巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

小浜市 宇久のタブノキ

2013-07-18 | 福井県

漁村入口に立つタブノキの巨木です。

約十数戸が後ろに浜まで迫る山を背に負い、海岸線を前に僅かばかりの狭隘な平地に軒を連ねる宇久の漁村。

宇久集落は若狭湾に突き出した内外海(うちとみ)半島の東側付け根、観光釣り客多い小さな漁村。

国道162号線、内外海小学校の先の交差で県道107へ、宇久方面の看板に従い5~6分も山道を走り、前の開けた処が集落の入口・・・・・、目の前に大きなタブノキ。

民家のブロック塀の切れ目から瘤だらけのゴツゴツした主幹を突き上げている。

目通り約5m、樹高20mと言ったところか?特別大きいタブノキではないけど・・・

集落の入口に起ち、村人たちと共に生きてきた大切なタブノキに違い無い・・・・。

多分この先もずっとそうだろう。

撮影2011.5.3


敦賀市阿曽 利椋八幡神社(とぐらはちまんじんじゃ)のタブノキ

2013-05-28 | 福井県

福井県の日本海、敦賀湾沿いの半漁半農集落「阿曽(あぞ)」の鎮守社「利椋八幡神社」境内に立つタブノキ。

三國湊からの帰り道、高速を使わずに国道305、国道8号線経由で約80km、棚田の広がる山裾の海岸線に建ち並ぶ阿曽集落に着く。

利椋八幡神社はちょうど集落の中程、旧街道を挟み、海岸線に正面を向け鎮座している。

海岸沿いの神社らしく明るく開けた境内には玉砂利が敷き詰められていた。

ちょうどその日は秋の祭礼前日で、何やら独特上げ松明の様な準備がなされていた。

タブノキは狭い境内の拝殿裏側に、いかにも力強く根を張っている。

樹齢約300年以上、目通り約5m・・・・ゴツゴツした木肌はまだまだ若々しく元気そのもの、殆ど傷みも見られない。

他に、もう一本目通り3.9mのタブノキがある。

撮影2010.9.18


坂井市 三國神社(みくにじんじゃ)のケヤキ 

2013-05-23 | 福井県

越前、福井市の日本海岸沿い、あの東尋坊のすぐ近く、九頭竜川が日本海に注ぐ河口に旧三国町が有り、鎮守三國神社にはケヤキの巨樹がある。

江戸時代、蝦夷や大阪から物資を運ぶ北前船交易が福井藩の保護のもと大きく発展、現在にも独特な雰囲気を残している。

三國神社は九頭竜川河口付近の右岸、竹田川が合流する高台にあり、そこだけ木立の残る深い杜に囲まれ静かに鎮座している。

参道へ続く通りは古い街並みが、それなりの雰囲気を醸し出している。

参道入口、鳥居の手前右手、積み上げられた石垣上の狭い空間にどっしり腰を落として居る。

樹齢約300年以上、目通り5.8m、樹高23m・・・、近づいてみると根張りが見事に力強く、大きな洞や傷みも見えない。

背後に回り込むと少し華奢に見えるのは逆光のせいかも・・・。

境内にはタブノキ、シラカシ、スギなどの大木が多く見られ付近住民の憩いの場として親しまれて居る。

撮影2010.9.18


高浜町 高野のタブノキ 

2013-04-26 | 福井県

京都府北部日本海側の舞鶴から若狭湾を横断する国道27号線、西国33箇所観音霊場で広く知られた古刹松尾寺へ進入路を越え、福井県側に入り関屋の交差を左折・・・・・棚田道を登って行くとタブの巨木が道端にたって居る。

振り返れば、広々とした棚田越しに今来た27号線方面がはるか彼方に見渡せる。

この辺は高野集落への中間点、懐かしい景観の残る高野集落へは棚田の中を、あと500mほど登り詰めなければ成らない。

棚田に囲まれた道端に孤立する「高野のタブノキ」は集落の信仰場になって居たのだろう??、根元には像容も定かでなくなった石仏が祀らていた。

道路を挟んだ空き地には農作物の無人スタンドが有り、立ち寄ったが獣よけのネット張られている。

自然豊かな地は、またこうした野獣対策も大変・・・・。

荒々しく力強い根張りで大地を鷲掴みするタブノキは目通り約6m程、大支幹5~6本の株立ち、樹勢はいたって旺盛。

夏の終わりに、棚田を吹き渡る諸風に濃い緑に葉を戦がせていた。

全く無冠のタブノキですが、巨木の有る棚田の景観も素晴らしい。

撮影2010.9.11


高浜町 神野八幡神社タブノキ

2013-04-22 | 福井県

福井県最西端、京都府舞鶴市と接する高浜町、内浦湾に面した原発近くの神野集落の鎮守、神野八幡神社の境内に立つタブノキの巨木です。

集落は神野浦へと落ち込む北面斜面に広がる棚田上部、県道21号線沿いに20戸ばかりが肩を寄せ合う。

神社は集落の西外れ、山裾の雑木林に隠れる様に鎮座している。

京都府や福井県の日本海岸沿いに多く見られるタブノキの巨木がこの境内にも有る。

本殿の石垣積みの果てる竹藪斜面にタコ足の根を絡み合わせる様に大地をしっかり捕まえている。

 

