巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

延応寺の大ケヤキ

2010-01-31 | 兵庫県


兵庫県下第2番目の大ケヤキの有る延応寺は兵庫県の中央部、瀬戸内の姫路から日本海側に抜ける播但連絡道路沿いに有る鉱山の町として古い歴史を秘めた生野銀山の直ぐ傍にある古刹です。


R312、生野交差点で県道39号へ,直ぐ左手集落内にはいり延応寺の看板どおりに車を進めると参道石段脇の駐車場につく。



正面に急な石段が聳えるように伸びていてその頂上に天を突き刺す大ケヤキがデンと腰を据えている。



境内は山の斜面を削ったほど良い広さで古びた清掃の行き届いた本堂と庫裏がある。



本堂正面に有るこの大ケヤキは日陰部分の幹一杯に苔を覆い斜に構えて枝一杯に葉を茂らせている。


三本に分かれた大枝は折れブリキの蓋がかけられて痛々しいが主幹には大きな洞なども見られず樹勢は旺盛まだまだ元気そうです。



伝説によると、延応年間(1239年)に本堂が火災におおわれたとき、千手観音がこの大ケヤキにとまり、難を逃れたといい、後日、大ケヤキの前を通り過ぎようとした長遍上人が、ケヤキ梢の千手観音を見つけこの地に祀ったといわれています。


兵庫県指定天然記念物、推定樹齢約400年以上 幹周り・・・約8.6m 樹高・・・約30mとなっていて、この大ケヤキと古刹の寂びた景観は訪ねる人を充分に満足させてくれる。


撮影2008.7.12


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白山神社のバラ大杉

2010-01-27 | 福井県



北陸道武生インターで降り、継体天皇の故地として知られる味真野神社横をすり抜け、県道201号を山手に進んでいくとやがて中居町の集落につく。



集落の中ほど、山手斜面に南面して白山神社があって、田舎ではどこでもそうであるように脇道を行くと境内まで車を進めることができる。



中央石段の上、一段高くなった拝殿右手に見事な枝ぶりのバラ杉と呼ばれる杉の巨木が聳えている。



所謂、裏杉と呼ばれるもので枝は一度下方に向かい小枝の分岐が多く、一見葉先がバラバラのように見えるところからバラ杉と呼ばれているとか??



北陸の厳しい自然環境は樹の姿も変え、長年生き続ける巨木は、それに耐えうるだけのすべを身につけて生き続けてきたのだろう??、根元には小さな洞が有るものの主幹は至って健康そのものように見えて樹盛に衰えは見えない。



案内板によれば、このバラ杉は当地林業のスギ苗栽培の母樹であり、幹は太くなるけれども枝は太くならず、しかも垂れ下がって冬の積雪を受け流すことができるので雪害に強く、雪国のスギの母樹としては最適なのだそうです。

樹齢約450年、目通り7.2m、樹高32mと堂々とした巨杉です。




昭和59年福井県の天然記念物に指定されている。


今年の豪雪にもめげないで耐えていることだろう・・・。


撮影2008.7.5


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垂井の大ケヤキ

2010-01-25 | 岐阜県


前回紹介の関が原からそう遠くない中山道の次の宿場町垂井宿の「垂井の泉」の大欅です。



垂井という地名はこの泉にちなんで付けられたという由緒正しき名泉で、旅人にとって憩いの清水のある特色のある宿場であったようです。




垂井町の中央部に玉泉寺という古刹があって門前が「垂井の泉」公園になっていて山門左手に垂井の泉が有ります。



県指定天然記念物の大ケヤキは「垂井の泉」湧き出る清水に根元を伸ばしていますが写真でも解る様にかなり傷みも激しく、外科的手術の跡も痛々しい姿です。大枝はことごとく切詰められ、なんとか芽吹いた小枝から勢一杯葉を付けて居ますが、今まだ再生途上と言った感じがします。


 樹齢約800年、高さ約25m、目通り幹周囲8.2mとなっています。


撮影2008.6.14


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関ヶ原本陣跡のスダジイ

2010-01-19 | 岐阜県


まるで透明人間の包帯のように全身をぐるぐる巻きにして痛々しい姿のスダジイの巨木です。



しかし枝一杯の緑には弱弱しさは無く元気一杯青空にその葉を伸ばしている。


関ヶ原、言わずもがな天下分け目の戦いとして名高い「関ヶ原の合戦」の古戦場でもあり、又中山道の宿場町としてもよく知られた所です。



宿場の本陣跡だと言われる八幡神社鳥居脇にこのスダジイが立っています。
幹周7.8m 樹高10m 樹齢300年以上となっており、岐阜県天然物に指定されています。



これだけぐるぐる巻きにされ大手術を受けたのだろうからしっかり回復蘇生してもらいたいものです。
この写真からもう1年半ほど経ってしまっているので、どんな姿になっているのか少し気になります。


撮影2008.6.13


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西福寺のスダジイ

2010-01-13 | 福井県

 



山陰から 北陸の日本海沿岸地方にはスダジイの大物が多いのは何故だろう??ここ福井県でも敦賀湾、若狭湾沿いにスダジイの巨木が多く見られる。


敦賀市北西部の山裾に 南北朝時代の1368年(応安元年)良如(りょうにょ)上人により開山された浄土宗の名刹西福寺があって、その大きな山門を入ると左右に一本づつのかなり老木のスダジイが立っている。



西株ー幹周/7.55m、樹高/8m


椎の実は食べられるので、良如上人が飢饉の時、人々を飢餓から救わんとして植えたとされていて、二本共に推定樹齢 650年、主幹はすっかり洞だらけ


息も絶え絶えのように見えなくも無いが、青空に枝一杯葉を茂らせる姿はまだまだ生気みなぎらせて居るように見える。



東株ー幹周/6.8m、樹高/10m


特に写真の右側、西株は新日本100選に選ばれて居るが、樹勢は東株より衰えて見える。


撮影2008.7.5


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天城の太郎杉

2010-01-03 | 静岡県

 



去年、秋の終わりに伊豆半島を巡る機会に恵まれてお訪れた天城の太郎杉。


河津桜で名高い河津温泉からR414で天城峠を越え、これも歌謡曲でも歌われた浄蓮の滝の少し手前、「滑沢渓谷」バス停から左手山側に伸びる渓谷沿いの林道を5~6分も走るとこの杉の下に着く。



林道は時々ハイカーに出会う程度でダートながら走りやすく地元ダンプカーも通る程道幅も広く車が何台か停められる広場も造られていて至れり尽くせりです。



車を降りると右手山肌が開けていて目の前にそれこそ天を突き刺すように、その名の通り杉らしい杉の姿が少し仰ぐ形で目の前にある。



太郎杉は南向きの斜面を整備された階段を100mほど登ったところにあって斜面の台地をしっかり捕まえている。


天城山系で最大のスギだということだが、形が整いすぎてるのかそれほどの威圧感も猛々しさも無く、所謂、巨杉の優等生であるがゆえの物足りなさも同時に感じてしまう。



太郎の名を冠しても、何一つ恥ずかしくないこの天城の太郎杉は樹勢旺盛、推定樹齢 400年、目通り幹囲 9.6m、樹高 48mと説明されている。


撮影2009.11.21 


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