巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

六社神社のムクノキ

2009-10-29 | 岐阜県

 



 


六社神社は名神高速養老サービスエリアの直ぐ近く、日本の滝100選や名水100選として名高い養老の滝の北方約3kmの小さな竜泉寺集落の鎮守として鎮座している。



こじんまりした六社神社境内の突き当たりにある社殿の背後からその何倍もあるのムクノキの梢が聳えている。



社殿の背後に廻ると板根状の根株が道路境界フェンスとの狭い隙間から起ち上がっている様は見事です。



根回り10.5m、目通り7.0m、樹高25.5mと、天高くその梢を伸ばしている、根回り、目通りの大きさから想像するほどの樹齢でもないのか主幹、樹姿共に若々しく、目立った傷や洞なども見当たらず、樹勢はすこぶる良好です。




撮影2008.6.13


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松山諏訪神社の大楠

2009-10-26 | 岐阜県


鈴鹿山系の西側に住む僕たちには、その東側山麓には馴染が薄く訪れる機会は殆どない。



岐阜県と三重県を直結する唯一の鉄道路線でもあり揖斐川流域西側養老山地の麓を走る養老鉄道と併走するR258を桑名方面から北進,北伊勢大神宮として名高い多度大社の大きな鳥居を過ぎ、三重県境の町岐阜県南濃町に入る。


南濃町へ入って約1km,「松山」交差点で左折し、橋を渡って旧集落内をみかん畑の山手に進めていくとこの小さな松山諏訪神社の前に出る。 



小さな境内の正面に立ちふさがるようにして拝殿があって、その背後から諸手を伸ばす楠の梢が見える。


拝殿脇から回り込んで見ると見事な楠の巨木の根元に、祠のようにも見える小さな本殿がある。



これは直感では有るけど、「巨木まず在りき」、往古この土地の人々は、この楠を神として崇め、集い、後この諏訪神社を勧請したのではないだろうか??


これがまさしく神木の神木なる所以じゃないのか??、いや神そのものなのだろう。


樹齢約1000年、と成っているが、大きく雄大なその姿は整っていて老骨さは感じられず、1000年もの時間を生き抜いてきたとは思えないほどで、主幹には何の損傷も無く若々しくさえ見える。
 
しかし、幹周り8.7m、樹高 :20mのデーターが示すとおり、若々しく見える中にも尊厳さが感じられ、その樹姿の雄大さには圧倒される。


植物ながら、おかしい話だが今にも動き出さんばかりの躍動感と、生気のみなぎった力強さに満ち満ちた巨木です。



岐阜県では唯一みかん畑の広がる温暖さと、地元民のこの楠に寄せる篤い思いが伝わる巨楠で、岐阜県の天然記念物に指定されています。





撮影2008.6.14


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鎮魂の巨木・・・・、それでも活きてる。

2009-10-22 | 長野県

このところ巨木を追って少し遠出をすることが多くなり、たびたび哀しい姿、巨木の最期に出会う事も多くなった。

巨木を追っかけるにはNETや書籍を参考に出かけるのですが、なかなか更新が追いついてないのか?現地に行ってはじめて哀しい事実に出会う事が多い。

元気なときに出会う事が出来なかった惜別と、そんな巨木の鎮魂の為にここに紹介しておこうと思い立った・・・・・・。

霊泉寺大欅

今年のゴールデンウイークにちょっと遠出、信州の巨木を追いかけようと出かけて、出会った悲しみの事実。

いまだに霊泉寺大欅と検索すると 、『上田市平井字唐沢口2542、霊泉寺「不開門(あかずのもん)」脇にあるこのケヤキは、目の高さの幹約9.4m、樹の高さ約35m、枝の広がりは南北約30m、東西約27mの、当地方で指折りの大木です。』 などと今でも元気なときの画像と共に出てくるが、今では既にあの雄姿は存在しない。

現地付近に近づくも欅の梢は見えず、おかしいなと霊泉寺の門前まで車を進めて初めて見た驚愕の事実、そこに聳える欅の巨木はもはや無く、雨避けの粗末な屋根をかけられた巨大な切り株が「まだいきているぞ」と言わんばかり横たわっているように見えた。

近くの人の話だと昨年7月26日早朝に突然根元より10mぐらいのところから折れて倒壊したという。

 

枯れ死ということに成っているが根株は、ほぼ1年近く経ったゴールデンウイークにもみずみずしさを失って居ず、小さな新芽が吹き出す事を期待せずには居られない。

大欅に対面した作業小屋が真新しく、倒壊の被害をこおむったのだろうと気にかかった。

尚、倒れた当時の画像のあるページを見つけたのでここにリンクしておきます。

撮影2009. 4.30

六道原の一本欅 <長野県小諸市小原>

ここでもそうでした、人里の巨木の場合は大抵遠くからでもそれと解るので探し当てるのはそれほど難しい事ではない。

しかしナビのピンポイントどおりに車を進めても見えて来るはずの欅の梢が見えない、もしやと思って車を近づけて見るとやっぱりこの哀しい姿です。

この大欅の場合は枯れ死してから相当時間が経過しているのかすっかり白骨化が進んで居るように見え、微塵も水水しさは伺う余地もないかのようです。

無残にも朽ち果てそうな主幹には屋根がかけられ今も大切にされている様子が伺える。

しかし方向を変え、良く見ると主幹脇から飛び出した大枝辺りの樹皮には生気が残っており、その枝の頂点辺りから若々しい枝が噴出し、赤い新芽が芽吹いているのを確認した。

植物の生命力と言うのにはいつも感嘆せざるを得ない、勿論往時のような樹姿は期待出来そうには無いが、いつの日かこの小さな枝が空を覆う葉を茂らせる事を期待せずには居られない。

