一色町は伊勢神宮の近く、画像でも見慣れた夫婦岩の有る二見が浦に行く道筋からちょっと外れた、 五十鈴川と勢多川に挟まれた岬状の先端部に位置する長閑な田園が広がる河口の古い集落(集落と言うには大きすぎるけれど)です。
ちょうどその真ん中辺りに有る一色神社の境内に「長寿の樹」と呼ばれるこの大楠が腰をすえている。
この地に人が住み始めた約800年前には既にこの楠は聳えていたようで人々はこれを「産土の木」として崇拝、その後この樹の懐に氏神、一色神社を創建したようです。
しかし時は流れ、慶応2年(1886)、付近から出火した火にあぶられ、神木の楠も延焼を免れることなく消失・・・・・、ところが命の灯が完全に消え去ることは無く復活を果たし、根元から出た新芽が消失した主幹を囲むように大きく成長して現在の姿になっているようです。
残酷な悲劇の跡を残す正面も・・・・・
廻り込み、方向を変えて見るとこの穏やかさ・・・堂々とした巨木ぶり・
まるで何事も無かったよう・・・・、子供が親の命を引き継いで成長し続けている。
樹齢としては150年弱、大枝一杯に羊歯をつけ貫禄充分・・・・・しかしこの成長の速さは凄い。
目通り幹囲 8.0、m樹高 10mとなっている。
撮影2008.10.4