巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

立科町芦田 蓼科神社神代杉(じんだいすぎ)

2011-07-28 | 長野県

この杉はまるで現代アートのオブジェの様・・・。

過去3度も火を吹いたそうだが、そのたび不死鳥のようによみがえり今日の姿が有るという。

しかし痛々しいというには余りあるその姿・・・・、

此の杉の巨木は、前回紹介の学問杉より車で約五分ほど南方に走った蓼科(立科)神社里宮参道に立つ御神木として今も手厚く守られている。

かっては奥宮のある蓼科山頂からでもその雄姿が見えた程だと云う高く巨大な梢を持っていたようですが、主幹も途中で枯れ果てたのかバッサリこの通り・・・、満身創痍、一見息も絶え絶えのように見えますが??

神代杉と呼ばれるこの杉も蓼科神社の依代にされ里宮がこの地に勧請されたのかも??

枯れ死を待つばかりのように見えるこの神代杉が最近UPされた写真を見ると、もう少し葉も茂り枝も豊かになったような??

しかし枯れ死同然に見える、白骨化した主幹から発する気魄、その尊厳さはまさしく驚嘆に値する。

目通り約10m、樹齢約1500年、なんともすごい形相で立ち尽くしているがまたいつか往時の姿に立ち戻ってほしいと願うものです。

内に秘めたる生命力は充分に窺う事の出来る巨杉です。

撮影2009.4.29


佐久郡立科町 学問杉(がくもんすぎ)

2011-07-24 | 長野県

巨樹追い、信州の旅はこの天台名刹、慧日山津金寺(つがねじ)に聳える学問杉から・・。

下諏訪で万治の石仏を訪ねその足で国道142号線で美ヶ原高原を越え立科へと入る。

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/68/0596e51db3fb6b2299ae11fc03286e87.jpg?random=bf567d1cb36330d5e794fd5a48d9628e

津金寺はこの地きっての名古刹、国道から県道147号線に入ると1kmほどで左手に古風な桧皮葺きのいかにも古刹然とした山門が見える。

さすが名僧行基開基、後最澄らにより、学僧育成の寺として談義所が設けられたと云うだけのことはある。

「学問杉」杉の名で呼ばれるこの大杉は鎌倉時代、比叡山から来た学僧が記念に植えたものと伝え、樹齢約800年、呼び名もそれに因んで学問杉と呼び親しまれている。

向かって観音堂右脇に聳える学問杉はいかにも杉らしい大杉で、なぜだか妙に桧皮が荒々しく左巻きに巻いている。

根元主幹共に目立った痛みもなく枝ぶり葉ぶりも申し分なく樹勢は旺盛・・

目通り8m、樹高50mと成っているが…、800年以上の樹齢にしては若々しすぎるほど元気に見えるはは何故???

