巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

静岡市葵区 郷島浅間神社(ごうじませんげんじんじゃ)の大クス

2012-08-29 | 静岡県

安倍川餅の発祥地として名高い安倍川中流域の鎮守、郷島浅間神社斜面に天を覆うばかりに枝を伸ばした大楠がある。

国道1号線、JR静岡駅近くの昭府ICより安倍街道と呼ばれる阿部川沿いに走る県道27号線を遡ること約15km、安倍川左岸の郷島集落に着く。

山々の谷間を蛇行して流れる安倍川が造り出した砂州と背後の斜面に囲まれた郷島集落は旧道沿いに細長く軒を並べて居る。

参道は子供の頃、夏休みに蝉取りで来たような錯覚に陥るような懐かしさの空間です・

集落南外れから旧道に入れば、すぐにそれと解る石鳥居が有り、その参道脇、斜面を覆い尽くした力強い根元の大楠が在る。

大楠は立ち上がり直ぐに二幹に分かれ、集落を見下ろす様に立ち尽くして居る。

根元、双幹共に大きな痛みも見られず元気そのもの様に見えます。

目通り13.0m、樹高20m、推定樹齢約1000年は俄には信じがたい樹勢ですが・・・・・。

因に静岡市天然記念物に指定され、駿河を代表する大楠です。  

撮影2009.11.22


静岡市清水区 但沼神社(ただぬまじんじゃ)のクスノキ

2012-08-18 | 静岡県

伊豆半島からの帰り道、 急ぎもしないし見慣れない景色を、ゆっくり見ながら下道移動でたどり着いた但沼神社。

国道1号線から分かれて52号線を興津川に沿うように北上、約10km、興津川の右岸に突き出した但沼に着く。

但沼神社は町の西外れ国道52号線に背を向けた小さな丘の上に建ち、巨大な楠が空を覆って居るので直ぐにそれと解る。

社殿は高い石垣の上、南向きに立ち、背後から巨楠が社殿を見下ろしている。

社殿の裏に廻り込むと、社祠脇の頂上付近から巨大な根を斜面と言わず、石垣まで飲み込む様に伸ばしている。

目通り13m、樹高約30m、まだまだ若々しく樹齢約400~500年と言ったところ。

根元には大きな洞が有るのか??コンクリ-トと小石で塞がれて居る。

斜面に精一杯踏ん張って居る力強く逞しい根張りと、すくっと伸びた若々しくさえ感じられる主幹が見事です。

因みに神社の案内板では推定樹齢1000年とちょっと大げさ、静岡県指定天然記念物となっている。

撮影2009.11.22


富士宮市 村山浅間(むらやませんげん)神社の大杉・大公孫樹

2012-08-12 | 静岡県

富士山信仰、富士修験道の中核として中世より栄えた村山浅間神社の境内に有る大杉と公孫樹の巨木です。

村山浅間神社は富士山の南麓、標高500m付近の富士登山の要所を占める位置にあり、中世以来「興法寺」と共に神仏習合の地、富士修験道の根本道場として発展してきたが、明治の廃仏毀釈で諸堂は失われたようです。

境内にはその名残を留めるかの様に大日堂が寂しく建ち、大杉や公孫樹の巨木が残されている。

境内の静岡県の天然記念物に指定されて居る大杉は境内の一角、集落を見おろす台地に有って他を圧する様にすくっと伸びている。

根元より主幹が一直線に高い位置まで伸びた絵に描いたような一本杉。

村山浅間神社の御神木とされ、しめ縄を巻かれ一見元気そうに見えるが、主幹中心部には高さ8mにも及ぶ大きな空洞が広がり、樹勢にも衰えが見え始めているらしい。

推定樹齢約1000年、目通り9.9m、樹高47m。

約10mの幹周りは何とも圧巻でした。

境内中央、背の高い金属柵を施された中に立つ公孫樹の巨木。

11月の後半、この地は暖かいのかまだ梢の黄葉が始まったばかりで、青葉が無数に垂れ下がる、その巨大な気根を覆い隠していた。

全体樹姿はあまり見栄えのする姿では無く、根元の腐朽も著しく老衰は否めなく見える。

それでも、目通り9.2m、樹高16mと静岡県の天然記念物に指定されている。

今は小さな集落の鎮守の様に成ってしまったこの神社にも、輝かしい歴史があった事をこの巨木達だけが知って居るのだろうか・・・・・。

撮影2009.11.22


河津町 杉鉾別命神社(すぎほこわけのみことじんじゃ)の大楠

2012-08-05 | 静岡県

伊豆半島東南部、海岸線に近い河津町は春一番に咲く河津桜の名所としてよく知られて居る。

伊豆急河津駅の北西約1km足らず、河津中学校裏の田圃の中に、明るく開けた鎮守の杜を持つ、別名「来宮神社(きのみやじんじゃ)」とも呼ばれる杉桙別命神社が鎮座している。

本殿の向かって左手、大きく枝を伸ばし、大地を踏みしめるように立ち尽くす巨大な楠が有る。

その力強い根廻り・・・・・。

まるで今にも動き出しそうな・・・・、超現実世界を見るような。

この楠がこの地に芽吹いて約1000年以上、この力強い幹周りや根張りからもその生命力の特別さが見てとれる 。

主幹に累々と突き出す樹瘤はまるでこの巨楠が脈打つ生き物のよう・・・・・しめ縄が巻かれ神木として大切にされて居る事が窺い知れる。

やっぱり此処でも神そのものとして存在してるのだろう・・・・、目通り15.0mは、全樹種中でも19位に入るとか・・

参道脇、一の鳥居奥にもこんな巨楠。

こちらはご覧のように根元から大きな口を開け諸手を挙げ叫ぶが如くの姿です。

少し痛々しく見えますが、大きな洞を囲む表皮には活力がみなぎり、まだまだ元気そうにも見えます。

やっぱり伊豆半島海岸線は紀伊半島に似て巨楠の多い土地です。

撮影2009.11.21