巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

鹿児島県薩摩川内市 永利(ながとし)のオガタマノキ

2013-12-26 | 鹿児島県

余り耳慣れない「オガタマノキ」は招霊木とも書き示す通り、昔から神社にゆかりの深い樹木で、長崎県旧小長井町にある木と、この永利町石神神社境内のオガタマノキの二本のみが国の天然記念物に指定されて居る。

石神神社(いしがみじんじゃ)はJR鹿児島本線、九州新幹線「川内(せんだい)駅」より東に約2km、平佐川左岸、田園地帯に囲まれ、神社だと聞かされないと、それとは思えない程の老人広場の様な境内と、祠程の簡素な社の神社です。

オガタマノキは、一見、物置小屋かとと見紛う程の社殿脇に、主幹を途中で無くし、万歳をするように二本の大枝を伸ばして起ち尽くしている。

途中で無くした主幹下部には、木肌も見えぬほど蔦類が着床していたが・・・平成7~8年に樹勢回復事業がなされ、これでもいくらか良くなったとか??

推定樹齢800年、目通り幹囲6.7m、樹高22mと成っているが、少し心もとない巨樹でした。

撮影2011.12.19


熊本市 城南町下田のイチョウ

2013-12-22 | 熊本県

熊本市南端、旧城南町の中心部、隈庄(くまのしょう)旧「火の国酒造」本家脇に立つ国天の大公孫樹

本家脇と云えども一見酒造工場脇、スーパー駐車場前の空き地に取り残され、所在無さげに立って居る。

かって「火の国酒造」のあった土地は、この地方第一の旧家「下田家」の屋敷が有り、この公孫樹もその屋敷内に在った。

ゆえ、「下田の公孫樹」と冠せられた大公孫樹は、樹齢約650年、目通り12.3m、樹高 21m。

根元近くで大きく二股に分かれ、目通りの12.3mと言う程の迫力には欠ける。

栄枯盛衰、時は流れ時代は移り、周りの景観はすっかり変わり果てても公孫樹の大樹は残り、遠い昔を懐かしむかの様です・・・。 

撮影2011.12.18


堺市 百舌鳥(もず)の楠

2013-12-17 | 大阪府

大阪南部、堺市街に残された文化財指定民家の門前に立つ楠の巨古木。 

実の処、この場所には屋敷内にある茅葺き民家を撮影に来たが第一目的は全く屋敷外からは見渡せず、目的外だったこの大楠に出遭った。

勿論、大阪府の天然記念物に指定され僕も知らない訳では無かったが、この樹の前に立つまではすっかり忘れて居たと云うお粗末さ・・・・

問題の屋敷は、戦国武将として名高い筒井順慶を祖先に持つ名家、その広大な屋敷の門前、目の前に前方後円墳「御廟表塚(ごびょうおもてづか)古墳」を見渡し、この巨楠が立ち尽くしている。

堺市屈指の巨樹だと言われる「百舌鳥のクス」は目通り10.1m、樹高約13m、樹齢800~1000年。

雨乞いの効験あらたかな霊木として崇められ、名家の門前を守る様にどっしり構えていますが・・・・・寄る年波には逆らえず裏に廻るとこのと通り、気の毒な姿を晒して居ます。

撮影2013.12.9


宇城市(うきし) 小川阿蘇神社の大樟

2013-12-12 | 熊本県

当然ながら熊本県には阿蘇神社が多い・・・、そんな中の一つ、熊本市街から南へ約30km、旧小川町「小川阿蘇神社」に聳える大樟です。

小川阿蘇神社の大樟は八代海に注ぐ砂川右岸、山裾南端部高台に鎮座、境内に続く石段の上、境内端から集落を見下ろす様、圧倒的な存在感で立ち尽くして居る。

大きなピースマーク、V字型に二主幹を天高く伸ばし、その大きな樹冠で天に蓋でもしてる様です。

小川阿蘇神社は、平安中期の長久元年(1040年)、本社より分霊を勧請の際、その船を繋いだ樟だと伝えられ、「舟繋ぎの樟」とも呼ばれています。

現在は遥遠くに八代海を望むが、当時この付近が海岸線だったとされています。

そんなこんなでV字型の大樟は樹齢1300年、目通りり13m、樹高 32m。

株元には弊を付けた七五三縄が巻かれ、葉を一杯茂らせる姿はそんな樹齢を感じさせず、まだまだ若くさえ見える。

現在宇城市の天然記念物に指定されて居る。

撮影2011.12.18


熊本市旧植木町 寂心さんの樟

2013-12-06 | 熊本県

「一木にして森を成す」の言葉そのままに大規模な樹冠と巨大な主幹を持ち、巨樹らしい樹姿の巨樟です。

それこそTVCMの「この木なんの木、大きな樹・・・」を彷彿とさせてくれます。

前回紹介の滴水より南へ約4km足らず、JR植木駅南方高台、この樟のために造られた寂心緑地にその巨大な樹冠を広げて居る。

大樟の根元には、中世末、この地域に勢力を持っていた厳松軒寂心の墓石があり、「寂心さんの樟」と呼ばれ崇められている。

太いタコ足を大地に広げ伸ばしたように力強く張り出し、樹齢約800年、目通り13.3m、樹高30m、大きな樹冠下には特別な風が吹き抜ける

その圧倒するような量感溢れる気魄に満ち満ち、大きな傷みも見せず、樹勢は全く衰えを見せない。

堂々たる巨大さで熊本県の天然記念物に指定されて居る。

これ程の大きさでも、九州では何とか十指に入るだろううか??・・・・。

撮影2011.12.18