巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

池田町 山田の大ケヤキ

2011-05-29 | 福井県

福井県池田町はやっぱり山里、小さな集落には大きな樹が何本も有る。

国道476号線沿いに有る須波阿須疑(すわあずき)神社の社頭から足羽川、その分流魚見川の二本の川を越えた北側に連なる山裾に有る小さな山田集落。

集落の中程の八幡神社には山田の大欅 (やまだのおおけやき)と呼ばれるケヤキの巨木がある。

民家の庭や集落内道路と何の隔たりも無い境内の神楽殿横に大きく傾いて苔むしたケヤキの巨木が立ち尽くしている。

 

根元が大きく膨らみ樹瘤蛾累々と重なりこのケヤキの樹がいい気抜いてきた長い歴史を伺わせるに充分な風格を感じることが出来る。

いつの時代からこんなに傾いてしまったのだろう??このケヤキにいつの時代にどんな困難があったのだろうか??

まるで岩塊のように見える主幹は目通6m、樹齢約800年、樹高35m、根元がかなり大きく膨らんで樹全体を見るとそれ程巨きく見えない。

撮影2009.4.11


池田町 社頭一里塚のケヤキ

2011-05-27 | 福井県

前回紹介した稲荷の大杉が有る須波阿須疑(すわあずき)神社のおおきな鳥居から、目の前の国道476号線を挟んで対峙するケヤキの巨木です。

<対峙して建つ須波阿須疑(すわあずき)神社の鳥居>

「一里塚のケヤキ」と呼ばれるように江戸時代の慶長年間、全国の街道整備と設置された一里塚名残のケヤキだそうで、社頭一里塚と呼ばれているようです。

足羽川と国道に挟まれた「一里塚のケヤキ」は道祖神の祠を前にして、その役目も終わり今はただ悠然と立ち尽くすのみ。

一里塚にはケヤキとエノキを抱き合わせて旅人の道標、また憩いの場として利用されたようでこのケヤキもエノキを抱きかかえるように成長現在に至っている。

池田町天然記念物指定、樹齢は勿論慶長年間の植栽で約300年、目通りケヤキエノキ合着二本合わせて約8mとなっている。

撮影2009.4.11


池田町 稲荷の大スギ 

2011-05-25 | 福井県

池田町は 福井市の南方、岐阜県と県境を接する山また山の谷あいに開けた人口3000人ばかしの、小さなその分自然豊かな農山村です。

それでも町の中心部、国道476号線沿いは足羽川に沿って明るく開け、町の機能が集中していてここが山間谷間だと言うイメージはありません。

福井市方面から足羽川沿いに遡り池田町の中心役場前を過ぎ、やがて国道が足羽川を渡る直前左手に朱い大きな鳥居が見える。

その名も、聞いたことが無いような須波阿須疑神社(すわあづきじんじゃ)、なんとも妙な読み方をするもんだと感心する・・・・。

長い参道からなにやら由緒深げな本殿へ、更に裏手の山道を10分ほどテクテク登るとお目当ての大杉。

裏山の中腹辺りなのだろうか?斜面にどっかと腰をすえた巨杉は勿論神社の神籬(ひもろぎ)、注連縄が巻かれ、近江の野神でも良く目にする長い竹竿の幣が立てかけられている。

主幹は節くれだって白味をおい枝は長い年月を耐え抜き、こじんまりと纏まっているが一種独特な威厳と風格を感じる。

「稲荷の大杉」と呼ばれ、推定樹齢、千数百年??、目通り10m、樹高40m、福井県指定天然記念物とある。

最早それが神そのものでも有るかの様に、大杉大明神と称され崇め祀られ守られ続けている。

 

この大杉は、確かに神格を感じる何かを持っている。

撮影2009.4.11


坂井市旧丸岡町 神明(しんめい)神社のスダジイ

2011-05-22 | 福井県

前回の受法寺のスダジイからほんの少し山手に歩いたところに有る鎭守の杜のスダジイです。

鎭守は神明神社、つい最近台風の被害にでも遭ったのだろうかやけに境内ががら~んとして何処か間の抜けた感じがしなくもない。

拝殿手前に切石の壇をを作られその中に此の老スダジイが老獪な姿をさらけだしている

二本に分かれていただろう主幹のうち一本は無残にも引きちぎられたような跡だけを残して今はなく、基幹部に深い傷跡と洞を抱えている。

推定樹齢約300年、目通り約6m、此の地域ではスダジイがやけに目に付く、樹勢は悪くないが傷跡は痛ましく、何か外科的手当も必要ではないかと・・・

幹には注連縄が巻かれ、御神木として大切にされている。

撮影2009.4.11


坂井市旧丸岡町 受法寺(じゅほうじ)のスダジイ

2011-05-19 | 福井県

北陸自動車道福井ICを越えて暫く北進すると女形谷(おながたに)PA に着くが、すぐ此の近くに受法寺という寺が有って、その庫裏裏の茂みに巨大なスダジイが隠れている。

