巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

婆羅門杉

2007-04-30 | 奈良県

 


名阪国道、福住ICを下りて北方向に約2.5Km進んだ所で左手にお寺に入る道があるのだが、案内標識は無い。




僕は、この寺の奥に有る、この里の埋め墓の迎え地蔵さんに会いに行く途中でこの大きな杉に出遭いました。

あまりに凄い杉なので家に帰って調べて見ると色々わかってきた。



「鄙びた山寺の入り口両側に、2本の巨大な杉がそびえる姿は絵になる景観で、特に向かって右側は圧倒するような太さでした。




大蛇がうねるように曲がりくねった太い枝も、迫力です。


しかし、本堂を見ても、寺の名前はありません。



杉の木の掲示板はあっても、寺号も入ってません。


寺号は下之坊寺、聖武天皇と天竺から渡来して東大寺大仏開眼供養の導師を務められた婆羅門僧正が作られたと伝えられる秘仏十一面観音立像を本尊にしている。


ここでいう、婆羅門僧正は実忠和尚の事であろうが、聖武天皇と実忠和尚が合作で仏像を作ったとは夢の有る話ですが俄かには、信じ難い話です




その秘仏の十一面観音を見る機会があればぜひともお目にかかりたい。


婆羅門杉の名前は実忠和尚を、婆羅門僧正と言い伝えて来たことによるものだと思われます。



巨木が2本並んで、山門のように石段の両脇で枝を広げているさまは、見事だとしか言い様がない。


この御神木の杉に生命力をいただき,本尊秘仏十一面観音様に願い事をし、て祈願護符を受け、再び杉に手を当て願いを込めると大願成就するという。


しかし、祈願護符といっても誰も居そうに無いけどね。



1991年の環境庁調査によれば、大きい方は樹高48m、幹周り7m、もう一つが樹高43m、幹周り5m、とあるが、どちらの杉も実際の幹周はもっと大きい様に思う。




この鄙びた寺の佇まいが、一層、木の大きさと、それらの経てきた年月を際だたせて、見る人の目を惹きつける。


この寺を訪れたのは、二月十九日、立春は過ぎたとは云え、まだ寒さの厳しい時期で、杉の葉も、新しく新芽の前で少し色が悪いが、もう一度新芽の季節に訪れてみたい。



巨木が2本並んで、山門のように石段の両脇で枝を広げているさまは、見事だとしか言い様がない。


この御神木の杉に生命力をいただき,本尊秘仏十一面観音様に願い事をし、て祈願護符を受け、再びすぎに手を当て願いを込めると大願成就するという。


しかし、祈願護符といっても誰も居そうに無いけどね。


 


撮影2006.2.19



 


菅山寺のアカガシ

2007-04-27 | 滋賀県

 


前回紹介の菅山寺大ケヤキの聳える参道を石垣沿いに本堂側へ下っていくと鐘楼越しに巨大な樫の木が聳えている。



僕は大ケヤキを先に見てからこちらに下って来たが、通常ではこの樫の巨木を参道右手に見て本堂への短い石段を登ることとなる。


正面には、かなり荒れ果ててやっと建っているような本堂を見る。



幹周り4.85m、樹高20m、樹齢は不明。


しかし、うねるように天を目指す大きな主幹は苔生しキノコまで蓄えてはいるが、空いっぱいに、その葉を広げて樹勢は盛んでまだまだ若々しく見える。



この寺域にはほかにも多くの巨木がありそうなのだが、あまりうろつきまわっても道がわからなくなりそうなので、境内のみを見て回るだけで精一杯でした。


撮影2007.4.7


 


 


 


 


 


 


菅山寺山門の大ケヤキ

2007-04-22 | 滋賀県

 


この、大ケヤキが山門脇に立つ景色にはどうしても出会いたかった。


家を少し早い目に出て、国道307号線でひたすら彦根を目指して約1時間半、そこから国道8号線で余呉町役場前まで、ここで信号を右折、やがて見えるウッディパル余呉のスキー場をつきぬけ林道を登って突き当たりの駐車場に車を留めた。


通常余呉町坂口から登ること約1時間の参道コースで上るらしいが、とても山道の登りには自信がなかったのでちょっと中抜き、



それでも、車を留めて約20分ばかしの山くだり、その日は日曜日、それでも2~3グループのハイカーに出会っただけの山道でした。


帰りの登りを考えるときついなあなどと思ってるうちに深い樹間に山寺らしき屋根が見え出し菅山寺だとわかる。



道はやがて直進と右手くだり坂に分かれるが、そのまま直進するとこの大ケヤキの背後に出ることになる。


菅山寺は、もとは、龍頭山大箕寺(りゅうずざんたいきじ)と称し、764年(天平宝字8年)孝謙(こうけん)天皇の命により、高僧照檀上人(こうそうしょうだんじょうにん)によってこの地に建立され、幼少期をこの寺で育てられた菅原道真が京に上って出世後の889年に中興した古刹で、現在は寂れた山深い無住の寺となっている。



