巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

伊豆の国市三福(旧大仁町) 熊野神社の楠木群

2012-07-31 | 静岡県

明るく開けた鎮守ながら、参道と言わず境内にも楠の巨樹が何本も立ち並び見事な景観を呈している。

伊豆の国市や旧大仁町と云っても関西人の僕にとっては馴染み薄くぴんと来ないが、おおまかには伊豆半島の西側付け根、あの「狩野川台風」で聞いた事の有る狩野川中流域に広がる町です。

熊野神社は現在、新興住宅や大きな化学工場の谷間に埋もれるように鎮座しているが・・・・その昔は田園の中、広々とした鎮守の杜を持っていたことを伺わせる。

本殿裏手、工場敷地脇に立つ楠が此処では筆頭角、注連縄を巻かれているからさしずめこの楠が神木なのだろう??

目だった傷みも、根元に大きな洞を見ることも無くいたって元気・・・・・、目通り9.5m、樹高27mとあり、樹齢はまだまだ若々しく見える。

一方参道は巨楠の並木状態・・・・ 

苔や羊歯類を纏った見事な巨楠が林立しています。

参道の楠は目通り8.8m、8.6m、7.5mと本殿裏の神木にもまけず劣らず、樹齢的には貫禄有るものが・・・・。

やっぱり伊豆半島は南国の植生が支配する土地。

撮影2009.11.21


伊東市 蓮着寺のヤマモモ

2012-07-19 | 静岡県

伊豆半島、伊東市の城ヶ崎海岸、岬の上に日蓮上人の流罪地として知られる蓮着寺があり、国の天然記念物に指定されたヤマモモの巨木がある。

蓮着寺は法華宗の聖地でもあり、大きな駐車場も用意され、たやすく車で訪問できる。

ヤマモモの巨木は境内から一段高い本堂へ至る石段を登った右手、小さな杜のようにその枝を大きく広げている。

国内最大のヤマモモの巨木として知られた『蓮着寺のヤマモモ』は根元から3本に分かれて生長しており、おそらくは合体木なのだろう・・。

光の強い日の撮影で木漏れ日がまだらに降り注ぎ、醜い写真に成ってしまった。

伊豆半島の冬でも暖かい気候はヤマモモの成長にはてきして居るのか?この一帯は昔から群生地として有名だったようです。

扇の要のような根元は合体木を思わすように大きく扁平に広がり、樹勢は申し分なし。

文部省の表示板には根周り7.2m、樹高15m、樹齢は公表されて居ませんが、他では300年以上とも、推定1000年とも・・・・。

何を信用すれば良いのやら???その樹形から1000年は信じ難い。

撮影2009.11.21


伊東市 葛見(くずみ)神社の大楠

2012-07-11 | 静岡県

根元だけを見ているとまるで岩の塊を見ているかのような、神が載り遷ったかの様な楠の巨古木です。

一寸遠出の伊豆半島、関西人の僕は半端でないその交通量の多さにただただ愕然としました。

しかしそれも観光拠点の近くだけ、僕が訪ねる巨樹あたりは幾らかの例外を除いて、人影も無く静まっています。

伊豆半島東側根元、一大温泉地として名を馳せた伊東市の中心街に程近い葛見神社。

神社の創建は今から約900年前の平安時代に社殿を造営したと伝えられていますが、当時もうこの楠は大木になっていたに違いない。

大楠は社殿の左側、なだらかな山裾斜面に力強く根を下ろし踏ん張っているように見える。

注連縄が掛けられ、根元の大きい洞には疱瘡神の小さな祠・・・・疱瘡に霊験があるとされているのだろう??

楠の周りに巡回道があり周りを一巡りできるように成っている。

正面右側より見た根元はまるで折り重なる樹瘤が岩石そのものの様に見える巨大さ。

少し左側の斜面から見ると白骨化した主幹が痛々しいが、物凄い迫力です。

主幹の裂け目、二股部分には、なにやら祭祀残骸のような竹筒・・・・鉄のベルトが二股部分固定しているが幹に食い込んでいる。

何とも凄い形相を見せる大楠は樹齢約1000年、目通り15m、樹高25m(現地説明板)となっており、国の天然記念物指定。

800年前、源頼朝がこの楠の洞に隠れて追っ手から逃れたという伝説もあり、往古から既に名木、神木とされ、信仰の対象として大切に守られて来た。

撮影2009.11.21


垂井町 伊富岐(いぶき)神社の大杉

2012-07-05 | 岐阜県

近江と美濃、今流にもっと広く云えば関西圏と中京圏を大きく分け隔てる、伊吹山の南東裾野に鎮座する美濃国二の宮「伊富岐神社」の境内に立つ大杉です。

天下分け目の関が原古戦場の程近く、国道21号線JR東海道本線関ケ原付近より約3km、野上北の信号で左折、そのまま伊吹の集落を越え、そのままに奥に進むと、この伊富岐神社にぶち当たる

拝殿の向かって左手に一際大きく聳える大杉が有り、古来より御神木として仰がれて来たと云う・・・。

社殿は関ヶ原の戦いの兵火で類焼、しかし御神体は幹の分岐に置かれていて難を逃れたとか・・・・、この杉は神木としての役目をちゃんと果していたようです。

根周り9.6m、地上5m付近で大きく四幹に分岐するが、目通り6.3m、樹高約30m。

樹齢は不明ですが岐阜県の天然記念物に指定されています。

撮影2009.11.14


揖斐川町新宮  新宮塚のムクノキ

2012-07-01 | 岐阜県

付近の景観と相俟って、何とも絵になるムクノキ巨樹です。

揖斐川中流域右岸に拓けた広い田圃の中に風に吹かれる野武士を思わせるように独立するムクノキ。

県道254号線を揖斐川沿いに下ってくると、山間から急に眺望が開けて田園地帯が広がり、新宮集落脇の田圃の中にこの椋の巨木が立っている。

このムクノキは関ヶ原合戦に敗れた落武者がこの地で息を引き取り、地元民がその菩提を弔うため墓標代わりにこのムクノキを植えたと伝わる。

秋の取り入れが終わった11月半ば、伊吹颪の強い風に残った葉を震わせながら立ち向かう姿は、落ち武者の執念のような感じもする。

主幹の根元は朽ち果てたように白骨化、大きな亀裂や洞が見え、木蔦類が絡まり付いています。

しかし方向を変えて見ると、その根元は力強くうねりまだまだ生気を蓄え、負けるもんかと立ち向かって居るようにも見えてくる。

周りは花の終わった彼岸花の濃い緑に包まれていた。

樹齢約400年、目通り約7m、やっぱり野武士然とした風貌が印象に残る一木でした。

撮影2009.11.14