目通り5.1m、樹高15m・・・・背の高さほどで大きく二股に分かれている。

このタブノキについては何の説明も有りませんが・・・、絡み着いたフジの木の説明板が建てられていた。

やけに蘖の多いタブノキだが・・・無冠のタブノキらしい。

撮影2010.9.11


敦賀市杉箸(すぎはし) 山神神社のトチノキ

2012-06-07 | 福井県

前回紹介の池河内(いけのこうち)諏訪神社からの帰り道、2度目の訪問でやっと出遭う事が適った山神神社の大栃です。

前回来た時には、小雨の降る中境内を一廻りし、それらしき巨木が見つからないので、そそくさと帰途に着いた曰く因縁の場所です。

杉箸も山の中、福井県敦賀市とは言うものの滋賀県旧余呉町と県境を接する豪雪地帯、笙ノ川(しょうのかわ)上流域の流れに沿った谷合に50軒ばかりが軒を連ねる。

山神神社は川沿いの道路から一番奥になる山裾に神仏混交を色濃く残し、神頂山養福寺と共に並び建つ。

大栃は神社境内建つ小さな堂を脇を通って急峻な斜面を10分ばかり登り切った高台に、その威容さをを見せつけるようにたち尽くしている。

神社裏手のこの杜は通称「森の山」と呼ばれ、目通り4mを超える栃の木が十数本確認されている。

山神神社のトチノキと呼ばれる大栃は目通り8.2m、根元から二股に岐れ、合着木の様にも見えるが圧倒的な迫力と力強さをを持っている。

敦賀市の天然記念物に指定され、推定樹齢500年以上、樹高約25mと書かれている。

神社の奥深く密かに息づく栃の巨木と言う感が強い。

まあ、これから先もそれ程多くの人の目には留まらないことだろう・・・

帰り道、斜面から見た杉箸集落

撮影2009.11.7


敦賀市池河内(いけのこうち)  諏訪神社の桂/ケヤキ

2012-06-04 | 福井県

凡そ10戸にも満たない限界集落の鎮守の杜に桂の巨木が人知れず立ちつくしている。

北陸道が滋賀県湖北、余呉辺りで大きく迂回するように福井県の敦賀方面に向かって行くが・・・、その迂回した山間部に取り残されたような池河内の集落。

<これで殆ど総ての池河内集落>

国道476号線獺河内(うそごうち)より処々離合も困難な林道が池河内集落を越え、北陸道刀根PA近くの杉箸へ抜けている。

集落には何も無いと言ったら何も無い・・食料品や日用品は移動スーパーが廻ってくるのだろう、それでも神社と寺は確かに存在している。

集落の南外れ、林道からは少し奥まった林の中にこじんまりとした諏訪神社が鎮座している。

鎮守の杜と言う言い方が正しいのか分からない山裾の林の中に神社が間借りしている様な佇まいです。

祠のような小さな本殿の少し脇の方、境内なのか山林なのか分からないような処に、遠めには少しヒョロっとした背の高い桂が立っている。

主幹は数幹に岐れ株起ちのヒコバエが周りを取り囲み、中々の樹姿ですが基準までは達し無いのか?全くの無指定・・・。

それでも目通り6~7mは有るような、後は全くわかりません。

道沿いの参道脇にも大ケヤキ・・・。

蔓性植物を一杯身に纏い、誰も愛でる人さえいない鄙びた集落の鎮守を見守る様に聳えたっています。

人知れずでも、手付かずの自然のままで生き続けていく限界集落の巨木です。

撮影2009.11.6


敦賀市越坂(おっさか) 棚田のタブの木

2012-05-30 | 福井県

前回紹介の越坂「少彦名神社」からの帰り道、小川向こうの棚田に奇妙な樹姿の大木が目に飛び込んできた。

越坂集落がまだそこに見えるほどの距離、なだらかな斜面を下る小川越しの小さな棚田はやっぱり絵になる景観・・

その上棚田の畦には奇妙にも斜に構えた大きなタブノキの古木・・・・・里山の景観としては見事に揃っています。

根元には粗末な野小屋・・・、これがもし小さな地蔵堂だったらと・・・、そうは旨くいきません。

苔生した主幹はたいそう斜に構え、大きな裂け目も見えますが、途中よりまっすぐに立ち上る樹冠は、いたって健康そのもの。

全く無名のタブノキですがその景観と共に捨て難かったので此処にUPしておきます。

辛い野良仕事の合間、この木陰でお茶を汲む老夫婦の姿が目に浮かんでくるような・・・・ 

撮影2009.11.6


敦賀市越坂(おっさか) 少彦名(すくなひこな)神社のタブノキ

2012-05-28 | 福井県

