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ここを訪れたのはもう半年以上も去年の11月中ごろ、冬の早い但馬地方に初雪のふる直前のことだった。
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記憶もおぼろげながら、兎和野の大カツラを見てそのまま山を駆け下り、R482号線に出て、小さな旧美方町の中心地であっただろう小代地域局脇の道山手に上って行く。
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やがて直ぐに山岳道路となって行きかう車もまったくなくなったまま峠を越して10分以上も走るとそれと判る看板があってどたどたの砂利道の奥に小さな空き地とその右斜面におおきく突き出した栃の木が見える。
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栃の木の根元には祠があって大きな栃の幹が抱きかかえているようにも見える。
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山を駆け抜けてここに来るまで集落らしきものは見ていないがかって小長辿ノ集落がこの荒滝稲荷神社の裾に在ったらしいがもう廃村になってしまっているようです。
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それでも神社には誰かが来てるらしくあ荒れ放題になっていると言う感じではありません。
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兵庫県で一番大きいトチの巨木で、県指定文化財で、幹周7.0m 樹高25m 推定樹齢600年、神木として崇拝されており、この木の実を食べると崇るとされ、拾うことは固く禁じられているようです。
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僕が訪れた頃にはすっかりその大きな葉は1枚も無く、すっかり裸木であったが、巨大な幹が斜面に踏ん張るようにたっているのは威厳に満ちているように見えた。
去年の秋の終わり、ここを訪ねてこのケヤキの巨木は勧請木であることを知った。
しかしなんといっても年末に近い11月半ば朽ちた縄がケヤキの巨木にうつろに巻きついているだけだった。
この地はスキー場のゲレンデが集落内にあってどの家もスキー民宿をしているようなところで、集落の細い斜面上の道を車で駆け上がった墓地横にケヤキの巨木が3本そびえている。
此岸と彼岸を分ける縄なのか墓地の横のいずれは村はずれの結界には違いないと思うのだけど??
大和や近江で見かける縄とほとんど変わりなく、別宮地区では、毎年1月9日に住民が稲わらを持ち寄り、長さ約18メートル、最大直径約30センチ、重さ約100キロの大綱を編み上げ、編み上げた大綱を、村の上組と下組に分かれて引き合い、その年の農作物の出来を占ってきたようです。
最後に、大綱は区内の2本の大ケヤキにかけられ、1年間、別宮地区を見守ると言うことになっているようです。
兵庫県内の里山も何度か歩き神社にもたびたび寄ってはいるものの今回のこの勧請縄が兵庫県での縄とのはじめての出会いです。
撮影2008.7.12