巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

鏡野町大町の西条柿(大柿)

2010-08-28 | 岡山県


其の日は早朝早くに京都を発ち岡山、津山地方から鳥取島根へと巨樹追い旅にと出かけた。



しかし秋の長雨でこの辺りに着いたときにも、咲き出した彼岸花が小雨に煙る畦道にさきみだれていて夢の世界のような景観を醸しだしていた。


鏡野町の岩屋の大カツラを訪ねる途中、中国道院庄インターで降り179号線、392号線と乗り換え香香美川沿いに遡ると長閑な田園の広がる鏡野町大町辺りに着く。



此処に西条柿では日本一と言われる巨木が有ると云うので寄ってみた。



古い墓地跡のような石塔が一列に並ぶ中、この山里を見下ろすように西条柿の巨木がすくっと立っている。



柿の巨木は初めて見るが、この柿の木を包む空気と言うか?景観がまるで一幅の絵を見て居るように素晴らしい。



この柿木1本で4トンもの実を付けると云う事だが僕の見た去年はそれほどたわわには実っていないように感じた。



樹齢約400年、目通り約4.5m、樹高17mとなっていて、鏡野町の天然記念物に指定されている。



西条柿は東広島市西条地域の特産で所謂渋柿、渋抜きしなければ食べられない。 


撮影2008.9.21



 美浜町 御崎神社のウバメガシ

2010-08-24 | 和歌山県


実際には枯れてしまってもう見ることの出来ないウバメガシに巨木です。 


紀伊半島の和歌山県側、御坊市の西隣に有る美浜町は紀伊水道に突き出た日の岬を中心に延々6キロの煙樹ヶ浜など日本でも有数の風光明媚さを誇る町です。



市街地から直ぐ近く、煙樹ヶ浜の松並木を目の前に在る御崎神社は、平安時代初期の貞観元年(859年)に庭木としてウバメガシ数百本を植栽したと記されており、その時のものが今日まで残った物とされています。



開け放たれた開放的な神社境内には南北2株の姥目(うばめ)樫の老樹が其の生を保っていた・・・・・・、しかし今年の五月木食い虫被害で枯死状態に陥り一部を残し切断された。



僕の見た2008年8月の時点でも一部の枝に青葉は残るものの真夏だと言うのに赤い葉が目立ち主幹にも生気が無く痛々しいまでの衰弱さでした。


樹齢1100年以上(伝承)、幹周4.5m、樹高10mと云うこの樹はもう今は無い。



もう一本のウバメガシの株元も腐敗、空洞化が進んでいるように見えるが何とか難を逃れているようです。




撮影2008.8.15


 


海南市、藤白神社の楠

2010-08-22 | 和歌山県


海南市は和歌山市の直ぐ南隣に有って其の海岸線に近く、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道が山中に入り込む地点、阪和自動車道海南インターの直ぐ傍にあって市街地と山塊を分ける地点にある。




また此処藤白神社は熊野古道「藤白王子」の跡でもあり、「熊野一の鳥居」と呼ばれる大鳥居がたてられ、はるかな熊野三社を拝んだところ、有間皇子終焉の地として有名な熊野古道、藤白坂の登り口、日本で一番多い姓鈴木家ルーツの神社としても有名でなところです。




大楠群が揺らぐ境内は緑陰が濃く最大級の楠は「子守楠神社」御神体で「子供の神様」として知られ、この地では古来子供が生まれると、長命、出世を祈願し「楠・藤・熊」の名を受けたという。 



世界的な博物学者、南方熊楠翁もここから「熊」と「楠」を名を拝したと云う話は余りにも有名です。


木肌に直接触れられるようにとの心使いと踏みつけによる根の保護のために根元には木製階段が設置されて居ます。




摂社子守神社の大楠は三本、根元で連理していてそれぞれ6~8m、近づくと其のボリュームに圧倒される





本殿前に有る大楠は痛みがひどく、主幹には大きな空洞が有り痛々しい。


目通り12m、樹高15m。



本殿横に有るイチョウの神木、樹根は健康・安産・夫婦和合の御利益があるとされている



境内南側に有る大楠
 


撮影2008.8.15



三岳山佐々木登山口のケヤキ

2010-08-16 | 京都府


兵庫県但馬の小京都、出石からの帰り道R426を南進、但東町を越え、兵庫県から京都府福知山市に入って暫くすると左手前方の高台に絵に成るような巨木が一本見える。





小高い台地状の空き地に石の鳥居や狛犬、石碑などが林立していて其の前方に大ケヤキが孤立していてこの上ない情景をかもし出している。




この地は大江山に次ぐ名山、三岳山や丹波山岳修験道場の三嶽神社への登山口のなっているようで、一本杉鳥居と呼ばれているところのようです。



しかし、其の名前の由来である一本杉はすでに無くこの大ケヤキだけが残っているようです。



巨木としてはもの足りなさを感じるものの形の良い三岳山や石鳥居を背後に置き、周りの里山を従えた大きなケヤキは長閑な里山に良く溶け込んで懐かしい景観を醸しだし捨てがたい景観なので此処にとどめておきます。



尚、標柱に依ると根回り6.1m、目通り約5mとなっています。


撮影2008.7.13




 兵庫県但東町(豊岡市) 一宮神社のケヤキ

2010-08-16 | 兵庫県

 



    兵庫県の日本海側に在る小京都とよばれる城下町、出石からの帰り道R426号で暫く南下すると道の左手に巨大なケヤキが何本も立っている立派な神社が見える。




    神社の隣、久畑宿陣跡には立派な駐車場もあって、片隅にはこの地、「久畑の思い出の水車」だという二連水車も廻っていて其の昔を伝えている。




    此処には丹波と但馬を分ける久畑関所が置かれていて元治元年7月、桂小五郎にまつわる話は良く知られている。


     この一宮神社の境内周辺は、ケヤキ、エノキ、ムクノキ、イチョウ、スギなどの大木が林立し、9本のケヤキの巨木が神社を囲んでいる。




    一宮神社最大のケヤキは境内横を通る農道脇に有って地上数メートルのところで太く三つに分かれ、高く枝を伸ばしている。




    根元には人が何人も入り込める様な大きな洞があり、焚き火の不注意で火事になり一晩中燃えたことも有るという話ですが、樹齢500年幹周囲7m 根回り10.9m 、樹高35mと云う威容を誇っており樹盛もこの上ない。




    撮影2008.7.13


     


    気比神社の楠

    2010-08-02 | 和歌山県

     


    和歌山と大阪南部を分ける和泉山脈の裾野、紀ノ川流域に有って西国33ヶ所霊場としてして其の名を知られた粉河寺の近く、県道7号線で西方に暫く行くと紀ノ川市猪垣の地。



     大楠の在る気比(きび)神社は田園の中に新旧の建物が並ぶ一画に在って明るく開けた境内はことさらに開放的です。



    玉垣の置くに進むと本殿右脇に巨大に広がる隆々とした株を持つこの大楠が威容な姿で聳えている。



    根元は隆々と脈打ち、約13mあり、その上で6本に分幹しているが見た目、三本の大楠に見える。



    最大幹は約6.5m、樹高約16mと痛みも少なくまだ壮年期の楠です。


    撮影2008.8.15