 湖北方面から福井方面に向かう北陸道が敦賀ICを過ぎた辺りで上下線が大きく岐れるが、その深い山間の小さな集落入り口、少彦名神社の傍ら、児童公園脇に立ち尽くすタブノキです。

余談ですが・・・あの高速は上り線と下り線でどうしてあのような別ルートを走っているのか走る度、いつも不思議出なりません。

敦賀IC近くで国道8号線から分れる国道476号線は北陸道上り線沿いに進むが樫曲(かしまがり)で国道476号と別れ、多に沿い道を2km奥に進むと越坂(おっさか)の鄙びた佇まいが見える。

 

ジャングルジム滑り台とタブノキの巨木、その奥に豪雪地帯特有の外観を持つ西願寺(さいがんじ)・・・、まるでこのタブは寺の境内に有るようにも見える。

戸数10軒ばかりの小さな小さな集落、昼間でもすっかり人影も無く音も無い・・・・、しかしタブノキはそんな村の様子を見続けるかの様に聳え立っている。

 

樹齢約300年、目通り5m、樹高25m・・・・、一寸物足りなさを感じるものの鄙びた山村に立つタブの巨木はそれだけで充分。 

撮影2009.11.7


南越前町牧谷 麻気(まき)神社の二本杉

2012-05-24 | 福井県

今庄の北国街道、旧宿場町を訪ねた序でに一寸足を延ばして訪れた杉の巨木。

豪雪地帯のこの南越の地に在ってもすくっと立ち並ぶ連理のようにも見える二本の巨杉・・・・・、山里の広く開けた境内にあって圧巻の存在感を見せ付けている。

北陸道と平行して走る国道365号線、南条駅交差点で県道203へ、そのまま牧谷川右岸を遡れば下牧谷・・、麻気神社はこの集落の東外れ、県道脇に鎮座していて誰でも気がつく。

小さな山里の下牧谷集落に在って式内の名を持つこの神社が多分牧谷の名前の由来なのであろう・・・・。 

相対、並び立つ二本の巨杉は一段高く成った拝殿脇に全く同じような樹姿でお互い競うように天高く聳えている。

目通り5.1m、樹高35mと共に等しく、勿論樹齢も同じなのだろうが・・・、まだ300年には満たないようです。

それにしても、これほどうり二つな個体が並び立つのはやっぱり稀有な事・・・、どちらも共に最期まで一緒に・・、と馬鹿な事を考えたりしました。

しかし共にまだまだ元気そのものようでしたが。

撮影2009.11.7


南越前町 二ツ屋のケヤキ

2012-05-22 | 福井県

荒れるに任され、主を無くした神社の境内に寂しそうなケヤキの巨木。

かってこの日吉神社を鎮守として、北国街道の宿場として栄えた二ツ屋集落は豪雪のため麓に離村、現在、山野と帰した村の中心あたりに鎮座する。

神社は村と一緒に麓へ遷座したのだろうか?もう村人が近寄る事もないのだろう・・・草ぼうぼう、朽ち果てた小さな祠と、かっては神木と崇められたに違いないケヤキの巨木が立ち尽くすだけ。

荒れ果て見捨てられた境内に立つケヤキの巨木は、節くれだっているもののすっくっと天を指すように高く聳えて居ます。

しかし、どこかに哀愁が漂う姿に見えるのは気のせい???

南越前町天然記念に指定され、目通7m、樹高30m、樹齢 300年上 とされていますが、今となっては物好きな親父がたまに訪れるぐらいのものです。

 境内はすっかり荒れるに任され、植林された杉林に覆い隠されています。

撮影2009.11.7


敦賀市 赤崎八幡神社のカゴノキ

2012-05-19 | 福井県

赤崎集落の北外れに鎮座する八幡神社境内に、あの独得な鹿の子模様の木肌を持つカゴノキの大木がある。

敦賀市街を抜け北に向かう国道8号線がちょうど海岸線に出遭うのが赤崎海岸、集落は背後に迫る山裾と海岸線の狭間に軒を連ねている。

八幡神社境内は山手、国道脇から石段参道を少し登った斜面に境内を持つ小さな村の鎮守さん。

小さな社殿脇に聳え立つこの一種風変わりな巨木は圧倒的な存在感を持ち、小さい境内を蔽い尽くしているかの様にも見える。

節くれだって、捩れるように立つ力強い根元は、その鹿の子模様がまるで油絵の点描のようにも見え、一種独得な風格さえ感じます。

目通り4.1m、樹高約14m、樹齢は不明ですが、敦賀市の天然記念物に指定されています。

処どころ小さな洞は見られますが、大きな痛手はは無く樹勢は旺盛、神木として大切にされているのが良く解ります。

撮影2009.11.7


常神のソテツ

2012-04-17 | 福井県

 

