巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

長野市篠ノ井塩崎 上町のケヤキ

2011-09-20 | 長野県

塩崎上町は長野市とは言えどその南端、千曲市との境界辺り、千曲川が大きく流れを迂回する西岸扇状地に有って、一面のりんご畑が広がっています。

りんご畑の中を行く田舎道脇にひときは枝葉を広げて立ち尽くすケヤキの巨木・・・、周りの景観とも溶け込んで巨木としては持って来いの景色です。

木の周りにはゲートボール場と子供の遊具、小田井(おたい)神社だと言う小さな石祠もあって、ケヤキには注連縄も巻かれ神木として大切に守られているようです。

土地の人達が「大木(おおぎ)」と呼ぶそのケヤキの巨木は目通り約9m、樹齢は不明・・、少しずんぐりむっくりなケヤキの巨木です。

近づいて見る巨幹はまさしく岩塊、ゴツゴツした根元はまるで生き物が蠢いているよう・・・、みなぎる力強さが伝わってくる。

しかし一方表に廻るとこの有様・・・、巨大な樹幹は巨大な洞が上部まで突き抜け欠損、大きな枝幹が主幹にとって変わり葉を茂らせている。

樹盛は悪くないがいつまでもこのままでは如何なんだろう??洞の根元には犬猫や小動物が住み着かないようにか??、簡素なネットが張り巡らされていました。

文化財への登録はされずただただ保存樹の表示だけがありました。

撮影2009.5.1


長野市旧中条村 日下野のスギ(くさがののすぎ)

2011-09-15 | 長野県

前回紹介の「臥雲(がうん)の三本杉」のすぐ近く 直線距離で西へ500mばかりの処に巨樹王国長野県第2の巨杉が有る。

その「日下野のスギ」と呼ばれる大杉は大内山神社の神木としてこの境内に君臨している。

神社境内は鳥居からかなり上部、写真のような木の根道をしばらく上った斜面上の狭い平地に有って、この巨杉と拝殿?本殿?のみが静寂の中に佇んでいる。

山深いこの地で根を張り、神社と共に生きぬいて来たであろうこの巨杉が持つ気魄を感じてたじろぐばかりの迫力です。

この地も自然は厳しく、冬季には積雪も多いのだろう??

御覧のように枝は波打ち、荒々しい樹肌を見せている。

厳しい自然をものともせずに巨杉となるにはそれなりの信仰も保護も有ったのだろうが見事な巨漢ぶりです。

伝承樹齢1300年とも2000年とも言われ神代杉とも呼ばれているそうですが・・・・、それには遠く及ばないかも??

目通り11.5m、樹高約40m、主幹や根元に白骨化したところも見られず、一見まだまだ若々しそう・・・・

撮影2009.5.1


長野市旧中条村 臥雲(がうん)の三本杉

2011-09-09 | 長野県

さすが山国信州、巨木の数も多く飛び飛びにしか廻れないが寄り道寄り道でこれと思う場所ばかりを廻って来ました。

信州に来てこれは逃せないと思った杉の巨木の一本・・・。

前回紹介の七二会(なにあい)坪根集落より直線では西方ほぼ7~8kmの山中に有る旧中条村日下野(くさがの)に臥雲院(がうんいん)と云う古刹が有ってその参道横斜面にこの風変わりな杉が狐立している。

山深い山中でとても直線の道路が有るわけも無く登り下りのくねくね山道を走る事になるが出逢う車もなく、周りの景観も楽しめ快適です。

臥雲院(がうんいん)の三本杉と呼ばれるこの巨杉は今から165年前、弘化4年(1847)3月24日発生の所謂「善光寺地震」で地滑りを起こした斜面もろともに180mも滑り落ち、今の姿でこの地にとどまったと言う。

