巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

西京区大原野 善峯寺の遊龍の松

2013-01-30 | 京都府

余りにもその懸崖造り枝が長く伸びだし、とても一枚の写真では全姿を捉える事が出来なく、継合わせのパノラマ写真でやっとこんなあんばいです。

長岡市の中心より約7km、15分ほど西山山中に入った西国三十三ヶ所観音霊場第20番札所にもなっている平安中期開基の名古刹。

大きい山門を潜り、正面の本堂から一段高い多宝塔前の庭園に地を這うように枝を伸ばした松がある。

長く延びた松之枝を潜り多宝塔の前に立つとこんな姿・・・・。

「新日本名木100選」にも選ばれ、その横に長く伸びた樹姿から安政四年(1857)、花山院前右大臣家厚公により付けられたものだそうで、国の天然記念物にも指定されて居る。

高さ2m強だが横へ40m以上も幹を伸ばし、その姿は名の通り、龍が遊ぶ姿に似ていると言う・・・・。

とぐろを巻いたような主幹は目通り約1.6m、樹齢600年と言われる五葉松。

全体をパノラマで入れるとこんなふうになります。

これでも平成六年、松食い虫の被害のため北側の枝がが15m程も切られたようです。

庭師はこの1本の松のため、毎年どれほどの時間を掛けるのだろう??

正しく人工の所作に依る賜物です。

撮影2010.5.8


山添村 神野寺(こうのじ)の天狗杉

2013-01-27 | 奈良県

巨杉としてはどうしてもちょっと物足りなさが残る、奈良山添村の天然記念物。

大和高原は奈良の都に近く、奈良時代には社寺の杣山として利用され、その建築資材に大木の殆どが伐採され山間地にも係わらず巨木の類は殆ど見られない。

そんな山添村では珍しい杉の巨木です。

山添村の神の山として崇められる神野山山麓に天平二年(730年)聖武天皇の勅命を受け「行基」が平城京の鬼門鎮護のため創建した「法性寺正院」を前身とする古刹「神野寺」がある。

幾多の火災のため堂塔伽藍は見る影も無いが、奈良国立博物館寄託の「銅造菩薩半珈像(如意輪観音像)」は重文指定の飛鳥仏だと言われて居ます。

そんな境内傍らから裏山への山道を辿ると小さな説明板をの有る大きな杉の木に出逢う。

天狗杉と呼ばれるこの大杉は、初代 天狗杉が枯死したのに変わり近くに有ったこの大杉がその名前を引き継いだそうです。

目通り約4.3m、樹高約20m、樹齢約300年とされ、どうにか巨樹の仲間入りを許される範疇に有ります。

それでもしめ縄をまかれ、地上2m辺りで三幹に岐れ、天いっぱいに力強く伸び出す姿は、中々迫力があり、まだまだこれからが期待できそうな大杉です。

撮影2010.5.3


宇佐市院内町斉藤 藤群(ふじむれ)神社の二本スギ

2013-01-24 | 大分県

宇佐市10号線分岐より駅館川、恵良川沿いの国道387号線を南下すること約30分、山襞を流れ出す谷川に沿う山里の院内町。

南西部一連の山々は「耶馬・日田・英彦山国定公園」の一角を占め、変化に富んだ山岳、渓谷などの名勝地として知られ、行基菩薩草創の「龍岩寺奥の院」から「院内」の名が起こったと言われ、また九州地域に多い「石造めがね橋」が集中している処としても知られて居ます。

そんな龍岩寺への途中、国道387号線から県道27号線に入って直ぐ、左手前方に二本の大杉が聳え立つ村の鎮守「藤群(ふじむれ)神社」が見える。

大杉は県道に沿うように日本が並び立ち、県道側から見ればまるで巨大な鳥居に見えなくもない。

九州の地でありながら九州の屋根「九重山系」への道筋、雪が有るのか??裏杉よろしく箒状に広がった枝を持つ。

向かって左側の一本・・・、目通り6.6m,樹高32m・・・途中枝分かれ部分で特別なボリュームが有り、樹勢は良好。

片側の一本jは少し控えめな目通り5.9m、樹高32m・・・樹齢は共に推定400年。

空高く聳える二本の杉は地域のランドマークとしても慕われ大切にされて居る。

撮影2010.5.2


竹田市直入町大字長湯 籾山八幡(もみやまはちまん)の大ケヤキ

2013-01-20 | 大分県

参道の巨杉並木の奥にひっそり息づく九州第二のケヤキの巨木。

何処をどう走ってここまで到着したのか??

