く。

県道139に入って直ぐの調宮神社を越えると直ぐに県道とは云え林道紛いの離合困難な狭隘道、斜面をクネクネ登る為片側は深い谷で思わずハンドルを握る手が緊張するほど

です。

国道別れから約20分、植林の杉林に囲まれた道路左側に明らかに特別な存在感の有る大杉が小さな祠を真ん中に三本並び聳えている。

小さな地蔵の祠を守るために植えられたのか、祠の両側に一本ずつ、背後に一本(しかしこれは根元で二本に別れているのか合着木なのか判らない)まるで祠を抱き包んで居るかのようです。

此処は保月集落への峠道に有る乳地蔵、冬季完全無住の保月集落からも離れたこの辺境の地蔵祠に手向けられた花は新しく今でもちゃんと信仰の対象として生き続けて居ることが良くわかる。

中央に聳える連理だと思われる杉が樹齢400年、樹高37m、樹幹周囲7,3mと云われており、巨木としての存在感よりその景観と・・・・今では殆ど歴史の消えた保月集落の繋がりが気になる大杉です。

全く掲示板など無くさっぱり判りません。 

 撮影2010.11.27


大山白山神社の大杉 

2010-12-03 | 岐阜県

岐阜県の東端に近い賀茂郡白川町は木曽山系の深い山中に有り、飛騨川に沿って走るJR高山本線と国道41線沿いにある。

国道41線号線で飛騨川沿いに北上してくると道の駅「美濃白河」で右折、一路看板通りに大山白山神社を目指すが、道は狭く途中何箇所もややこしい処も有るが要所々には案内板が出ていて気を付けていれば間違うことは無い。

つづら折れの山道を進むこと約20分ばかりで大山白山神社の直下石段参道前の駐車場に着く。

急な石段を登り切ると山中にしては明るい境内が開け、中央には深い急傾斜の杉林を背に素木檜皮葺の拝殿がでんと建ちつくしている。

社殿はその脇からまっすぐ登る文化財指定の乱石段と平行して設けられた新しい石段を100段ほども登ると山頂と思しきところにあって、大山白山神社の名前が示す通り泰澄上人に依って越前白山より勧請されたと伝えられれている。

さすがに山深い境内は巨杉の森で幹周り6m以上のものが5本も有り、特別な存在感を持つ大杉は拝殿から本殿に登る石段の真ん中辺りの左斜面上に威厳に満ち満ちた姿で聳えている。

推定樹齢700年、目通り8.9m、樹高 36m、主幹にそれ程大きい痛みはないものの、700年の樹齢は充分に感じさせる老骨さを見せている。

近くに夫婦杉が有ると言うので行って見たがこんな字を書く夫婦杉は見たことがない、左側の主幹が妙に白っぽく枝が絡まってまるで抱き合っているように見える。

目通り6.5m、樹齢約300年。

撮影2008.10.13