どっこい生きてる、ちょっと哀しくもちょっと嬉しい欅の巨木でした。

在りし日の雄姿は「人里の巨木たち」のここで見れます。

撮影2009. 4.30


栃の木峠のトチノキ

2009-10-20 | 福井県

 



R365号線の北国街道は国道とはいえ道は狭く、ヘアピンカーブの連続で古くから交通の難所として知られてきたところで、冬季には閉鎖されてしまうそうです。



福井県の南越前町今庄と滋賀県の余呉町にまたがる栃の木峠はR365号線の県境になっている。


滋賀県側から車を進めていくと峠頂上で三叉路に成り左手には林道が延び福井県側は深い谷側となっている。



天正六(一五七八)年、柴田勝家が安土、京都方面への近道として開いたといわれ、かってこの峠は栃の木が群生する峠として、又往来の難所として知られていたようです。



標高537m、深い谷川の斜面から群を抜く栃の木が梢を突き上げているのが見える。


勿論栃の木峠の名は栃の木の群生していたことに拠るが、今ではこの木が唯一目立つだけで基幹林道も整備され、かって栃の木が群生していたという面影は無い。



谷川の崖上のテラス状になった栃の巨木の根元に立つと谷底が深く遠くに見え、とても足場も悪く仰ぎ見上げる絶好の樹姿は捕らえる事が出来ない。


樹齢 推定500年、目通7.5m、樹高25m、幾多の辛苦の旅人を慰めて来たのであろうか??  



撮影2008.7. 5


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成相山成相寺のタブノキ

2009-10-18 | 京都府


日本三大名勝の一つ天の橋立を一望する高台に西国三十三ヵ所第二十八番札所として知られた成相山成相寺があってR178号線沿いにある丹後国分寺跡の信号から一気に駐車場まで辿りつく事が出来る。


  


駐車場の係員に聞いてもこの奥山にある逆杉の事は知っていてもタブの木に関しては全く知らないようでした。


勿論ここまで来て本道に参拝しない手はないと本堂に人並みの参拝、どこかにタブの巨木への案内があるだろうと探して見るが



全く見当たらず、NETで見た記憶を頼りにキンピカピンの真新しい五重の塔を目当てに探し当てたのがこのタブの木。


平成十七年十月二九日に落慶法会が営まれたと言う五重の塔は、本堂よりかなり離れた広場に、まるで取って付けた様に建ち尽くしている。


どうも元々有ったものの再建ではなさそう??



タブの木はこの五重の塔の南側、小高く残した台地上に立ち、目通り5.9m、樹高14m、枝張りは南北22m、東西17mと言われ、京都府指定の天然記念物に指定されています。



乾燥しやすい台地上にあっても根張りは発達、ひこばえも多くまだまだ元気一杯のように見えた。


しかし、五重の塔の新築に如何ほどの金をかけたのかは知らないけど??


寺側にしても京都府にしても全く何の案内板も掲示板も設けていないのはちょっと不親切極まりないんじゃない。


撮影2008.5.17


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福井県、旧今庄岩谷のカツラ

2009-10-16 | 福井県


北陸道の今庄インターで降りてR365を南進すること約6.5km、大門バス停を過ぎて最初の信号を左折、県道231を道なりに約15km、ここで広野ダムに突き当たるがダム湖沿いに右折、直ぐに谷川沿いに右折して林道に入っていく、ここから又約5km、谷川沿いに遡上して行くとやがて道路は終点、かなり大きく開けた駐車場に突き当たる。



ここが、かの「伝説夜叉が池」への福井県側登山道入り口駐車場で、正面には夜叉龍神社の石鳥居が登山道の入り口に建っている。


という事はこの登山道は夜叉龍神社への参道で、僕が逢いに来たこの桂の大木は、夜叉龍神社の神木ということなのかな???



