巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

豊岡市日高町万劫 七品(ななしな)のかつら 

2013-03-30 | 兵庫県

 

関西ではスキー場のメッカとして名高い奥神鍋スキー場の奥、稲葉川上流の渓谷、「一ツ滝」の滝壺傍らの崖上から突き上げる桂の老巨木です。

この地もまさに深山幽谷、桂の巨木がひしめく但馬地域、前回から紹介している香美町村岡地域とは山成りに隣接しています。

僕は村岡地域から山越え県道258号線でこの地に到着しましたが、決して進められるドライブコースでは有りません。

深い谷沿い道はダートで足元も悪いがそこここに巨樹が生い茂り原始の様相・・・・。

神鍋渓谷公園駐車場から手入れの行き届かない遊歩道を降りると「一ツ滝」前にしてこの景観。

右手渓谷斜面の崖から覆いかぶさるように斜めに、桂とは思えないような単幹樹姿の巨樹が起ち上がって居る。

目通り約6m、大きく傾き、見た目にも老骨な幹から、細い支幹が複数本起ち上がり、天空にその枝葉を広げて居る。

裏に回ると相当主幹の腐敗は進んで居る様ですが、まだまだ根元には力強さが感じられます。

しかしこの景観は願っても無く、まして水を好む桂にとってはこの上もない場所・・・。

殆どこうして根元まで登った人は居ないのだろう・・・、大きな洞は枯葉で埋まり尽くし、依り腐敗が進まないかとちょっと心配。

撮影2010.6.12


香美町村岡区板仕野瀞川稲荷神社 板仕野の大桂

2013-03-27 | 兵庫県

谷深い瀞川稲荷の境内奥、桂の巨木には持って来いの細い源流域に黙って佇んでいます。

前回紹介、国道9号線耀山(かかやま)口から、兎和野高原(うわのこうげん)一山挟んだ西側谷の奥に有ります。

兵庫県北部、但馬高原域が遅い緑に包まれる六月・・・・。

国道9号線、村岡高校脇から県道135号線89号線経由で板仕野集落へ・・・・この先県道と岐れ、谷川沿いの林道を5分も走れば瀞川稲荷に着く。

人里離れた山中にぽつんと建つ神社はきょせきの狭間に社殿が在り、原始信仰の臭がするような場所です。

桂の巨木は境内横手から斜面を下った谷川沿いの奥に立っている。

一応簡素な案内板程度の物が在る。

滴る緑の沢を少し遡れば遠くにそれらしい巨木が見えてホッとする。

なにせ、せせらぎと野鳥の囀りだけが静寂を破る・・・・、まるでグリーンフィルターを掛けたような景観。

境内からここまで約10分、他を圧するような桂の古木独特な樹姿で立ち尽くしていた。

まだ健在な意外と太い主幹・・・・・それを取り巻く支幹は7~8本。

その外側を取り囲む様に若い蘖。

滴り落ちる若葉の緑・・・・見上げる大空も緑のベールに遮られている。

目通り9.5m、樹高19m、樹齢は不明だが其れ程老骨ではない。

根元には古くない石仏が置かれていた。

瀞川渓谷十三佛の始まり、虚空蔵菩薩の石仏です。

