紀伊半島を縦断する国道168号線の入口に当たる五條市に、平成の大合併で編入された旧西吉野村に有るヤマモモの巨木です。
旧西吉野村は全国的にも有名な富有柿の産地、また南朝三帝の行宮(あんぐう)、賀名生皇居跡なども有りよく知られて居ます。
このヤマモモの有る西吉野町奥谷はその地名からも察せられる通り、山肌に柿畑の続く山間僻地に在って、小さな集落が点々と軒を並べる。
そんな奥谷集落の斜面上に、現在は廃校となり奥谷老人憩の家として利用されて居る奥谷小学校跡地の崖地に根を下ろし、その濃い緑を枝いっぱいに付けるこのヤマモモがある。
直樹賞ゆかりの直樹三十五が代用教員としてこの小学校に赴任し、このヤマモモ木に登り大声でデカンショ節を歌っていたと伝えられている。
道路を見下ろす崖淵に立つヤマモモの木は大きく旺盛な樹冠を持ち、目通り約5m,樹高15m、地上近くで大きく数本の支幹に分かれています。
全国的にはそれほどではないにせよ、五條市の天然記念物に指定されて居ます。
まだまだ若々しく生気みなぎる若武者の様な感じです。
撮影2009.11.21