<神社参道入口辺りからの景観>

多分、熊本小国から県道で山中を駆け巡り、黒川温泉郷近くで国道422号線へ、温泉に入るでもなくそのまま道成りに東進、途中久住で県道30号線に乗り換え、長湯温泉郷の先で左折、久住連山南東斜面、棚田に三々五々民家の建ち並ぶ社家の地に立つ。

籾山八幡社は景行天皇が「土蜘蛛討伐」にあたり、戦勝を祈願された三神(志我神、直入物部神、直入中臣神)のうちの「直入物部神」(なほりのもののべのかみ)を祀ったのが始まりとされる古社です。

そんな古社らしく参道入口より鬱蒼とした巨杉群・・・・

本題のケヤキも然ることながら、この巨杉達も素晴らしく、南国大分にも係わらず、海抜の高い山中のため雪でも降るのか?枝が大暴れして居た。

大ケヤキは神門への石段手前に大きく立ちはだかるように諸手を大空に突き出すように伸ばしている。

根元の重量感以上に枝分かれしてる部分の重量感たるや超ド級の迫力です。

主幹には注連縄、根元には小さな石祠、このケヤキの巨木は髪の依り代、それほど深い杜では無いのに霊力が漲ってオーラを感じる。

推定樹齢800~1000年、目通り9.0m、樹高33m・・・大分県の天然記念物指定。

主観裏に痛みは見られるものの樹勢は旺盛、まだまだ大丈夫。

撮影2010.5.1


大分市下戸次(しもへつぎ) 楠木生(くすぎゅう)八幡社

2013-01-17 | 大分県

楠木生(くすぎゅう)と、地名にも冠された神木の楠、 この楠に八幡大神の御影が現れ、別名を 「影迎木」とも呼ばれて居ます。

久住高原や阿蘇山系の水を集めて別府湾に注ぐ大野川が谷を下って大きく蛇行、その扇状地平野に拓けた戸次(へつぎ)、その豊かな耕地の中に人片町の集落を作って楠木生集落が在り、集落東外れに楠の木の鎮守の杜が見える。

正しく一木にして森を成すと言う言葉通り境内を覆い尽くすかのような勢いです。

まだまだ成長期野巨木らしく全体的に漲る生気と言うか、オーラが見るものを圧倒させます。

大地をどっしり捕まえた根元は揺るぎない強さに満ち満ち、これといった傷みも見えない。

樹齢約800年、目通り11.1m、樹高23m、大分県の特別保護樹木に指定・・大分県では三指に入る巨樹、巨楠です。

とにかく、漲る生気に圧倒されます。

撮影2010.5.1


小国町宮原 「けやき水源」のケヤキ

2013-01-14 | 熊本県

山国小国の中心地、小国町役場と鼻の先、筑後川上流の静川、小国小学校の対岸にみごとな姿のケヤキの巨樹がまるで川面から聳えるように立って居る。

小国郷の総鎮守、小国両神社の門前町として開けた上町通りを行くと、瀟洒な家並の向うに大きく広げるケヤキの樹冠が飛び込んでくる。

家並小径の石畳を川岸に向かうと、樹齢千年といわれる「大ケヤキ」が川面一杯、爽やかな新緑の影を落とし立ち尽くして居る。

大ケヤキの前面は、「けやき水源」と呼ばれる小さな湧水池になっており、大ケヤキの根元からはコンコンと清水が湧き出している。

大ケヤキには立派なしめ縄が巻かれ、の根元には福運を呼ぶと信じられている水神様が祀られている。

少し斜めに構えた主幹の目通り7.5m、根回りは大きく発達していて約20m、樹高18.5m。

主幹上部には大きな洞が見えますが樹勢は極めて旺盛なように見受けられます。

なんとも清々しく透明感のある景観が脳裏に焼きついて居ます。

撮影2010.5.1


南小国町 竹の熊の大ケヤキ

2013-01-10 | 熊本県

国の指定天然記念物で熊本県下最大のケヤキですが、主幹?は遠い昔、台風にでも引きちぎられたのか既に無く、脇の大枝二本がその代りをしているようだが小枝も少く、少し痛々しい。

南小国町中心部、国道212号線から県道40号線に入り、程なく道路脇を流れる満願寺川を渡り左岸に立ち並ぶ竹の熊集落を走ると左手にそれと解る申し訳程度の案内板に出逢う。

<境内入口脇、二本の杉の木に渡された注連縄>

邪魔にならないように車を道端に寄せ、民家の脇を抜けると少し高台になった境内に屹立している。

見た感じ目通り付近のボリュームは凄いのだが紡錘形に見える程、上部、梢部はすけすけで華奢。

主幹基部にはびっしり苔を纏い時代を感じさせるが、ケヤキには気の毒。

戦後の台風で引きちぎられたと言う主幹部には、空洞化を防ぐトタンが掛けられている。

根回り15.8m、目通り11.7mと全国的なスケールですがどこか物足りなさを感じてしまう。

横に寄ると岩塊のようにゴツゴツした木肌、樹齢約1000年、樹高33m・・・、それでも驚く程の迫力に欠けるのは、漲る生気が感じられないからなのかも・・・。

撮影2010.5.1


熊本県小国町  阿弥陀スギ(あみだすぎ)