PA( パーキングエリア)で下道に降りる訳には行かないけど、受法寺の有る山久保集落は山裾に開けた田園地帯にこじんまりと家並を連ねる長閑な集落。

<建物越しに見えるスダジイの巨木>

集落の中程に大きな境内を持つ受法寺は北陸の集落に多い浄土真宗の寺院で小さな集落に在っても立派な境内や建物を持つことが多い。

公民館横の狭い通路を伝って裏に回ると見事なスダジイがどっかり腰を落としている。

根本付近でまるで扇の骨の様に六幹に別れ、それぞれが大空を目指す様に伸びている。

推定樹齢約300年、目通り幹囲約8.5mと、まだまだ若いがボリュームはかなりのものです。

どのスダジイでも同じですが根元はうねり脈打ち、迫力があり、勿論まだまだ成長途上で元気そのもの。

撮影2009.4.11


熊野市 長全寺のナギの木

2011-05-16 | 三重県

 紀伊半島三重県側の大台山系南山懐にある棚田に囲まれた鄙びた山里の旧紀和町長尾集落。

同じく紀和町に有る棚田100選にも選ばれた丸山千枚田を訪れた帰り道がてらに寄ってみた。

丸山千枚田にしても熊野灘の海岸線からは遥かに遠い山の中、それから今来た道を更にそのまま道なりに約15分程走ると峠を越えてこの景色が目の前に広がる。

丸山千枚田と同じく斜面に広がる棚田の中に集落の家並が点在してまるで桃源郷、もうここは奈良、和歌山県境にもほど近い

集落の中程にある学校跡地に隣接するように此の鄙びた山里によく似合う境内と本堂の長全寺があり、境内隅、石垣上に大きな木立がある。

ちょうど桜満開の時期に出くわし、鄙びた山里の棚田と巨木と桜の饗宴に嬉しい目の保養をさせて貰った。

その大きな洞の根元には小さな祠と古びた地蔵石仏、石仏の上にはしめ縄、この樹は神木に違いなくここでもやっぱり神仏混淆は色濃く残っている。

かたわらの祠は熊野権現かな??このナギの木も、あの熊野速玉神社のナギの木を植えた平重盛のお手植と伝えられているが樹齢は合わない約400年。

しかし威容に発達した根株は世代交代を繰り返した結果なのかも??空洞になっている主幹の中にもう一本別の幹が厳然と有る異常さ・・・・。

まさに永遠の命を与えられたのかも知れず、樹勢も風格も衰えを見せない。

撮影2009.3.28


上北山村 橡谷(とちたに)のカツラ

2011-05-12 | 奈良県

このカツラの大樹はネットでその存在を知ってからいつぞやは必ず行ってみようと常々思っていた。

奈良方面から熊野に抜ける 国道169号線は紀伊半島を縦断する国道の一つ、大台山系の深い谷を見下ろすように山肌をクネクネ進む雄大な景色を満喫出来、僕の好きなドライコースのひとつです。

一目1000本桜で有名な吉野金峯山寺の麓、宮滝遺跡辺りから紀伊半島横断へと南下、ここから距離にして約40km、時間にして約1時間弱の山岳ドライブ。

上北山村役場前で県道226へと進路を変え「水分神社」前から大平瀬集落の傍らを行く林道で橡谷を詰めて行くとやがて此の桂の木に出逢うことが出来る。

遠い険しい道のりをやっとの思いで辿りついたらこの様です、工事の兄ちゃんには「そんなに有名な樹なんか??」と小馬鹿にされる始末・・・

工事中でもあり、周りの景観もすっかり変わっていたこともあり、ネットで見たあの桂とは全く印象が違って馬鹿に貧弱に見える。

干上がった川原に枯れたように冬姿の此の桂は大丈夫なのかとちょっと心配。

主幹が最近欠損したようで益々いたたまれないけど・・・・・

データーでは樹齢約300年弱、目通り9.2mと成っているが、どうもちょっと気の毒な姿でした。

この先熊野方面へ抜けられるのかと聴いたら、抜けられるはずだけど行ったことが無いので何処に出るか解らないと、地元の人でもいい加減な返事しか返らないほど此の大台山系は奥深い

