巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

春日大社の欅

2006-09-30 | 奈良県

 

春日大社の駐車場の直ぐ近く、宝物舘へと続く道際にどっかりと根を下ろしている。

ケヤキの老木で、目通り、幹周り約5m、樹高16m、春日大社の巨樹というにはちょっと物足りなさを感じる。

しかし、四方に大きく広げた根元はさすがに貫禄で、老兵死さずのイメージが合う。

主幹のほとんどは空洞になっていてその上方部は折損している

奈良公園内の欅の巨木の中では、これが尤も大きくピカイチ・・・・。

この欅古木は、いわば、ずんぐりむっくりの感は否めないが、古色然とした姿には風格さえ漂う。

樹齢は不明。

撮影2006.8.27


春日大社若宮神社の大楠

2006-09-26 | 奈良県

 

春日大社から両側に春日灯篭の立ち並ぶ参道を若宮神社に向かって行くと、若宮神社入口の右手におおきな楠木が大きな灯篭越しに、かなり斜めに参道の上、一杯に其の葉を広げているのが見える。

                     ↑この写真のみ2005.12月撮影

正面から見るこの楠は、さほど大きく見えなくて、根元にも大きな洞があったり、幹の腐朽が進み、精彩に欠けるように見受けられる。

しかし裏に回って、其の根元に近づくと、さすがに巨大で、まるで巨大なさそりが尻尾をかざしてこちらに迫ってくるようにも見える。

奈良県第一位、目通り幹周り、11.2m、樹高は、9mと低いが、推定樹齢1700年、神功皇后が三韓遠征の記念に植えたと云う伝承があり、当初は3本の苗木を固めて植えたため、成長に伴い幹が癒着して1本の大木になったものといわれています。

1719年(享保4年)10月20日の大雪で、幹の上部が折れ、今のような姿になったと推察されています。

撮影2006.7.30

MAP


春日大社の大杉

2006-09-23 | 奈良県

 


春日大社は奈良を訪れた人なら誰もが知ってる奈良公園奥に鎮座する平城京の守護の為に創建された御社で、藤原氏の氏神としても有名な神社です。



興福寺、境内より続く長い参道脇にも巨木が多く見られ、巨樹ファンにも魅力の地に違いない。



春日大社の大杉は、楼門をくぐって幣殿の奥、独特な姿の中門の前にどっかり根を下ろしている。




幣殿越しに見る主幹は、落雷のためか、枯れはて、白い幹を晒しているが、幣殿より奥に入って見る大杉は




写真のように樹勢も旺盛で、とくに根元の根張りが素晴らしく美しい。




大杉の前には、末社 岩本神社が鎮座しています。



鎌倉時代後期に描かれた「春日権現記」絵巻にもこの大杉の姿が描かれ、幹周り約9m、樹高23m、樹齢800年(一説には1000年)といわれている大杉で、平安時代から春日大社を見守ってきた神木の杉です。


撮影2006.7.30 


MAP


 


水谷神社(みずや)のイブキ(ビャクシン)

2006-09-16 | 奈良県

 

奈良公園への入り口??奈良県庁前の交差点を山の方に向かってまっすぐ登って行くと次の交差点は東大寺前、その交差点も山に向かって登っていくとやがて左手には奈良市の公会堂、右手は春日大社の駐車場になる。

このあたりまで来ると、木々も大きく濃い緑の中に在り、奈良公園も奥まってやがて春日奥山へと続いていく。

駐車場から奥山へと登って行くと右手に、小さな水谷神社の社が見え、その社の何倍にも達する巨木の

イブキが瑞垣の上に巨体を斜に構え大きい支え柱に身を任せて居るように見える。

巨木の下を春日大社への参道が通っており、この巨木ぶりを下から仰ぐ事になる。

常緑樹であるはずのイブキの枝には緑が無く、新しい枝打ちが痛々しく見えていた。

表示板によると・・・・・・。

幹は空洞に成っており、その中から杉が育ち、イブキの大きな幹が杉を抱え込む形に成っている。

この不思議な関係のイブキと杉は古くから「水谷神社の宿り木」の名で知られている。

とあり、目通りの幹周り6.55m、樹高12.5m。

抱きかかえられているはずの杉の木も確認できなかった。

幹はまだ瑞々しく、すでに命が尽きてしまったとは思えないがこの先が気になる巨木です。

撮影2006.7.30

MAP

 