よくもまあ、ここで留まり、その命をつないで来たものだと希有な生命力に感嘆せざるを得ない。

165年前の痕跡を今に留めこの巨杉の主幹は直立することなく傾き、それ以後の枝葉だけは直立して、見慣れない珍な景観を見せてくれる。

案内板によると推定樹齢約600年強、目通り約11m、樹高約40mちかくにも及ぶ。

途中三幹に分かれるが株はもともと一株、横から見るとかなり扁平な感じを受ける、最近台風の被害にでも遭ったのか??二本の大幹が痛々しく裂けていた。

しかしそんな自然災害をものともせず全身で受け止めて来た力強さをしみじみ感じさせてくれる銘木だと思う。

臥雲院はこの斜面を登り切った上に有る。

撮影2009.5.1


長野市七二会(なにあい) 赤岩の大栃

2011-09-06 | 長野県

それにしても妙な地名です「七二会」と書いて「なにあい」どんな、いわく因縁があるのか・・・・、とても気に成る地名です。

ちょっと検索・・・、あまり面白くもない、いわくでしたが・・・・。

そんなことはさて置き、今は長野市の一部になった東部山間部、坪根集落の奥に続く「赤岩のトチ」への林道へと車を進める。

くねくね高度を上げる林道を7~8分も走ると、栃への案内板があり、そこから先は歩きで斜面に作られた山道を降りて行く。

目の前に黒々とした巨大な木陰が現れたときは思わず目を見張るが、どうにもこうにも撮影ポイントが無さそう・・。

栃は急斜面の山肌に立ち、その上部にわずかながらの散策スペース。

根元直下はとてもロープ無しでは危険なほどの絶壁に近い急斜面・・・。

下部から仰ぎ見る写真も欲しいが・・・命の方が大事、これが精一杯・・・・、しかし根元がどう成っているのかは気にかかります。

上部から見ると二本のように見えるこの大栃は江戸時代後期の弘化四年(1847)、善光寺地震で根元にあったテラス状広場共々埋まり、現在の姿となってしまい全体像を見ることは難しくなっている。

しかし、樹齢約1300年、目通り12.4m、新日本名木百選に選定・・・見事な巨木ぶりだが高所恐怖症の僕には足元も覚束無く近づき難い。

この大栃越し、眼下に見下ろす「七二会」の点在する集落の景観はまさしく絶景です。

撮影2009.5.1


戸隠神社、 中社の三本杉

2011-09-03 | 長野県

戸隠神社」、名前だけは良く耳にする神社ですが、京都に住む僕にとっては、どうもイマイチ馴染みの薄い神社です。

<戸隠中社正面辺り>

この神社の中社に三本杉と呼ばれる杉の巨木があると言うので訪ねてみた。

正面大鳥居奥、石段上に大きく聳える杉の木が見える・・・・、あれが3本杉かと近づいてみる。

三本の巨幹が天を突き刺すように伸び、巨幹が根元では合体して見事な巨体となっている。

どう見てもこれは合木、元は三本だったものが合着したのだろう・・・、目通り約8m、樹高37m、なかなかの迫力で信仰篤そう、次から次へと観光客が近づき、その幹を撫で回していく。

なるほど三本の合着杉だから三本杉かと??納得・・・。

しかし傍らの案内板を見て苦笑・・・、なんじゃこりゃ・・・・・。

確かに鳥居を挟む様に二本の巨杉は目についていたが・・・

こちら鳥居に向かって左手、決して恵まれないアスファルト道路の一角に聳え立つ

根元から大きく立ち上がった洞を合成樹脂で補修されているが樹盛は衰えることなく元気に見える。

目通り9.7m、樹高42mと三本のうちでは一番高い。

三本目は鳥居に向かって右手、土産物屋脇の築山に聳える。

案内板では目通り16mと物凄い事に成っていますが・・・・、これはどう見てもおかしく、どこをどう測ったものやら???

それでも目通りは、ほぼ10mも有ろうか??、こちら目だった傷みも見られず、すこぶる元気そう・・・・。

ちなみにこの「三本杉」にまつわる伝説はリンクしておきます。

撮影2009.5.1


長野市旧戸隠村 豊岡のカツラ

2011-09-01 | 長野県

この桂は巨木好きの誰もが見慣れた桂の巨木独特の樹姿で迎えてくれます。

戸隠神社近く、旧戸隠村の中心地辺り、戸隠村役場前の道をそのまま200mも進むと、右手民家横の林に一目でそれと解る桂の巨木が聳えている。

信州にも「杖挿し伝説」がある様で、この桂は親鸞聖人が常陸国(茨城県)に向かう途中、この地で土中に挿しかけた杖が根付いたものだと伝えられている。

民家の庭を横切り桂の根元に廻るとなんとも、見事な桂の巨木です。

まだ芽吹きだしたばかりの黄色いハート形の若葉をいっぱいに付けている。

桂独特の叢生した樹形も見事で根元にも大きな痛みは見られない。

家人の世話もいいのか桂の周りはきれいに破棄清められ根元にはスズランが群生していた。

伝承樹齢約800年、目通り約11.0m、樹高約30m・・・と成っていて、立ち去りがたい気を起させる桂の巨木です。

長野県指定天然記念物。

撮影2009.5.1