巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

安芸太田町 筒賀(つつが)のイチョウ

2011-07-12 | 広島県

推定樹齢1100年、広島県第二の公孫樹だとされる「筒賀のイチョウ」は、中国自動車道戸河内ICより国道186で少し西に走ればそれと解る大きな木立に出遭う。

公孫樹にしては天を突き刺すように聳えるこの樹は何か特別な存在でも有るようだ・・・。

比婆山系山中の公孫樹はまだ冬姿のままであった同じ日、此処山懐の安芸太田町では御覧のように、芽吹いたばかりの若葉が陽光を受け、まばゆく輝いていた。

ここ筒賀大歳(つつがおどし)神社は国道186号線に面して石の鳥居が建ち、明るく拓けた境内にこの公孫樹の巨木が聳えている。

この神社も神木先に在りき、往古、この公孫樹に鶴が稲穂を咥えてとまり稲穂を落した土地が稲に適した肥沃な土地であったという。

それを感謝して祠を建てたのが「銀杏(いちよう)の宮」「落穂(おちぼ)大明神」とも呼ばれた「大歳神社」、祭神は「天真鶴命」と言われ、ここ旧筒賀村は「つるがの里」が転訛したもので在るといわれている。

曰く因縁の多いこの公孫樹はやっぱり特別な神々しさを裡に秘めている。

約1000年という樹齢に違わずその主幹は岩をも思わせる力強さを持つ。

それほど大きな気根は見れないものの、昔から神木として畏敬され、その老樹としての風格には特別なものを感じる

樹勢は盛んでまだまだ衰えは見えない。

目通り約8.5m、伝承樹齢1100年、樹高約40m・・・広島県指定天然記念物。

撮影2009.4.18


庄原市西城町 平子のタンバグリ

2011-07-09 | 広島県

僕がこの樹を訪ねた二年前のまだ芽吹き前にはご覧のように枯れ木同然、、一部残った僅かばかりの枝だけがなんとか生の証を残していた。

以前紹介した帝釈始終のコナラより10分ばかし西方に走った小さな山里の民家庭先に立っている。

なんとも哀れな姿に見えるが広島県最大の丹波栗で目通り5.4m、樹齢500年・・、このまま朽ち果てるには余りにも忍びない。

家人の話によると、2008年夏過ぎ、急に元気が無くなり枯れた大枝などを撤去、樹勢の回復を願っていると聞いた。

その後ネットで少し元気を取り戻し幾分葉を茂らせた姿も見かけたような???

以前、主幹の大きな裂け目にはミミヅクが棲んでいて良く顔を覗かせたとか??

今はどんな様子なのか気にかかる栗の巨木です・

ちなみに全国では三位の栗の木です。

撮影2009.4.18


庄原市 帝釈始終(たいしゃくししゅう)のコナラ、ヒイラギ

2011-07-04 | 広島県

広島県中国山地、県道26号線を帝釈峡方面から北進してどんどん山中を進むと左手道路脇下、もうすでに廃家だと云う事が解る民家が有ってその奥に聳えている大きな樹が見える。

民家はただ一軒、もうすでに人の気配は途絶えて・・・・

斜面に飛びぬけて聳えるこの大きな樹は「帝釈始終のコナラ」と呼ばれ、中国地方ではともかく全国一のコナラの巨木らしい。

今はほとんど人も入らぬ廃村同然となった場所にあり、かつてはすぐ側の民家の守り神、兼山の神信仰の御神木であったのだろうか。

小さな祠の向こうに聳えるコナラはやっぱり神木

余りにもバランスが良く、写真ではその巨大さが表せないが、斜面にどっしり下ろした力強いその根張・・・・

主幹はやや傾き,二支に分かれるように見えるが合着木かも知れない。

主幹、根周り共に大きな痛みも見られず、まだ新芽の吹き出す前であっても樹勢に衰えのようなものは見いだせない。

巨体は巨大な根に支えられ一気に宙を目指している。

雑木として日常的に伐採されることの多いどんぐりの木も、放って置けばこんなに大きくなるものだ・・・。

樹齢300年以上、目通り7.4m・・・・・広島県天然記念物指定。

廃家の庭には見捨てられたように柊の古木・・。

たぶんこの家の庭木にでも植えられたのでしょうか???。

柊がこれほどまでにおおきくなると云うのは珍しいとのことです。

目通り1.7m・・・・、たぶん樹齢はこの家の歴史と共と云う事かも???

