巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

敦賀市越坂(おっさか) 棚田のタブの木

2012-05-30 | 福井県

前回紹介の越坂「少彦名神社」からの帰り道、小川向こうの棚田に奇妙な樹姿の大木が目に飛び込んできた。

越坂集落がまだそこに見えるほどの距離、なだらかな斜面を下る小川越しの小さな棚田はやっぱり絵になる景観・・

その上棚田の畦には奇妙にも斜に構えた大きなタブノキの古木・・・・・里山の景観としては見事に揃っています。

根元には粗末な野小屋・・・、これがもし小さな地蔵堂だったらと・・・、そうは旨くいきません。

苔生した主幹はたいそう斜に構え、大きな裂け目も見えますが、途中よりまっすぐに立ち上る樹冠は、いたって健康そのもの。

全く無名のタブノキですがその景観と共に捨て難かったので此処にUPしておきます。

辛い野良仕事の合間、この木陰でお茶を汲む老夫婦の姿が目に浮かんでくるような・・・・ 

撮影2009.11.6


敦賀市越坂(おっさか) 少彦名(すくなひこな)神社のタブノキ

2012-05-28 | 福井県

 湖北方面から福井方面に向かう北陸道が敦賀ICを過ぎた辺りで上下線が大きく岐れるが、その深い山間の小さな集落入り口、少彦名神社の傍ら、児童公園脇に立ち尽くすタブノキです。

余談ですが・・・あの高速は上り線と下り線でどうしてあのような別ルートを走っているのか走る度、いつも不思議出なりません。

敦賀IC近くで国道8号線から分れる国道476号線は北陸道上り線沿いに進むが樫曲(かしまがり)で国道476号と別れ、多に沿い道を2km奥に進むと越坂(おっさか)の鄙びた佇まいが見える。

 

ジャングルジム滑り台とタブノキの巨木、その奥に豪雪地帯特有の外観を持つ西願寺(さいがんじ)・・・、まるでこのタブは寺の境内に有るようにも見える。

戸数10軒ばかりの小さな小さな集落、昼間でもすっかり人影も無く音も無い・・・・、しかしタブノキはそんな村の様子を見続けるかの様に聳え立っている。

 

樹齢約300年、目通り5m、樹高25m・・・・、一寸物足りなさを感じるものの鄙びた山村に立つタブの巨木はそれだけで充分。 

撮影2009.11.7


南越前町牧谷 麻気(まき)神社の二本杉

2012-05-24 | 福井県

今庄の北国街道、旧宿場町を訪ねた序でに一寸足を延ばして訪れた杉の巨木。

豪雪地帯のこの南越の地に在ってもすくっと立ち並ぶ連理のようにも見える二本の巨杉・・・・・、山里の広く開けた境内にあって圧巻の存在感を見せ付けている。

北陸道と平行して走る国道365号線、南条駅交差点で県道203へ、そのまま牧谷川右岸を遡れば下牧谷・・、麻気神社はこの集落の東外れ、県道脇に鎮座していて誰でも気がつく。

小さな山里の下牧谷集落に在って式内の名を持つこの神社が多分牧谷の名前の由来なのであろう・・・・。 

相対、並び立つ二本の巨杉は一段高く成った拝殿脇に全く同じような樹姿でお互い競うように天高く聳えている。

目通り5.1m、樹高35mと共に等しく、勿論樹齢も同じなのだろうが・・・、まだ300年には満たないようです。

それにしても、これほどうり二つな個体が並び立つのはやっぱり稀有な事・・・、どちらも共に最期まで一緒に・・、と馬鹿な事を考えたりしました。

しかし共にまだまだ元気そのものようでしたが。

撮影2009.11.7


南越前町 二ツ屋のケヤキ

2012-05-22 | 福井県

荒れるに任され、主を無くした神社の境内に寂しそうなケヤキの巨木。

かってこの日吉神社を鎮守として、北国街道の宿場として栄えた二ツ屋集落は豪雪のため麓に離村、現在、山野と帰した村の中心あたりに鎮座する。

神社は村と一緒に麓へ遷座したのだろうか?もう村人が近寄る事もないのだろう・・・草ぼうぼう、朽ち果てた小さな祠と、かっては神木と崇められたに違いないケヤキの巨木が立ち尽くすだけ。

荒れ果て見捨てられた境内に立つケヤキの巨木は、節くれだっているもののすっくっと天を指すように高く聳えて居ます。

しかし、どこかに哀愁が漂う姿に見えるのは気のせい???