それにしてもこの但馬高原域には桂の巨木が多い・・・・それだけ良好な自然環境が保たれている証なのかも。

撮影2010.6.12


香美町村岡区耀山 耀山(かかやま)八坂神社の大杉

2013-03-24 | 兵庫県

前回紹介の耀山カツラの群生地からの帰り道、ふと目に止まった大杉。

景観の素晴らしい集落入口の棚田脇、杉木立の八坂神社・・・・、鳥居の脇には観音堂が有り神仏混淆の姿を今にとどめています。

境内から集落をみると懐かしい里山の景観そのまま・・・・。

観音堂脇、八坂神社鳥居の前にこの杉の巨木が1本。

取り立てて言うほどの大きさでもなく、其れ程の老骨でも有りません・・・・・、しかしこの景観は特筆に値する。

目通り5.5m、樹高32m・・・、根回りより小さな若木が吹き出して居ました。

何やらもう世代交代の準備ですね。

撮影2010.6.12


香美町村岡 耀山(かかやま)のカツラの群生

2013-03-20 | 兵庫県

但馬地域の 深山幽谷に相応しい桂の巨木が群生、奥へ奥へと進むと一人ではちょっと心細くなる深い谷。

<山へ入る手前の最終集落>

国道9号線をどんどん北上、和田山を越え、関西では名前の知れたハチ高原スキー場の有る町が香美町、ハチ北口の信号を越え、デサントの工場手前の信号を右折、道成に奥へ進めば案内看板もあり迷うことはない。

国道9号線の岐れより約3km、車寄せ程度の駐車場に車を捨て置きそれと解る沢までは徒歩直ぐ・・・・、沢奥の方を見ると片手?を大きく横に広げた正しく桂の巨木がそこにある。

渓谷は見晴かす緑に包まれ、奥しれず深そう・・。

この地の桂の群生は平成時代になってから一般に知られる様に成ったらしいが、それまで地元の人達には見慣れた大きな桂の樹達と言うだけの存在だったに違い有りません。

渓谷入口に近いこの個体が一番大きく、目通り8.1m、樹高30m、樹齢/約500年、桂の巨木にしては珍しくヒコバエに包まれる事もなく単幹の大木です。

緑むす六月、細い沢を長靴履きで奥へと詰めて行きます。

沢は狭く両側から急斜面がせめぎ合い何本もの大桂の若葉が宙を隠しています。

どのくらい沢を詰めたのだろう・・・、行く手を遮るような桂の群落。

説明板には100m程の間に18本もの大桂があるとのこと。

                             

主幹は朽ち果てヒコバエだけで第二世代の命を繋いでいる。

この谷はまさしく桂の沢と言うに相応しい深山幽谷・・・。

まだまだこの地域の深い渓谷にはもっと大物も人知れず息づいているかも知れない。

                   

撮影2010.6.12


揖斐川町 小津白山神社のスギ

2013-03-17 | 岐阜県

山深き、鄙びた山村、小津集落、白山神社参道入口に聳える大杉。

町役場前より揖斐川沿いの国道303号線を遡ること約20分、久瀬中学傍の信号で右折、県道268号線で更に支流の揖斐川支流の小津川を遡ること約4km、山村「小津集落」に着く。