駐車場左手斜面の裾にカツラの巨木が立っていて、主幹は2股になっていて勢い良く梢を突き上げている。



絵に描いたような桂らしい桂で主幹の周りを何十本もの「ひこばえ」が取囲んでいる様は、なんとも初夏の匂いのする景観です。



注連縄に吊下げられた表示板に寄ると、幹回り6.4m、樹高  約32 m 樹齢  約400年と成って居ますが、取囲む「ひこばえ」共々の目通りでは優に10mは越えなかなかの巨樹ぶりです。


樹齢も程々、まだまだ元気いっぱいの桂で、斜面からはみ出した根回りも元気良く暴れているのが嬉しい。 



写真で見るように駐車場には夜叉が池への登山者はいっぱい居るのですがこの桂の木に目を留める人のなんと少ない事か・・・・。



この少し下流域で廃村になった岩谷の集落が夏草に埋もれていたのが切ない・・・。
  


撮影2008.7.5


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藤和の大将軍杉

2009-10-14 | 兵庫県

 


  


播但有料道路の終点、和田山ICからR312を少し南進最初の信号で右折すると写真のような景色の中を一直線にのどかな道路が西方の山並みに向かって伸びている。



この一本道を道なりに駆け上っていくと藤和峠を越えて藤和集落へと至る。



峠を駆け下り暫く進むと目の前にひと機は際立つ大杉が見える。


道路は広く車は殆ど通らないので駐車には全く困らない。



目の前に近づいてみると、その圧倒的な枝ぶりの迫力に身じろぎせざるを得ない。



主幹の正面には檜皮で造った大扉があって鍵がかけられています。



中には小さな祠でもあるのかと思ったが、大きな洞があって腐敗を防ぐための措置だそうですが?何のための鍵なのだろうか??



大将軍杉と呼ばれるこの大杉は、丹波国佐治山垣城主の足立遠政の長子、足立藤和(とうわ)がここに隠れ住んでいたことがあり、自分より先に仮住まいをしていた藤原正司(まさつかさ)がいたことを知りました。藤和は正司が自分の遠い祖先と同じ姓であることを因縁に感じ、正司の墓を「大将軍」と呼び杉の木を植えて神木と崇めました。その杉が生長して今の大将軍杉になったそうです。(この項表示板丸写し)



迫力のその大枝は12本に分かれ、それぞれ直立して空を目指すがごとく聳え立っていて、集落の守り神として崇められているようです。



推定樹齢約650年、根周11.6m、目通り8.4m、樹高約35mとなっていて一木で森の形を成すがごとし。


撮影2009.7.4


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青玉神社の夫婦杉

2009-10-12 | 兵庫県

前回紹介の岩座神地区より国道427号で北上する事約15分、道の家「R427かみ」の向い側にそれと解る鳥居があって、その奥に直立する杉郡の参道が

見通せる。

目の前が道の駅だという事もあって、名も知れ渡ってない地方の神社にしては滅多に見かける事の無い参拝客を何組か見かけた。

境内のスギ林の内7本が県指定天然記念物であるようですが、中でも社殿左側奥にある夫婦スギと呼ばれる大杉は圧巻で、樹齢約1000年、樹高60m、根回り11m戸なっていますが、一方別の表示板には幹周り12mとなっていたりする。

根回りより目通りが大きい杉の木というのはどうも解せない、見た目やっぱり根回りの方が太く、いずれかの表示板が間違いではないのだろうか??

とにかく数値はともかく、その姿は威厳と共に神々しさはゆるぎない。

地上8mのところから二股に分かれており、夫婦杉の名で呼ばれ夫婦和合の象徴、神社の神木として地域住民から親しまれ、信仰の対象ともなっています。

二股に分かれた主幹には亀裂保護措置としての鉄製鎖が巻かれ少し痛々しく見えるが、見上げる夫婦杉は、はるかな頭上にその葉をつけている。

 

撮影2009.7.4

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岩座神(いさりがみ)の千本杉

2009-10-05 | 兵庫県

 




この杉の有る多可町は兵庫県のちょうど中程、丹波山系に囲まれた田園の広がる静かな里山地域です。


前回紹介した特殊な樹形の杉がこの地の岩座神(いさりがみ)地区にも在って兵庫県の天然記念物に指定されています。


妙な事にこちらの杉より格段の迫力有る珠洲市新宮神社の大杉は石川県の指定をはずれ、珠洲市の天然記念物に指定されているに過ぎませんが・・・・・。



 R427で北進、多可町役場を越え、途中から国道より枝道を山中に約5kmで棚田の美しい岩座神の集落に着く。


この難しい読みの「いさりがみ」は集落の上方に有る「塔の石」と呼ばれる「磐座(イワクラ)」が語源のようで、「いわすわりがみ」が転訛したものだそうですが、とても難解地名です。



千本杉と呼ばれるこの大杉は集落の最奥に在って,まるでこの里山を静かに見守る様にたたずんでいます。



岩座神(いさりがみ)の千本杉は幹周/3.0m、樹高/14m、樹齢/不明、巨樹といえる程のものではないが、その珍しい樹形ゆえの記念物指定だとか。



周りの杉林は普段見慣れた杉が立ち並ぶ中、この杉の木に何が起こったのだろうかか??



樹幹6~7mのところで多岐に枝分かれして、箒を逆さにしたような形状は「千本杉」の名で呼ばれている、しかしあの珠洲市 新宮神社の杉を見てしまうと少し弱弱しく見えてしまう。


尚、熊本県の阿弥陀杉も同様の杉として知られていたようですが現在では主幹が欠損、全くその姿をとどめていないとか??。





撮影2009.7.14


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