 


弘法杉

2006-09-11 | 滋賀県

 


この巨杉も滋賀県湖東地方の巨木の例に漏れず、突き刺した箸が育って巨木に成ったと言い伝えられている。


今回箸を突き立てたのは弘法大師、滋賀県湖東市甲西町、旧東海道の石部宿近く、吉永にある「大沙川隧道」のほぼ真上にこの杉がある。



大沙川隧道は天井川(大沙川)を潜るトンネルで、半円アーチ形天井、壁は花崗岩の切石積みという立派な作りで、地元では「吉永のマンボ」と呼ばれている。



かって、大沙川の堤防には2本の巨杉が聳えていたらしいが、1本は堤防が崩壊して倒れ、いまは、この杉が単木立ちしている。



堤防に上がると弘法杉の前にはお堂が建てられ弘法大師像が祀られ、この弘法杉自身が信仰の対象として大切に守られている。



言い伝えだと樹齢は1200年には成るのだが、実際には樹齢約750年、樹高26m、目通り幹周6.0m


やっぱり、ここの巨杉も枝振りが見事に暴れていて、長らく手付かずの状態で(信仰の対象物其の物)おかれていた事を伺わせる。


撮影2006.7.22


場所はここ。


 


南花沢のハナノキ

2006-09-06 | 滋賀県

 


この巨木も又、土にさした箸が大きく育ったという伝承をもっている。


この木を植えたのは聖徳太子だという事になっていて、樹齢400年と言うこの巨木とはまったく時代は合わないが夢のある話でおもしろいが、なぜこの湖東地方に箸が育って巨木になったと云う伝承が多いのかはまだ調べていない。



国道307号線の滋賀県東近江市近江市南花沢の八幡神社境内にあるこのハナノキは、樹齢400年、樹高15m、目通り幹周5.15m、日本最大のハナノキです。



ハナノキはカエデ科の落葉広葉高木で、4月上旬に濃い紅色の花をつけるところからハナカエデとも呼ばれていて、岐阜、長野、愛知県境の恵那山麓の湿地に僅か自生している種で有り、現在では絶滅危惧植物に指定されているという。


巨木としてこの地に現存していることが植物学上貴重な分布例で有るとして大正十年3月3日国天然記念物の指定を受けている。


 


撮影2006.7.15


場所はここ。


 


 


男飯盛木(おとこいもりぎ) 女飯盛木(おんないもりぎ)

2006-09-04 | 滋賀県

                    女飯盛木のむこうに男飯盛木が小さくみえている。

滋賀県、琵琶湖の北端に近い彦根から、少し走ったところに多賀大社という古い大きな神社がある。

多賀大社の正面の道路を西方に走るとやがて名神高速の下をくぐりぬけ、大きく開けた田園地帯に出る。

この田んぼの中に、200mほど離れて2本の独立した欅の巨木がある。

                                                     男飯盛木

名神側から近いほうが「男飯盛木」もう1本は「女飯盛木」と呼ばれている。

                                                    女飯盛木

元正天皇(715~724)の病気平癒祈願にケヤキで杓子が謹製され、其の残り枝を地に挿したものが大木になったと伝承されていて、地元では「お多賀杓子と飯盛木」の言い伝えで親しまれています。

二本の樹ともに田んぼの真ん中にあって、そばに道路が通っているのでいたって見つけやすく、いとも簡単に近づく事の出来る巨木で、このような事は珍しい。

最初に出会った男飯盛木は主幹が少し高くなった土盛りから斜めに突き出していて見栄えがいい。

樹齢約300年、幹周り6.32m、樹高15m

少し離れた女飯盛木は道路側正面が大きな洞になっていて痛々しいが樹盛は盛んで青々と天いっぱいに葉を茂らせていた。

樹齢推定600年、樹高15m、目通り幹周 9.75mは滋賀県第二位の巨木だといわれています。

撮影 2006.7.15

場所はここ