若狭湾の先端に突き出た常神半島の先端部の小さな漁村、路地奥の民宿に挟まれた裏庭のようなところに有る国定天然記念物の大ソテツです。

巨木といえるか??どうも疑わしいのですが??

ソテツのある常神集落は釣り客が多く訪れる半漁半観光地のような集落で土産物屋や民宿が多く、週末には結構賑う。

此処も海の背後には直ぐ山の斜面がせまり、民家は猫の額ほどの海岸べりに軒を寄せ合い、民家と民家の間は狭い路地で結ばれている。

樹齢約1300年とも云われるこのソテツはインド人が漂着して植えたものであるとも伝えられていますが、まさかのまさかと云う気もしないではない。

見た目、樹齢1300年はにわかには信じ難いような元気さです・・・・、おまけに驚くほどの大きさでもない。

根元で支幹8本に分かれ、樹高6.5m・・・・、本来暖かい地方で育つソテツがこの日本海側の常神半島最端部で此処まで育つのは稀有のようです。

撮影2009.10.11


常神半島 小川神社のカゴノキ

2012-04-12 | 福井県

見事なカゴノノキの老木、常神半島の小さな集落の鎮守社境内に、北限のカゴノキの巨木がひっそりと息づいている。

三方五湖を挟んで若狭湾に突き出した常神半島の西側湾岸中央部に背後を山、前には若狭湾に囲まれるように小さな漁村の小川集落がある。

この辺鄙な常神半島の奥地も京阪神や名古屋方面からの釣り客が押し寄せ、小さな集落も週末ともなると多府県ナンバーが押し寄せ大賑わい。

おかげで集落は何処も良く整備され、この通り・・・

小川のカゴノキは鎮守社、小川神社の境内から本殿への石段脇、その怪物のような姿で立ち尽くしている。

何と形容すべきか早速言葉も見つからないのだが・・・・節くれだった鹿の子模様の主幹は株近くで二幹の岐れ、その下腹部は抉られ、腐朽が進んでいる。

まるで今にも、もぞもぞ蠢きそうな根回り、穴凹だらけの主幹・・・・、おまけに鹿の子模様がなんとも奇妙に写る。

海岸近くの神社特有な砂地の境内、漁村特有の景観がこのカゴノキと相対峙して独得な景観を醸しだしている。

樹齢約300年、目通り約5.5m、樹高約13m・・・これだけの樹姿にも係わらず枝一杯に葉を付け頑張っている。

小川神社ではカゴノキの他このようにタブノキの巨木が数本見られ・・・・・・

海岸沿いの神社らしい景観を依りそれらしく演出している。

海を前にして明るく拓けた神社も里山育ちの僕にとっては、とても新鮮で実に良いもんです。

撮影2009.10.11


旧三方町 円成寺「みかえりの松」

2012-04-09 | 福井県

福井県旧三方町岩屋の円成寺門前に有って「新日本名木百選」「松の名木十選」にも選ばれている笠を広げたように姿の良い松です。

敦賀方面から国道27号線で北上、三方上野交差点を左折、左右の果樹畑を暫く進むと左手に大きく枝を張る松の大樹に出遭う。

地上、僕の背の高さぐらいから四方八方に伸びる枝ぶりは、笠を広げたようにと云うか、鶴が羽を広げて飛び立とうとする姿にも似て、東西南北に約25m以上にも

円成寺の広々とした門前に立つこの大松は、地域では「大門の松」と呼ばれ、又、道いく人々が何度も振り返って見たくなることから、「見返りの松」とも称されるようになったと云う。

四方八方に張った枝は殆ど垂れ下がり、数え切れないほどの支柱で支えられているが、まだまだ若々しく元気そのもの、老松と云う感じでは有りません。

根回り6.9m、目通り3.9m、樹高さ12mと巨樹としては物足りなさを感じますが・・・・

宝暦元年(1751)第十一代淳長大和尚の手植えとされ、樹齢約250年、ますます松の銘木となり行く一樹です。

撮影2009.10.11