2013-01-07 | 熊本県

遠目に一見すると杉だと云う観念からは程遠い樹姿をした巨杉です。 

先日紹介の鉾納宮寄り北西に約2km、なだらかな斜面に囲まれた畑地に飛び飛びに民家が建ち、牧歌的な風景の中、特別に守られ単立して居ます。

最早支えが無くては立って居る事も覚束無い様ですが・・・凄まじい生命力で生き存えて居るように見えます。

一昔前、平成11年(1999)9月24日の台風18号によって、主幹は引き裂かれ現在のように脇枝だけが残る壊滅的な被害を受けてしまったようです。

被害に遭う前の阿弥陀杉は目通り12.6m、樹高38m、枝張り約38mと威容を誇って居たようですが・・・、すっかりこの痛々しい姿で支え棒に寄りかかりなんとか倒壊は逃れて居ます。

大きく引きちぎられすっかり腸(はらわた)まで曝け出し・・・、それでも残った枝には葉を生い茂らせて居ます。

樹齢1300年・・・、阿弥陀杉と言われた立派な樹冠も今はない。

最早昔の勇姿には比ぶべくも無いがなんとか命をつないで居ると言った感じ。

脇には覆い屋が建てられ倒壊した幹の一部が展示されていた。

周りは長閑と言えば長閑すぎる平和な山村と言った風情です。 

撮影2010.5.1


熊本県小国町 鉾納宮(ほこのみや)のケヤキ/夫婦杉

2013-01-04 | 熊本県

国道沿いの小高い斜面上にある鉾納宮(ほこのみや)、その参道石段脇の崖に踏ん張るように根を下ろすケヤキの巨木。

境内には二本のケヤキの巨木が有ると云う事だったがこの一本だけしか見当たらなかった。

小国の中心辺りから国道387号で道成に西へ約3km足らず、右手脇頭上にに大きく枝を広げ、今まさに新芽を吹き出したばかりのケヤキの巨木が見える

石鳥居を潜って石段から見上げると、真正面に威風堂々とケヤキ独特の節くれだった巨体がどんと座って居る。

正面には誇らしげに天然記念物の標柱・・。

道路を見下ろすように立つケヤキはまるで岩のようなゴツゴツとした樹皮で威厳にに満ち満ちている。

脇には目通り7.3m、樹高18m、推定樹齢300年以上と書かれた表示板が立っていた。

参道下、崖側から見上げると片足をはみ出して、根元には空洞も見え、巨幹はシダ類が覆い尽くして居る。

 

境内奥の茅葺き屋根を持つ社門?前には大きな夫婦杉と呼ばれる巨杉が屹立している。

二本の巨杉にはしめ縄が渡されこの先は禁足地だと言っているような・・・・・ 

左右対象、双子でも有るかの様に伸びる目通りは共に約6m程・・・・・、標高約450m、辺は自然豊かな阿蘇山懐高原域、巨木も多く残されて居る。

撮影2010.5.1


熊本県小国町 下城(しもんじょう)の大公孫樹

2013-01-01 | 熊本県

熊本県阿蘇山系の北方山襞、高原域に拓けた小国町に有る、今度は大公孫樹です。

熊本中心部、熊本城辺りより、阿蘇外輪山縁を通って北東に約70km、標高約450mの高原の町は又巨木の町でも有ります。

九州とは言え此処では楠は影を潜めて居ます。

大分道、日田ICを降り、国道212号線で筑後川支流の大山川を遡ること約1時間程、ダム湖の淵を道なりに進めば川の名前が変わって杖立川、遡ること約10分足らず、国道から左折すれば左手高台に大空を覆う公孫樹の巨木が見える。

この地を訪れたのはGWの5月1日、高原の遅い若葉が青空にキラキラ輝いていた。 

ここは、その昔この地を治めた城主、「下城氏」の墓所、古びた五輪塔は「下城上総介経賢」の母「妙栄」のものだと云われ、大公孫樹はその墓標替わりだと言われて居ます。

熊本県下一のおお公孫樹は平成16年、台風18号の強風により、幹と大枝が根本からもぎ取られた様ですが、根元からはたくさんのヒコバエが起ち上がり元気そのものです。

根回り約21m、目通り10m、樹高約25m、国の天然記念物に指定され」、樹齢約1000年とされて居る。

地元では 「チチコブ」さんと呼ばれ、ここでも母乳信仰が有り、10月の終わり頃には「ちちこぶ祭り」が行われている様です。

撮影2012.5.1