巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

貴船神社の椎

2010-10-03 | 島根県

鳥取や島根の山陰地方には椎の巨木が 多いように感じるのは僕だけだろうか??。

京都舞鶴湾の半島で最近になって、島根や鳥取の巨椎を抜く巨大な椎が発見されたがそれまではこちらの志多備神社の大椎と伯耆の大椎がともに椎の巨木日本一だとされていました。

もう一本この島根県に椎の巨木が有ると言うので訪ねてきたのは雲南市加茂町南加茂、貴船神社境内と地続きの奥斜面に有る椎の木。

此処雲南加茂町は云わずと知れた出雲神話の土地、ヤマタノオロチの伝説で知られる斐伊川が流れ、銅鐸で有名な加茂岩倉遺跡など多くの遺跡が有り神々のふるさととでもいえる土地柄です。

斐伊川の支流、赤川の西岸に広がる田園地帯の奥小高い斜面に貴船神社は鎮座していて元暦年間(1180~1185)に京都の貴船大明神を勧請したものだそうです。

神社左手の山道を登っていくと公園化していてほぼ台地の端っこにこの巨椎が一本聳えている。

京都の貴船大明神を勧請志多弧おろから既にこの樹は存在していたようで、樹齢800年以上、目通り8.4m、樹高約16mとなっていて、島根県の天然記念物に指定されています。

確かに巨木で迫力も有るのですが、見た目にそれほど巨大に感じないのは均整が取れすぎて、ちょっとスマートに見えるからなのかも??

でも椎の巨木、古木の割には痛みが少ないように感じました。

撮影2008.9.22


海潮のカツラ

2010-09-21 | 島根県

こちら方面に来て2日目の朝、お決まりの様に出雲大社を訪ね,こちらへと寄ってみた。

 ナビ任せで何処をどう走って来たのか定かでないが、雲南市大東の市街を抜け県道24号線を、斐伊川の支流、赤川にに沿って遡る事5分ばかりでそれと解る看板に出会う。

 海潮のカツラが在る日原神社は県道から少し脇道に入った川沿いに在って小さな集落にしては堂々たる古社、桂は石鳥居から境内に登る石段脇に在って、桂特有の株立ちで7、8本の支幹が勢いよく伸びている。

往古、斐伊川流域は日本有数の製鉄地帯として知られ、カツラは製鉄の神である金屋子神の依代、御神木とされ大切にされて来たようです。

鬱蒼とした木々の中にあっては目立ちにくく、主幹ははるか昔に無くなり世代交代を繰り返し今ある支幹は5世代目だと言われている。

確かにビッグサイズに違いなく根元などには、生き抜いて来た気の遠くなる程の歴史を秘めてる様な感じがする。

国の天然記念物として指定された「海潮のカツラ」は樹齢大凡1000年、幹周約20m、樹高約40mとカウントされているようです。

朽ち果てるとも世代交代を繰り返す永遠の命を持った大桂は天まで届けと枝いっぱいに葉を付けている。

撮影2008.9.22


志多備神社(したびじんじゃ)のスダジイ

2009-02-06 | 島根県

 




島根、鳥取の旅で巨樹好きの僕がここに寄らないで帰ることは出来ない。


今は松江市西岩坂と言う地名になっているが合併までは八雲村西岩坂で、その名が示すように古代出雲文化発祥の地と言われた古い古い土地です。




小さな川沿いの、のどかな田園風景を走っていると道路わきに立派な駐車場があって、川向こうのかなたにこんもりとした鎮守の森が在り、この杜に鳥取県にある伯耆の大シイと並んで日本一だと言われるスダジイの巨木がある。


(実は最近になって京都府の舞鶴湾に浮かぶ小さな島でもっと大きなシイの樹が有ると言うことが公表されましたが公開はされていないということです。)





それが志多備神社のスダジイで、この志多備神社という神社名もなにやら妙に引っかかります。


詳しくはまだ調べてはいませんが、古代の『出雲国風土記』にも「志多備社」として掲載されているようです。




刈り取りのすんだ田んぼの小道を歩いて鳥居の正面まで行くと左手におおきな椎の木がそびえているのが見える。




しかしこれは、NETであこがれていたあのスダジイではないと一目でわかるがそれでもなかなかの大きさで幹周り6m、根元にはなにやら古めかしい石柱もたっていてなかなかの風格ですがまだまだ若々しく、ちょっと威厳には欠けています。



鳥居をくぐって境内に入り本殿脇の奥のほうに眼をやると異様なほどに巨大なスダジイの巨幹が見える。


荒々しい程にうねった主幹から雄叫びでもしているように巨大な支幹を何本も天空に突き出しているさまは見るものを圧倒する力強さにあふれています。




それはあたかも大昔、絵本で見た神話のヤマタノオロチを思い起こすような、すさましい様相にみえました。




根元には古くなって落ちてしまったのか?はたまた最初からこういう形なのか?勧請縄があって、この木がいかに神聖化された特別なものであるということがよく判ります。




毎年11月9日には、この地区の人々によって藁蛇を太い幹に巻き付ける荒神祭りが執り行われているとあるが是非とも立ち会って見たいものだと思いました。


胸高周囲11.92m、樹高は約17.8m、樹齢は不明ですが数百年といわれていて新日本名木百選に選定されています.


撮影2008.9.22


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出雲大社命主社(いのちぬしのやしろ)の椋

2009-02-04 | 島根県

誰もが知ってる出雲大社、殆ど知られてない命主社の椋の樹。

いろいろな古代のなぞを提供してくれる出雲大社のすぐ近くの境外摂社「命主社」神社は出雲大社を訪れたとしても全く何の案内もなく、ただただこの椋の樹を目的にここを訪れた人だけが探し当てることができるところのような気がします。

僕も大社をひとまわりして全く何の案内もなく仕方なしに神職の人に尋ねてやっと探し当てました。

本殿に向かって左側の門を出ると大きな社家の連なる通りに出て、そのまま100mほど進むと左手奥にこの椋の木が聳える小さな命主社がある。

狭い境内いっぱいに濃い緑の葉を伸ばしているが相当な樹齢のようで節くれてうねるような主幹には落雷の痕なのか黒く焼け爛れた様子が何箇所も見られる。

境内と隣の広場には段差があって、ちょうどその土手に根を張っているのか大きく根上がりしていて少し痛々しい感はぬぐえない。

それが気の遠くなる時間を生き抜いてきた証でもあるかのような威厳に満ち満ちた姿ではあるけれど・・・・。

樹齢約1000年、樹高17m、幹周5.8m、新日本銘木100選にも選ばれた銘木で出雲市指定天然記念物でも有る。

撮影2008.9.21

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