鳥居前には薬師瑠璃光如来と書き示されたお堂があり、古い昔の神社の有り様が窺える。

参道正面から見ると見事な杉の大樹が林立しているのが良く分かる。

岐阜県もこの辺りまで深く山に入ると越前は近く白山文化圏なのだろう、白山神社があちこちに見られる。

参道入口左側、それと解る表示板捕説明板が有り、石柱と鎖で柵を造られ守られている。

其れ程大挙して人が訪れるとも思えないけど・・・・。

目通り幹囲7.1m、樹高46m、樹勢は旺盛・・・、岐阜県の天然記念物に指定されている。

誰ひとり出逢う事のない鄙びた山村の鎮守社は、それなりの雰囲気の中静まりかえっていた。

撮影2009.11.15


堺市 金岡神社の楠

2013-03-14 | 大阪府

堺市の中心街にほど近いあの仁徳天皇陵から東へ約3km余り、新旧混じる住宅地の中に金岡神社と言う古社が有り、その境内は数本の楠の巨木で覆われて居る。

金岡神社は平安時代初期の仁和年間(885~889)に創建され、後画聖・「巨勢金岡(こせのかなおか)」を合祀、金岡神社と称したと言われて居ます。

拝殿に向かって左右一本づつの巨楠があたかも仁王立ちするように 空を覆い尽くして居ます。

中でも見事な枝振り誇る向かって右側の楠、見た目ほどの質量はなく、目通り3.65m、樹高18m・・・・・、本殿左側の楠は目通り4.2m、樹高20m。

社務所脇にも目通り5.1m樹高18mの巨楠が聳え空を覆っている。

本殿奥には白竜大神の楠と呼ばれるもう一本。

老巨楠が枯れ果て、そのあとに芽吹いた二代目楠が大きくなったもので、現在相当大きく育っている。

撮影2010.1.10


長浜市田川町 薬師堂の大杉

2013-03-10 | 滋賀県

湖北長浜市街の北部、 群雄割拠の武将達が熾烈な戦いに明け暮れ駆け巡ったところ、そんな小谷城址は浅井長政の夢のまた夢の後・・・。

この辺は以前、東浅井郡浅井町と言われていた地域、浅井一族縁の地域。

小谷城址のある小谷山南東山裾、湖北穀倉地帯の田川集落北端に小さな薬師堂が在り、御堂への石段脇に大杉が建っている。

どうしたのだろう?ちょっと首を傾げた様に斜め建ち・・・・枝落としが行き届き過ぎているのか枝葉葉頂部に集中していてちょっと寂しい。

むっくり出しの巨大な根張りもどことなく力量不足を感じ、ちょっと疲れて居る様な・・・・・・。

目通り5.7m、樹高29m、推定樹齢300年以上とされている。

撮影2010.4.10


甲賀市水口町 三大寺日吉神社のケヤキ

2013-03-06 | 滋賀県

忍者のひとつのふる里、飯道山東山裾に広がる長閑里山、鎮守の杜の大ケヤキ。

少し前までは絵に描いたような鄙びた景観が広がっていた、しかし広域農道が神社の杜をかすめて通り、社叢裏の林は拓かれ、大きな新興団地に成っている。

それでも敢えて背後を覗かない限り、一筋残った社叢が目隠しになり、目の前には昔のままの鄙びた里山景観が広がっている。

此処の日吉神社の歴史は旧く、白鳳年間(650~685)の創建、古くは三大神社と称したが後、日吉山王神を祀り日吉神社と呼び習わす。

神社参道直ぐ脇には飯道山に在った古刹飯道寺の法灯を引き継いだ鄙びた「現飯道寺」がある。

ケヤキの巨木は境内手前の低い盛土提にどっしり腰を下ろしている。

目通り5.8m、主幹は途中で欠損、枝葉は伸びているが、其れ程背は高くない。

これと言って特徴の無い樹ですが、陽の辺りの悪い半身に地衣類が纏わり、少し勢いが無い。

樹齢600年と言われて居ますがもう少し頑張って欲しい。。 

撮影2009.12.12


与謝野町 滝の千年ツバキ

2013-03-02 | 京都府

ツバキ科ヤブツバキ属クロツバキ、この椿の中では最古の古木であると同時に。、その原種ではではないかと言われる名古木です。

巨木としては論外かもしれないが・・・・・。

こんな名木は、勿論その樹が一番輝く花の時期、この椿なら三月後半から四月の後半に訪れ、その花と共に愛でたい処ですが例に依って人混みを避け、花のない五月終わりの休日に行って来ました。

天の橋立辺りから国道176号線を南下すること約30分、「道の駅シルクのまちかや」を越え、次の交差で右折、県道701を道成に約3km、滝公民館の先で枝道に左折、山道に入ると駐車場に突き当たる。

ここからは杉林の中を歩くこと約10分ばかし

奥深い杉林の奥、西面する斜面に大きく樹冠を広げている。

方々を支え棒で支えられて居るが樹勢はすこぶる旺盛なように見える。

推定樹齢1200年、目通り約3.3m、樹高、枝張り共に約10m、根元から写真の様に数支幹に岐れ立っている。

素朴で紫紅色の花を枝いっぱいに着ける頃に来ないとやっぱりなあ・・・とは思うが人混みは嫌だし困ったもんです。

撮影2010.5.29