撮影2009.4.30


防府市 老松神社の楠

2011-07-21 | 山口県

防府天満宮近くの親戚を訪ね、その序でに寄ったお茶屋町に在る老松神社の大クス。

防府天満宮より南に約2.5km、街並みの一画に正福寺と軒を並べる古社で白雉三年(652)の創建と伝えられ、防府天満宮創建よりも200年ほど早い古社です。

境内傍らに立つこの大クスは創建当初植えられた伝えられ、その通りだとすると樹齢約1000年以上。

山口県下第二位を誇る大クスで神木として守られ、県の天然記念物に指定されている。

 この大クスには雑木やフジの古木、シダ類などがからみつき物凄い事になっています…まるで小さな雑木林。

 龍の天空昇りのように絡みつく藤の老樹が大クスの根元に在る大洞を見えにくしている。

 目通り約9m、根元の周囲約16m、樹高約20m、なかなかどうして巨大なクスです。

大洞で主幹の空洞化は進んでいるようですがまだまだ樹勢は旺盛。

説明板には樹齢2000年とありますが伝承より500年も年寄りに成ってしまいます。

撮影2009.4.19


山口市 平川の大杉

2011-07-18 | 山口県

慣れない地方の巨木探しは、いつもあの馬鹿ナビまかせ・・・、何処をどう走ったものやらどう遠回りさせられたもんやら???。

とにかく山道を少し走ってこの大杉の近くまで連れて行ってもらいました。

5~6分も狭くない山道を歩くと、オオーという感じで突然目の前に現われたのがこの大杉・・・平清水八幡宮社有地に有るというけど近くに神社らしきものは見なかった。

国の天然記念物に指定されているためか整備はされているようですが余り人が近づかないのか??少々荒れ気味。

平成11年9月、に山口県に上陸した台風18号により主要な枝や主幹の1部が被害を受け少し寸詰まり感がある。

離れて見ると目立たないが、どうもやっぱり合木、根元から三本の主幹が伸びだしてるように見える。

根元の周囲10.5m、目通り8.5mとあり中々の巨漢ぶりです。

まだまだ若く見えるのですが、所所で樹皮は剥がれ落ち、痛々しい感じもしないではない。

それでも大空を目指す梢はまだまだ若々しい息吹を感じさせてくれる。

説明板にいわく、「頭痛に悩むときはこの樹皮を剥いで鉢巻にすると治るといい、叉歯痛の時は樹皮を噛むと良い」という。

そのためなのかあんなに樹皮がそがれているように見えるのは・・・・・。

撮影2009.4.18


山口市徳地 妙見社のイチョウ

2011-07-15 | 山口県

山口の防府に所要があったのでその道すがら寄道をして訪ねた巨木です。 

中国自動車道、徳地ICで国道489に乗り換え北進すること5分ばかし・・・。

この大公孫樹のある徳地町八坂、妙見社は佐波川上流、谷間に集落が連なる長閑な里山風景の中、東方山裾に有る鎮守の古社です。

集落を貫く参道脇に悠然と聳える大公孫樹は妙見社の火災で焼失した際に植樹されたものと伝えられ、樹齢約700年ばかりだと推定されています。

主幹野頂部は欠損、それを補うかのように主幹中部辺りから箒状にたくさんの枝を吹き出し樹勢は旺盛

根幹部に目立った傷や洞は確認できない。

根周り10.6m、目通り8.3mで山口県では最大の公孫樹だとされています。

仰ぎ見る主幹にもそれほどの気根は無く、公孫樹の巨木には珍しい雄樹であると云うことです。

周りに大きい木がないところから、遠望がきき農民はこの木の黄葉によって、麦まきの時期としたようです。

撮影2009.4.18


安芸太田町 筒賀(つつが)のイチョウ

2011-07-12 | 広島県

推定樹齢1100年、広島県第二の公孫樹だとされる「筒賀のイチョウ」は、中国自動車道戸河内ICより国道186で少し西に走ればそれと解る大きな木立に出遭う。

公孫樹にしては天を突き刺すように聳えるこの樹は何か特別な存在でも有るようだ・・・。

比婆山系山中の公孫樹はまだ冬姿のままであった同じ日、此処山懐の安芸太田町では御覧のように、芽吹いたばかりの若葉が陽光を受け、まばゆく輝いていた。

ここ筒賀大歳(つつがおどし)神社は国道186号線に面して石の鳥居が建ち、明るく拓けた境内にこの公孫樹の巨木が聳えている。

この神社も神木先に在りき、往古、この公孫樹に鶴が稲穂を咥えてとまり稲穂を落した土地が稲に適した肥沃な土地であったという。

それを感謝して祠を建てたのが「銀杏(いちよう)の宮」「落穂(おちぼ)大明神」とも呼ばれた「大歳神社」、祭神は「天真鶴命」と言われ、ここ旧筒賀村は「つるがの里」が転訛したもので在るといわれている。