撮影2009.4.15


庄原市西城町 熊野の大トチ

2011-06-27 | 広島県

 前回紹介の熊野神社より県道254号線を少し遡り、「熊野の大トチ」の看板通りに左折、谷川沿いに続く真新しい林道を行けば大きな車溜りの眼下、谷川の河原にそれと解る木立が見える。

 

最近整備されたものか??対岸の河原に下る散策道が用意され、至れりつくせり。

昭和33年(1958年)に国の天然記念物に指定され、散策道には柵も用意され保護には気を使っている様子が伺われる。

双幹の大トチは根元から2本の巨幹に分かれ、谷川岸の斜面に在って光をいっぱいに受けている。

双幹の根回り約12m、樹高30m、推定樹齢は凡そ500年。

おおきい方の根元にはぽっかり洞が空いていて人が30人も入れると言う・・・(ちょっとオーバーなような気もするが???)。

巨大と言われながらそれほどの印象を持たないのは周りが広く開けている事と、双幹であると言うことかも ・・・・。

 根元の岩のような樹瘤から新しい枝が一本吹き出し、新芽を付けていた。

2009.4.18


庄原市熊野 熊野神社の老杉

2011-06-24 | 広島県

中国自動車道の「庄原IC」より、国道183号線県道254号線と乗り継いで、ここ古事記にも残る「比婆山御陵」の遥拝所として建つ「熊野神社」は、また広島県下では名高い老杉群が聳え立ち、神話伝説と共に広く信仰を集めて来たと言う。

大鳥居をそのまま越えて奥に進めば巨杉の聳え立つ参道

厳粛さと古い歴史を感じさせる巨杉の参道は流れる空気もどこか違って、時間が停まっている感覚すら憶える。

参道入り口近く右手に一段と大きく石柵で囲まれて立つ巨杉は、「天狗の休み木」と呼ばれ、「比婆大神」(イザナミノミコト)使いの天狗がこの樹の梢で羽を休めたと伝えられる。