撮影2009.3.28


真庭市 醍醐桜

2011-05-10 | 岡山県

岡山、中国山地の高原地域を訪れ、巨樹好きがここを逃すわけがない 。

桜の花の咲く頃に花のないこの樹をUPする勇気もなく、ついつい今の時期に成りました。

花のある時期にここを訪れ、花いっぱいの画像を紹介するのが良いんだろうが??人混みの大嫌いな僕にはその芸当は出来ないし・・・。

殆どたまにしか、地元車も見かけない離合も困難なほどの細道をすいすいと、一気にここまで駆け上がって来た。

谷間から山の斜面に建ちならぶ集落は約10軒余りか、鄙びたといえばあまりに鄙びた山里の集落に対面する墓地上部の高台に此の醍醐桜は屹立している。

もう10年以上も前か??大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の一場面でもロケ地として使われ一躍その名を馳せ、花の時期にはとても寄りつけない程の名所と成ったとか・・・・

墓地へと続く駐車スペースに車を置き、墓地横、野道の向こうに桜の巨木が威容を誇っている。

小高い丘の頂上あたり、小さな集落を見下ろす様に立ち尽くす此の巨桜樹は彼岸桜の一種「アズマヒガン」で推定樹齢1000年、遙か遠い昔にこの地に芽吹いたのだろう。

何処から眺めてみても素晴らしい樹形の巨桜、枝ぶりも申し分なく花を枝いっぱいに付けて咲き誇るさまは確かに一見の価値が有るとは思うが人混み車混には耐えられない。

「日本の名木百選」にも選ばれた見事な桜は「醍醐桜」と呼ばれ、後醍醐天皇が、隠岐に流される途中ここに立ち寄り、美しさを賞せられたとの言い伝えによると云う・・・・・。

嘘か真か囚われの身でよくもこんな山奥まで足を伸ばしたものだ・・・・根元には小さな祠が有っていやが上にも此の申し分ない景観に一趣を加えている。

目通り7.1m、根本周囲9.2m、樹高18m・・・岡山県の指定天然記念物。

花が無くても充分に堪能出来る巨樹でした・・・、見下ろす山里は三椏の花盛。

京都からは遥かに遠い山の中でした。

撮影2009.3.20


真庭市勝山町 観音堂の公孫樹

2011-05-08 | 岡山県

岡山県、中国山地のど真ん中辺りに位置する真庭市はその北部で鳥取県境に接し、牧歌的な高原風景を醸し出しています。

中国道落合ICから国道313号線で旧勝山町の中心街へその先道なりに181号線、途中県道32号線でJR姫新線と月田川に沿うようにして遡りJR月田駅を過ぎて暫く走った木山神社の有る辻を右折、最初に出逢う集落がこの大公孫樹のある毛佐(けさ)の集落。

集落の入り口辺りから集落内道を歩けば直ぐにそれと解る大きな木立が山裾、民家の屋根越しに見える。

公孫樹の樹の有る観音堂はちょうど民家の裏側にあり、民家の軒先を裏山裾に有る観音堂まで少し歩く事になる。

山裾の一段高い台地に立つ鄙びた観音堂、堂前まで伸びる僅かな石段、それを見下ろすように立つ大公孫樹・・、望んでも得れないような絶好のロケーション。

観音堂脇の斜面にどっかり下ろした根は見事に密集、巨体の主幹を支える力強さにみなぎって、見事な景観をかもし出している。

見事な枝ぶりも見ものです。

少し前屈みにも見えるが、株立ちで大きく4~5本に分かれた主幹は既に世代交代を進めているかのよう??

樹齢約700年、目通り8.8m、樹高は樹高35m 。

春の芽吹きにはまだ少し間が有る三月の訪問、秋の紅葉はさぞかし見事であろう枝ぶりです。

元来の主幹は相当な老齢、しかし次から次へと世代交代のヒコバエが大きくなって命のバトンタッチが順調そうに見えます。

素晴らしい景観と素晴らしい自然環境の中で永遠の命を与えられた大公孫樹なのかも知れません。

撮影2009.3.21


真庭市 高岡神社のスギ

2011-05-06 | 岡山県

中国道、岡山北房ICで降り、国道313号線を約10km、15分ぐらい南下すると左手国道脇に大きな石鳥居があり、田圃を挟んで山裾にそれと解る杉の大樹が聳えているのが見える。

鄙びた山沿いに、それにしても立派すぎる石の鳥居と参道・・・・由緒正しき古社なのだろうか??

 

遥か奥へ高みへと延びる石段参道・・・。

石段の始まる辺り、旧道脇の斜面にどっしり腰を下ろした平安杉。

樹齢800年、目通り8.5m、根元を見れば実に堂々として力強いが・・

二股に分かれたその主幹は哀れにもこんな姿・・・・

二股より下部はすっかりホンガラ・痛々しい姿・・・・、いつの時代からこうなってしまったのだろう??

多分落雷にでも撃たれたのだろうか??

しかしまだまだ元気そうで幹の木肌は元気そうでした。

撮影2009.3.8