曰く因縁の多いこの公孫樹はやっぱり特別な神々しさを裡に秘めている。

約1000年という樹齢に違わずその主幹は岩をも思わせる力強さを持つ。

それほど大きな気根は見れないものの、昔から神木として畏敬され、その老樹としての風格には特別なものを感じる

樹勢は盛んでまだまだ衰えは見えない。

目通り約8.5m、伝承樹齢1100年、樹高約40m・・・広島県指定天然記念物。

撮影2009.4.18


庄原市西城町 平子のタンバグリ

2011-07-09 | 広島県

僕がこの樹を訪ねた二年前のまだ芽吹き前にはご覧のように枯れ木同然、、一部残った僅かばかりの枝だけがなんとか生の証を残していた。

以前紹介した帝釈始終のコナラより10分ばかし西方に走った小さな山里の民家庭先に立っている。

なんとも哀れな姿に見えるが広島県最大の丹波栗で目通り5.4m、樹齢500年・・、このまま朽ち果てるには余りにも忍びない。

家人の話によると、2008年夏過ぎ、急に元気が無くなり枯れた大枝などを撤去、樹勢の回復を願っていると聞いた。

その後ネットで少し元気を取り戻し幾分葉を茂らせた姿も見かけたような???

以前、主幹の大きな裂け目にはミミヅクが棲んでいて良く顔を覗かせたとか??

今はどんな様子なのか気にかかる栗の巨木です・

ちなみに全国では三位の栗の木です。

撮影2009.4.18


天川村 天水分(あめのみくまり)神社の大杉

2011-07-06 | 奈良県

近畿の霊峰、修験道の発祥地として知られる大峯山、その麓の洞川(どろがわ)への進入路分岐点に当る地に忽然と現われる大杉です。

洞川への道を走っていた僕は何の予備知識も無く突然現われた大杉にビックリ、車を道路わきに停め早速近づいた。

大杉はちょうど道路下方に鎮座する天水分神社の神木で、この県道が開通するまで背後斜面は一面深い鎮守の杜であったに違いない。

なんとも気の毒と言うか今は県道がこの大杉をかすめて通る。

天水分神社は前を流れる天川の合流点、地名も川合と云うほどに水分の意味を彷彿とする位置に鎮座している。

大杉には何の説明板も無いが1991年、環境庁調査によれば、目通り約8.5m、樹高35mと有りかなりの巨木ぶりです。

神木を示すように巨大な幹にはしめ縄が掛けられ・・・

株元より数メートル上部で数本の支幹や大枝に分岐…、この地もまた冬場は雪が多いのか一部の枝は、雪国のそれのように垂れ下がっている。

それでも樹勢は衰えを知らず、特に目立った傷や洞も見受けられない。

力強く、圧倒的な根元には、やっぱり神木の気魄のようなものを感じる。

撮影2011.7.2


庄原市 帝釈始終(たいしゃくししゅう)のコナラ、ヒイラギ

2011-07-04 | 広島県

広島県中国山地、県道26号線を帝釈峡方面から北進してどんどん山中を進むと左手道路脇下、もうすでに廃家だと云う事が解る民家が有ってその奥に聳えている大きな樹が見える。

民家はただ一軒、もうすでに人の気配は途絶えて・・・・

斜面に飛びぬけて聳えるこの大きな樹は「帝釈始終のコナラ」と呼ばれ、中国地方ではともかく全国一のコナラの巨木らしい。

今はほとんど人も入らぬ廃村同然となった場所にあり、かつてはすぐ側の民家の守り神、兼山の神信仰の御神木であったのだろうか。

小さな祠の向こうに聳えるコナラはやっぱり神木

余りにもバランスが良く、写真ではその巨大さが表せないが、斜面にどっしり下ろした力強いその根張・・・・

主幹はやや傾き,二支に分かれるように見えるが合着木かも知れない。

主幹、根周り共に大きな痛みも見られず、まだ新芽の吹き出す前であっても樹勢に衰えのようなものは見いだせない。

巨体は巨大な根に支えられ一気に宙を目指している。

雑木として日常的に伐採されることの多いどんぐりの木も、放って置けばこんなに大きくなるものだ・・・。

樹齢300年以上、目通り7.4m・・・・・広島県天然記念物指定。

廃家の庭には見捨てられたように柊の古木・・。

たぶんこの家の庭木にでも植えられたのでしょうか???。

柊がこれほどまでにおおきくなると云うのは珍しいとのことです。

目通り1.7m・・・・、たぶん樹齢はこの家の歴史と共と云う事かも???

撮影2009.4.15