巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

産湯の榕樹(アコウ)

2010-06-30 | 和歌山県



龍王神社のアコウの在るアメリカ村から日御碕を山越え和歌山市内方面に北進すること10分余り、誉田皇子(後の応神天皇)が産湯をつかわれた井戸跡が在ることでそう呼ばれている産湯(うぶゆ)の集落に着く。





この集落を流れる川沿いの民家の脇、小さな橋を渡った風情の在る場所は又、産湯の地名の起こりとなった場所でも有り、その地にアコウのあの独特な樹姿の巨樹が在るのは妙に南国感を醸しだしている。





樹齢400年、幹周り7m、樹高13.5m,この木には果たして樹齢と言うものが存在するのか疑わしい、気根は次々に更新するだろうし、どれが主幹と呼べるのかさえ良く解らない気がする。





川なりの道を少し河口付近まで歩くと防潮堤を飲み込む様に聳えるもう一本のアコウの巨木が見える。







本家本元よりも樹齢も若いのか、その姿も雄大で樹勢も旺盛、その気根?は防潮堤からヒゲおやじのヒゲの様に垂れ下がっていて普段余り見かけない風景です。





裏に回ると旧家の前庭。





それほど古いとは思えない防潮堤をしっかり飲み込んで立っていて、この木の並外れた成長力、生命力には驚きです。





この時期新しい実を一杯付けています、果たしてどんな花が咲いたのだろうか?


撮影2009.6.13


龍王神社の溶樹(アコウ)

2010-06-23 | 和歌山県


一種独特の其の樹姿は僕らが常日ごろ見慣れたものとは全く異質、やっぱり強く南方系の臭いがする姿です。



「閉め殺しの木」という別名を持つ溶樹(アコウ)、此処ではウバメガシの大樹をぐるぐる巻きに包み込み、絞め殺しているように見えて奇観でもありちょっと圧巻です。



其の凄まじい様は、まるで何十何百もの大蛇が蠢きながら大枝を這い登るようでも有り、ちょっと異様な光景です。



溶樹という漢字がが示すように宿主のウバメガシを気根や枝葉で溶かし込むように飲み込み、元気この上なく成長してる様は、何か意思を持って蠢く生物のようにも見えてくる。




和歌山県の紀伊水道側、和歌山市街から直線距離にして約40km、ちょうど外洋の波風が直接に届きはじめる場所に当る。




美浜町役場前から続く県道24号線で海岸沿いに10分ほども走るとアメリカ村の名で呼ばれる美浜町三尾の集落、この集落の海岸沿いの小高い丘の上に龍王神社があって、脇拝殿をくぐり抜けるとこのアコウの巨木が奇妙な姿で蠢くようにたっている。



 アコウ(赤榕)はアジア東部の亜熱帯地方の海岸に生えるクワ科イチジク属の常緑高木で、国内ではこの和歌山県が最北限となっています。



アメリカ村と呼ばれる三尾集落



樹齢約300~350年、根回り10m。和歌山県指定天然記念物。


撮影2008.8.15



箕六(みろく)弁財天社のカツラ

2010-06-08 | 和歌山県

R370号線で紀美町美里支所の少し東寄りで県道19号線へ、そのまま道成りに貴志川の上流である三尾川の渓谷沿いを山肌を縫うように15分ばかりも進み、川をまたいで山に向かっていくとやがて人家も途絶えて心細くなった頃、左手山肌に山に分け入る獣道のような参道らしきものが見え、脇に小さな箕六弁財天の石標が見える。

昼なを暗し参道。

白木の鳥居になにやら呪具の様な物??

荒れ果てた参道を暫く行くと白木の鳥居が見えてやがて乱石の階段となるが、其の荒れようのひどい事、杉や樫の大木が何本も倒壊していて歩いて登るのにも苦労する。

案内板や説明版を見ても解るように、多分殆ど参拝も無いようだが、これでは地元民でも近づき難いのではなかろうか??

やっとの思いでカツラの聳える本殿まで辿りつくが、周りを取り巻く格子垣が邪魔になって全く根元部分は見ることが出来ず無理を承知で垣横から裏に回り込んで見たが

足場も悪く雑木が邪魔をして撮影できる状態では無かったが無理やり縦パノラマで撮影しました。

良く見かけるカツラの巨木のようなヒコバエが無数に主幹を取り囲むと言う姿ではなく、根元から大小8本の支幹に分かれていて、一見ひょろひょろと空に向かって支幹を伸ばしています。

高さ約30m、幹囲約8m、推定樹齢500年以上とされていますが、人里離れ、訪れる人とて無い山中の社は、ちょっとばかり薄気味悪い空間でした。

ただ少し救われたのはこのカツラは500年経った今でも根幹部は確かには解らないが、それほど大きな傷も無く元気そうに見えたことです。

ネットを検索しても本を調べてみても、この桂の木はろくな写真も無いので、僕の写真も良く無いけどUPしておきます。

撮影2008.8.15


信太神社(しのだ)の楠

2010-06-02 | 和歌山県

道路より一段と高い境内からずり落ちないように其の強烈な根幹で支えるように立ち尽くしている。

其の隆々とした力強い根が支える主幹も荒々しく大枝は引きちぎられ大きな洞となっているが、それでも残った枝一杯に葉を繁らせている。

道路からはるか見上げてると大声を上げて叫んでいるようにみえる。

橋本道路と呼ぶR24バイパス(実は京奈和道の無料供与区間)最終インター、高野口で降り左折、そのまま道なりに進むと、やがて集落のはずれに一際目立つ木立が見える。

泉州と紀州を分ける金剛葛城山系、岩湧山の南斜面に位置するこの辺りは泉南方面との交流も多く、信太神社は泉州の信太の森から勧請されたものともいわれて居ます。

地元では土龍(もぐら)封じの神として知られ、この地域にはモグラが絶えていないといわれています。

境内に登って見る楠は道路から見上げた楠は大違い、根は巨大に発達しているものの穏やかで、あの強烈な荒々しさは見られない。

掲示板に依ると、和歌山県指定天然記念物、幹周/7m、樹齢/約400年と有る。

また巨大に肥育した根元には幹周り2.1mのクロガネモチを癒合している。

撮影2008.8.15