この巨杉は根元で合着したものか二本の梢を持っている。

樹齢約1000年、目通り8.2mで広島県下第2位の大きさと成っている。

境内へ登る石段脇にも・・・

正面に拝殿を見て・・

脇から見る拝殿と渡り廊の有る本殿。

本殿脇の一本・・・樹齢1000年、目通り7.4m、この鳥居の奥は「比婆山御陵」への道となっている。

広島県下の巨杉50傑の内、この地のものが26本を占めると言い「熊野神社」の老杉群として広島県の天然記念物に指定。

紀州「熊野那智大社参道大門坂」にも似通う雰囲気を感じる。

撮影2009.4.18


庄原市高野町 上高野山の乳下り大公孫樹

2011-06-21 | 広島県

まるで鍾乳石を全身に纏ったような、なんとも凄い形相・・・・・、小さな里山集落の小さな鎮守「天満神社」境内脇に立ち尽くしています。

この地は高野町新市、中国道庄原ICより国道432号で40kmほども北上した比婆山系、鳥取県との県境も近い谷間の山里。

国道から集落を突きぬけた長閑な里山風景の山裾に巨大な枝をいっぱいに広げる公孫樹が見える。

比婆山系の遅い春は四月中頃だと言うのにまだ梢に若葉も萌え出さず冬姿のまま。

地表まで垂れ下がり、また芽吹くだろう気根は永久の命を与えられ、まるで蠢いているようにさえ見える。

数多い広島県下の公孫樹の中では最大と言われ、目通り9.6m、樹齢約1000年とも言われています。

神木として崇められ、また名の通りいっぱいに乳房を垂らした姿そのままに地域と共に生き抜いて来たのだろう・・・。

老樹としての風格と、見ごたえの有る生きとし生けるものが造り出す自然の造形に驚嘆せずには居られない。

まだまだ元気そうで多分そう遠くない時期に地中に入り込んだ気根から次世代の新芽が芽吹くだろう・・・・。

広島県の天然記念物に指定されている。

撮影2009.4.18


森湯谷のエドヒガン

2009-05-08 | 広島県

小奴可(おぬか)の桜を見て、これから次の目的地に向かって車を移動中にたまたま見つけた桜です。

看板にいわく「森湯谷のエドヒガン」、早速行かない手はないと看板の指差すほうに車を進めること約2~3分、それと解る駐車スペースがあり、道路を隔てた山裾にこのエドヒガン桜が立っている。

植林された杉を背景に立つエドヒガンは背も高く主幹にも衰えは無く、えだ一杯に花をつけている。

幹囲5.06m、,樹高約25m、主幹は三本に分かれて居るが、樹冠はほぼ球状によく発達している。

少しあっけらかんとし過ぎていて、欲を言うならば少しは老獪な威厳がほしいところですが・・・・・・・。

まあ、若い元気な桜も又見ごたえのあるものです。

撮影2009.4.18

MAP


小奴可(おぬか)の要害桜

2009-05-06 | 広島県


前回紹介の千鳥から西方向へ一山越えて約10km、ここも、千鳥と同じく庄原市の東城町にあって県下第二の巨桜として良く知られている。


JR芸備線小奴可駅を越え集落内に入ると直ぐにこの要害桜の看板が目に入り、簡単に駐車場に行き着ける。



駐車場の左手目の前に小高い石垣がみえ、その上方にいくらか盛りを過ぎた桜の花が見える。


この石垣の丘は亀山城といわれる山城の跡で、眺めも良く古くから地元の人々に「要害桜」と呼ばれて親しまれてきたようです。



エドヒガンサクラで、樹齢 : 260年??(一説には500年)、樹高 : 18m、幹回り :5.9m、広島県指定天然記念物となっている。



ここに到着したのが8時30分過ぎ、そろそろ三脚を背負ったサンデーカメラマンが押しかけていました。


撮影2009.4.18


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千鳥別尺のヤマザクラ

2009-05-04 | 広島県


たまたま4月19日に山口県防府市内に野暮用があったので1日早く出かけて途中、広島と山口の巨樹の追っかけをしてきた。


4月18日、京阪神ではすっかり葉桜になっていた桜花が広島比婆山系の山里ではまだまだ見れるらしい。



中国道宝塚の渋滞が厭で、まだ夜の明けきらぬ朝四時に家を出発、この千鳥別尺の地に着いたのがちょうど8時、それでもすでに小さな駐車場はほとんど満杯。


広島県の北東部のこの辺りは桜の巨樹が多いことでよく知られ、庄原市東城町にも天然記念物に指定されている大桜が3本も有って、そのうち1番良く知られているのがこの千鳥別尺のヤマザクラらしい。


中国道東城インターからR314を少し北進、しばらくして県道12号へと左折して、川沿いの里山風景の中をのんびりと約20分も走るとやがてそれと解る看板に誘われてこの地に着く。


なだらかな棚田と山裾にはさまれた空き地に単独木として立つこの山桜は、荒神様の御神木として地元の人々から大切に守ら
れて来たようです。



僕の着いた朝8時、ちょうど駐車場からは逆行気味で朝もやのかかる山桜の巨木は、五分咲きの花を水張りの終わった稲田に写し込んでいました。


確かに長閑な日本の原風景を見る思いです。



 樹齢 : 400年、樹高 : 25m、幹周り: 4.5m、広島県の天然記念物に指定されている。



樹齢 :400年、張りのある主幹がまだまだ若々しく、見事に枝一杯に花をつけて、成長期只中の様に見受けられました。


この地は標高650mと高く、桜の花は例年4月下旬に見ごろを迎えるそうですが今年は少し早めの開花の様でした。

撮影2009.4.18


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