南越前町天然記念に指定され、目通7m、樹高30m、樹齢 300年上 とされていますが、今となっては物好きな親父がたまに訪れるぐらいのものです。

 境内はすっかり荒れるに任され、植林された杉林に覆い隠されています。

撮影2009.11.7


敦賀市 赤崎八幡神社のカゴノキ

2012-05-19 | 福井県

赤崎集落の北外れに鎮座する八幡神社境内に、あの独得な鹿の子模様の木肌を持つカゴノキの大木がある。

敦賀市街を抜け北に向かう国道8号線がちょうど海岸線に出遭うのが赤崎海岸、集落は背後に迫る山裾と海岸線の狭間に軒を連ねている。

八幡神社境内は山手、国道脇から石段参道を少し登った斜面に境内を持つ小さな村の鎮守さん。

小さな社殿脇に聳え立つこの一種風変わりな巨木は圧倒的な存在感を持ち、小さい境内を蔽い尽くしているかの様にも見える。

節くれだって、捩れるように立つ力強い根元は、その鹿の子模様がまるで油絵の点描のようにも見え、一種独得な風格さえ感じます。

目通り4.1m、樹高約14m、樹齢は不明ですが、敦賀市の天然記念物に指定されています。

処どころ小さな洞は見られますが、大きな痛手はは無く樹勢は旺盛、神木として大切にされているのが良く解ります。

撮影2009.11.7


金沢市 堂形(どうがた)のスダジイ

2012-05-16 | 石川県

富山からの帰り道どうしてもこの木だけは見ておきたかったので一寸寄り道・・・、偶々工事中にぶつかり期待はずれの景観でした。

多分、石川県人であれば誰もが知ってるだろう??巨木とは云えないだろうが、名木として名高い「堂形のシイノキ」と呼ばれるスダジイです。

無粋な工事フェンスが邪魔をしてすっかり景観は台無しですが・・・ここは金沢市の中心、石川県庁正面玄関前庭の左右に一対のスダジイの古大木が立っている。

良く手入れされ、左右シンメトリーなお椀型樹形を保っていて、左右どちらも引けをとらず、全く双子の兄弟みたい。

加賀藩初代利家が三十三間堂を模して造った的場から「堂形の的場」と呼ばれ、今にその名を伝えているが、このシイノキ自身は、江戸時代中期、「大槻伝蔵」の屋敷に在ったものを明治になって、(旧)県庁玄関前に移植したとものだと言う・・・。

共に主幹は朽ち果てるように腐朽が進み、株元から伸びだした第二世代の何本もの枝幹が、それを取り巻くように育っている。

何処を如何いう風に計ったのか目通りは約7m/5m余り、樹高12m/13mとなっているがそんな数字は如何でも良い様な・・・。

人の手により植栽され育てあげられた街中に巨木??です。

因みに国の天然記念物に指定されています。 

撮影2009.11.1


上市町若杉 宮川の大ケヤキ

2012-05-13 | 富山県 新潟県

この近辺では相当距離が離れていても見えるであろう・・・・、優しく町並みを見下ろすかの様に若杉日吉神社境内に聳えている。

前日富山市内で一泊、朝一番、国道41号線、県道4号線を経由、若杉町に入り北陸自動車道の高架下を潜り、暫く進むと民家の甍の上に突き出した大きな梢が姿を現す。

なんの迷いも無く到達できたケヤキの巨木は、まるで寺院の本堂ででも有るかの様な日吉神社拝殿後ろから、朝日を浴びて輝くように聳えていた。

日吉神社は鎮守の杜を持たず、ただ一本、神木の大ケヤキが、がらんとした境内を覆うように天まで届けと聳えている。

まだまだ若々しくさえ見える主幹は、二股に岐れた辺りでワイヤーにより締め付け、補強されている。

目通り9.5m、樹高は、ずば抜け高く42m、樹齢は1000年の言い伝えも有るそうですが・・推定約300年以上・・・。

この地は以前、宮川村と云われて居たそうで「宮川の大ケヤキ」として、富山県天然記念物に指定されています。

近づいて直に聴く巨大なケヤキの息吹は、神々しさと荒々しさを、共に持ち合わせて居るような気がする。

撮影2009.11.1


立山町 下田(みさだ)の大杉

2012-05-10 | 富山県 新潟県

下田と書いて「みさだ」と読む、なんとも奇妙な読みだが、字の通りだとするとこの辺りの土地は耕作には適さない土地だったのだろうか??