見てみたいと思い続けた2本のケヤキはそのロケーションとあいまって、なんともいえぬ生命力で見るものに迫ってきますが、威圧感というような感じはありません。


小さな山門前の鄙びた石段をはさんで両側に重量感のあるケヤキの巨木がどっしり腰を据えていて、誰でもが目を見張る光景です。



小さな山門を背にしてたつケヤキの巨木は、菅原道真公が45歳のときに手植えしたと伝承される樹で樹齢1100年、樹高15m、20m、幹周6.2m、5.8mと記されている。



右側の木は裏に回るとすっかり洞になっていて根元を残して主幹はほとんど枯損しているが、左側のケヤキはまだまだ瑞瑞しい主幹に活力がみなぎっているように見える。




左側のケヤキ



右側のケヤキ


とにかく、小さな鄙びた山門と古びた石段をはさむ巨大なケヤキ幹が作り出すこの景色はここまで来たものにしか見ることの出来ないプレゼントのような気がします。


多分また来る事に成る事を確信しながらきつい登りの山道を帰路につく。


撮影2007.4.7


MAP


 


高槻市 一乗寺の楠

2007-04-18 | 大阪府

 


一乗寺と言うと、京都一乗寺下がり松の宮本武蔵、吉岡一門の決闘を思い出すが、この一乗寺は、高槻市の東はずれ、


東海道新幹線や、阪急電鉄などの軌道と名神高速道に挟まれた山裾にあるが、この辺りもしっかり住宅が立て込んでいて古きよき風情は失われつつある。



日親上人が、室町時代の1427(応永34)年に建立した古刹で、真新しい本堂左手の開山堂脇に、この楠の巨木がデンと腰をすえている。



弁慶が馬をつないだとの伝説が残る樹齢約780年、幹周り6.6m、樹高29mと裏山を背に堂々とした姿で立っている。


波打つ巨大な根回り、樹瘤もなくすくっと伸びた主幹が威容を誇っています。



境内が明るく広いので、威圧感は感じられませんが、近づくと圧倒される巨大さです。


撮影2007.2.25


MAP


 


大津市坂本 日吉御田神社の楠

2007-04-15 | 滋賀県

滋賀県大津市坂本に有る日吉大社の境外摂社の日吉御田神社は日吉大社参道、一の鳥居と二の鳥居との間にある。

ここは以前紹介した大将軍神社のすぐ隣このあたりには小さな神社がいくつもあって、なんと日吉大社には境外社が108社もあるというから驚きです。

摂社といえども、境内はそこそこの広さで巨象の大足のような根張りの、楠の巨木が聳えている。

幹周り5.25m、樹高25m、樹齢は200年といわれていますが、樹齢以上の巨木ぶりです。

その根張りの規模は大きく、もっともっと年を重ねて居るようにも見える。

楠の巨木の多い近畿圏においては目立たない存在ではありますが、あえて記録のためにここに取り上げておきます。

撮影2006.12.10

MAP

 


倭(しどり)神社のケヤキ

2007-04-13 | 滋賀県

 


琵琶湖の西岸、大津市滋賀里の求道と新道が交わるあたり、ちょっとした丘の上ににある小さな小さな鎮守さん。




この丘というのが赤塚古墳だそうで、被葬者が祭神の倭姫(天智天皇皇后)と伝承されています。



小さな丘の石段、鳥居の左側に妙な姿のケヤキの巨木と右側には楠の大木が聳えていてなかなかの風格です。



このケヤキ幹の上部にはぽっかり、大きな穴があいているのが見えて、まるで御伽噺の挿絵にでも描かれているような姿で、今にも狢(むじな)でも飛び出しそうな気もします。



こうして、境内の上から見るのと、下から見上げるのではまったく違う樹のように見え、2つの顔を持つ巨木です



ケヤキは、目通り約5.3m樹高24m樹齢約400年で大津市の保護樹木に指定されています。


撮影2006.1210


MAP



 


萱島神社の大楠

2007-04-11 | 大阪府

 


京阪電鉄の京都大阪間、大阪府寝屋川市「萱島駅」上りホームの間から幹を出し、葉を茂らせている楠の巨木。



この駅のホーム下に萱島神社の祠があってその奥、殆ど光の差し込まないようなコンクリートに囲まれた小さなスペースに、幹周り約7メートル、高さ約20メートル、樹齢700年ともいわれる楠が立っているのが、なんとも妙です。