常願寺川(じょうがんじがわ)から分水してるのだろうか??田園地帯を流れる川岸、杉林の中にこじんまりとした下田白山神社が鎮座している。

 この下田集落には、昔話として、人魚の肉を食べて不老長寿となった八百比丘尼(ここでは白比丘尼と呼ぶようですが)が、若狭へ去る時に植えた杉の木だと伝えられているようです。

取り立てて云うほど大きくも無く、またまた雪国なのにそれ程ウラスギの特徴を持ってるわけでもなく、一寸拍子抜けな杉ですが・・

勿論神木の注連縄は掛けられ、直立はしているものの、少し疲れが目立っています。

樹齢約350年、 目通り6.7m、樹高約25m、立山町指定天然記念物となっています。

撮影2009.11.1


富山市 西岩瀬諏訪社の大ケヤキ

2012-05-08 | 富山県 新潟県

秋のつるべ落としの夕日が巨幹を染めて神々しく演出していた・・・。

富山湾に注ぐ神通川左岸、富山湾の石油基地と隣合わせ、海岸沿いの神社境内に建つケヤキの巨木です。

ケヤキの有る西岩瀬諏訪社は、海岸道路を挟んで直ぐに砂浜の海岸線と接し、大きなケヤキが数本聳え、いかにも村の鎮守さんと言う風情・・

その昔、この海岸線には八重津湊と言う富山藩の米の積出し港が有り、このケヤキの巨木は、港への目印として、又航海の守り神として大切にされて来たらしい。

里山育ちの僕にとって見慣れない一風変わった、砂浜続きのオープン境内・・・・。

大ケヤキは神社正面、石鳥居脇にどっしり腰を据えている・・・・。

今にも大声で空に向かって何か叫びそう・・・、まるで人格を持ったかのように。

歳老い、白い樹皮はぽろぽろ、めくれはがれ、それでも堂々と力強く生きています。

秋の終わり、全ての葉を落とし夕日に照らされた巨樹は、いやが上にも神々しく威厳に満ち満ちて見えました。

伝承樹齢1000年、目通り、樹高約25m・・、この地のランドマークとしてまだまだ元気そのものです。

此処を訪れた10月の最終日、夕日が西の海に落ちようとして海岸線の二人をシルエットにしていたのも印象的です。

撮影2009.10.31


魚津市  黒沢の大杉

2012-05-06 | 富山県 新潟県

前回紹介の「地鎮杉」からの帰り道、県道を走っていると必ず目に飛び込んでくる大杉です。

此処は田圃の中に軒を連ねる小さな黒沢集落、北の外れ田圃の中のお稲荷さんに悠然と立つ単独木です。

背後は広く拓けた田園地帯、長閑そのものの景観のなかに聳える巨杉は、やっぱり雪国の姿で三角錐状には聳えていない。

しかし石の鳥居に赤い小さな御社(おやしろ)、それ覆い隠すような元気な巨杉・・・・、なんとも絵になる景観です。

雪国の此処ではやっぱり当然の如く「立山ウラスギ」、主幹は背丈より少し高い位置で見事に何本にも岐れ、もがきうねるように上へ、天へと伸びている。

若々しい主幹は目通り約7m、樹高約30m、樹齢は不明ですがまだまだ相当若そうです。

それでも見上げる枝ぶりはやっぱり相当やんちゃもんです。

撮影2009.11.1


魚津市 大沢の地鎮杉

2012-05-02 | 富山県 新潟県

鋼鉄ワイヤーで引っ張られ支えられ、痛々しい傷痕を隠すかの様に樹脂セメントで塗り固められています。

富山県魚津市の北端、黒部市と境を接する布施川沿いの小さな大沢集落、県道126号線沿いに威容を誇るように単木で立ち尽くしています。

県道とは云え、それは集落を縫う田舎道、その旧道と新道の間に一段高い空き地が有り、往古この地に住み着いた大沢氏の鎮守として祀られて来たと言う。

北陸豪雪地域に多いウラスギで根元付近で何本にも分岐、曲がりくねってまた分岐する姿は、僕達関西人が見慣れた大杉とは程遠いものがある。

平成3年の台風19号で2本の大幹が引きちぎられたそうだが・・、それまではどれほどの偉容を誇っていたのだろうか??

目通り約10m、樹高30m、樹齢は800年とも500年とも云われ、立山杉の代表格として富山県天然記念物に指定されている。

撮影2009.11.1