おまけに根元は野良猫の溜まり場になっていて、少々うんざり。


今となってはこの楠の全体像を見ることはかなわないが一体往古、この楠はどのような姿をしていたのだろうと想像するのは僕1人ではあるまい。


この楠の根元には、『萱島神社の大クスノキは、高さ約20メートル幹回り7メートルもあります。樹齢700年ともいわれ萱島の大クスノキとして地元の皆さんに親しまれてきました。



昭和47年11月,輸送力増強のため着工した土居,寝屋川信号間高架複々線の建設の際地元の皆さんのクスノキに寄せる尊崇の念にお応えし、新しい萱島駅と共にこのクスノキを後世に残すことにしました。


特有の芳香を放ち豊かな緑を繁らせて人々にやすらぎを与えてきたクスノキをいついつまでも大切に育ててゆくため,ご覧の通り樹木がホームと屋根を突き抜けるという,全国に例をみない姿となりました。』と、いかにも楠を大切にしているといわんばかりの掲示板が掲げられていますが、ちょっと首を傾げたくなる。



楠の巨木が口を利けたらなんと言ううだろう??足が有って歩けたらこんなところには居ないだろう。


なんとも身勝手なのは人間様、だってこの楠700年も前からここに立ち尽くしていた・・・・。


後から来たのは電車のほう、後から来たものが大きい顔をするのは世の常のようですが???


高架ホーム下の神社といい、ホームの間から首を出さざるを得なくなった神木の楠といい、なんとも哀しく、哀れに思うのは、もう熟年域に達した、人間の戯言なのかもしれない。


撮影2007.2.25


MAP


樹下(じゅげ)神社のスダジイ

2007-04-07 | 滋賀県

 


琵琶湖の湖西を湖沿いに走る国道161号線、大津方面から湖北方面に約40分、左手にひときわは高い山が見えてくるのが比良山。



そのあたりの国道161号線にせり出すように枝を張っているスダジイの巨木が目に飛び込んでくる。



 この奥にある樹下神社のご神木、二本の株立ち木でその合計幹周りは8.5m、樹高18m。


2本の幹共に空洞化が進み痛々しい姿ですが枝いっぱいに葉を茂らせている。



しかし国道上に枝をはりだすほどに、真近を車が通り抜け、おまけに目の前に信号機があって、排気ガスの影響を心配せずにはいられない。



古木としての趣はさることながらこれ以上の痛みにはたえられないかも知れない??


撮影2006.12.10


MAP


大将軍神社のスダジイ

2007-04-05 | 滋賀県

 


これはまた気の毒なほどに根上がりしてしまって、どうしたことなのか。



境内の整備か何かの都合で根元の土が邪魔にでもなったのだろうか??。



日吉大社の広い参道の脇、境内に向かって右側の200mほど手前にある大将軍神社のスダジイ。



幹周り5m、樹高14m、推定樹齢約300年。



これほど根上がりしていても樹勢は盛ん、枝いっぱいに葉を茂らせている。


背の低い境内を囲む赤い塀と、このずんぐりとしたスダジイのコントラストが美しい。


撮影2006.12.10


MAP


 


大沢のスギ 

2007-04-03 | 大阪府

 


大阪高槻市から京都長岡京市奥海印寺に伸びる府道79号線、島本町大沢集落の神木としてあがめられている杉の巨木です。


大沢野小さな神社を過ぎるとすぐにゴルフ場の駐車場が見えてくるが、その駐車場へ行くまでの右側山の斜面に小さな表示板あり注意しないと車では見落とし勝ちです。


僕もゴルフ場の駐車場でUターンしてこの表示板を見つけました。


道路わきから斜面を登る道がつけられていますが、車の置けるようなところはありません。



府道の邪魔にならないところに車を止めて、山道をっ少し登るとすぐ杉林の中に、この巨大な暴れた杉の姿が見えてきます。



目通り約6.7メートル、樹高約20メートル、樹齢約800年、八方に太い枝を伸ばした真っ赤に見える幹を持った巨大な杉で、地元では古くから神木の一つとして大切にされてきたようです。



杉の周りには簡単な策が設けられていますが1箇所入り口があって出入りできるようになっていてすぐ真近に行くことも可能です。


ただ神木なので榊の木に御幣をつけたものがこの木の根元に立てかけられていて、その巨大な神々しい姿と共に見るからに畏怖の念を覚えずには居られない。




この木は集落の境にあり、邪悪なものの侵入を防ぐ意味があり、山ノ神、賽の神の役目も果たしているように思えます。ました。

 大阪府指定天然記念物になっています。




   撮影2007.2.25


MAP