巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

立山町 千垣(ちがき)白山社の大公孫樹/大杉

2012-04-29 | 富山県 新潟県

立山美女平の「仙洞杉」を訪れた帰り道、県道6号線沿い、千垣(ちがき)集落に鎮座する白山神社の大公孫樹を訪れた。

集落の西端近く県道からは最奥に当たる場所に有るが、地元の人に聞くまでも無く看板が案内してくれる。

在所道を進むと正面に狛犬と石鳥居、その奥には二本の屹立する大杉・・・・、山村の鎮守という風情が強い。

大杉は鳥居杉の形容が相応しいような姿で、その間にはちょうど大人が一人通れるぐらいの隙間しかない。

この杉も見事なのだが・・、杉間参道を越え境内に入ると・・・・

向かって右手、株元に大きな洞を抱えた大銀杏が聳え立っている。

根元近くで二股に岐れた双幹の公孫樹で片方の大きい洞は気になるものの、まだまだ元気そう。

樹齢約600年、目通り8.5m、樹高はすくっと伸びて35m・・・・。

何の指定も無く無冠の大銀杏、なんとなく二本の融合木かな?と云う気もしないではない。

撮影2009.10.31


立山町芦峅寺(あしくらじ) 桂台の大カツラ

2012-04-26 | 富山県 新潟県

富山、あの立山中腹「立山黒部アルペンルート」専用バスターミナルの大駐車場脇の原野にあって、一見かぼそく弱々しく見える桂の巨木。

標高約650m、立山美女平麓にあたる県道6号線を挟んだ西側にポツンと立っている。

桂の根元には小さな祠が在って今に信仰が生きているのだろう。

根元近くで二幹に岐れているが、あの桂の老木特有のヒコバエが密集する姿は見られない。

そのぶん細身で厳粛さに欠ける。

推定樹齢300年以上、目通り6.0m、樹高23m、見上げる姿は結構威厳に満ち満ちている。

冬には雪原の中どの辺りまで雪に埋まるのだろうか??

撮影2009.10.31


草津市 立木(たちき)神社のウラジロガシ

2012-04-23 | 滋賀県

もう今では見れなくなってしまった立木神社のウラジロガシの巨木です。

僕が此処を訪れ、この樹を撮影したのが2009年5月、その後お蔵入りさせていてつい最近思い出したように検索してみると、2009年12月についに命が尽きたようです。

鎮魂の意味を込めて在りし日の最期の姿を此処に留めておきます。

立木神社は草津市中心部に近い旧東海道に面して建つ、1200年の歴史を有する豊かな緑に囲まれた古社です。

表参道を入って直ぐの向かって右手側、脇参道鳥居横に息も絶え絶え生を繋いで来たウラジロガシの思い出姿

広い石柵に囲まれ、注連縄を掛けられたウラジロガシは最後の力を振り絞るようにたった一本の細い枝先に最後の若葉を噴出していた。

殆ど生気の見られない主幹、もう長くは無いと思っていたがこれが見納めに成ろうとは・・・

樹齢/約400年、目通り6.3m樹高10m・・・・これが命尽き果てる最後の姿です。

ただただ鎮魂・・・。

撮影2009.5.6


草津市 三大神社の藤

2012-04-20 | 滋賀県

滋賀県湖南に位置する草津市三大神社のの境内に見事に咲き誇る野田藤の老木です。

草津市はその昔 、東海道と中山道の分岐・合流の地であり、現在もその立地の良さから地方都市にに在っては珍しく発展著しい町です。

そんな草津市湖岸近く、まだまだ長閑な田園風景の残る吉田集落の三大神社境内に見事に手入れされ、毎年ゴールデンウイーク頃には多くの人が訪れる藤の名所として良く知られています。

石鳥居から拝殿本殿へと続く参道脇を埋め尽くすように藤棚が造られ、その長さは南北方向に約50m近くに及んでいる。

三大神社の野田藤は藤原氏の繁栄を願って植樹されたといわれ、後、信長の叡山焼き討ちの兵火に罹ったものの焼け跡より再び芽を出し現在のように大きく伸びたといわれています。

樹齢約400年、滋賀県自然記念物・草津市天然記念物に指定されています。

 

藤房は長い物で2mにも及び垂れ下がり「砂擦りの藤」とも呼ばれています。

藤原家と縁の深い三大神社の藤は、家紋の「下がり藤」に因んで、大和「談山神社」のある多武峰(とおのみね)の苗を移植したと伝えられています。

巨木とは云えませんが、その花は見事の一語に尽きます。

撮影2006.5.6


常神のソテツ

2012-04-17 | 福井県

 

若狭湾の先端に突き出た常神半島の先端部の小さな漁村、路地奥の民宿に挟まれた裏庭のようなところに有る国定天然記念物の大ソテツです。

巨木といえるか??どうも疑わしいのですが??

ソテツのある常神集落は釣り客が多く訪れる半漁半観光地のような集落で土産物屋や民宿が多く、週末には結構賑う。

此処も海の背後には直ぐ山の斜面がせまり、民家は猫の額ほどの海岸べりに軒を寄せ合い、民家と民家の間は狭い路地で結ばれている。

樹齢約1300年とも云われるこのソテツはインド人が漂着して植えたものであるとも伝えられていますが、まさかのまさかと云う気もしないではない。

見た目、樹齢1300年はにわかには信じ難いような元気さです・・・・、おまけに驚くほどの大きさでもない。

根元で支幹8本に分かれ、樹高6.5m・・・・、本来暖かい地方で育つソテツがこの日本海側の常神半島最端部で此処まで育つのは稀有のようです。

撮影2009.10.11


常神半島 小川神社のカゴノキ

2012-04-12 | 福井県

見事なカゴノノキの老木、常神半島の小さな集落の鎮守社境内に、北限のカゴノキの巨木がひっそりと息づいている。

三方五湖を挟んで若狭湾に突き出した常神半島の西側湾岸中央部に背後を山、前には若狭湾に囲まれるように小さな漁村の小川集落がある。

この辺鄙な常神半島の奥地も京阪神や名古屋方面からの釣り客が押し寄せ、小さな集落も週末ともなると多府県ナンバーが押し寄せ大賑わい。

おかげで集落は何処も良く整備され、この通り・・・

小川のカゴノキは鎮守社、小川神社の境内から本殿への石段脇、その怪物のような姿で立ち尽くしている。

何と形容すべきか早速言葉も見つからないのだが・・・・節くれだった鹿の子模様の主幹は株近くで二幹の岐れ、その下腹部は抉られ、腐朽が進んでいる。

まるで今にも、もぞもぞ蠢きそうな根回り、穴凹だらけの主幹・・・・、おまけに鹿の子模様がなんとも奇妙に写る。

海岸近くの神社特有な砂地の境内、漁村特有の景観がこのカゴノキと相対峙して独得な景観を醸しだしている。

樹齢約300年、目通り約5.5m、樹高約13m・・・これだけの樹姿にも係わらず枝一杯に葉を付け頑張っている。

小川神社ではカゴノキの他このようにタブノキの巨木が数本見られ・・・・・・

海岸沿いの神社らしい景観を依りそれらしく演出している。

海を前にして明るく拓けた神社も里山育ちの僕にとっては、とても新鮮で実に良いもんです。

撮影2009.10.11


旧三方町 円成寺「みかえりの松」

2012-04-09 | 福井県

福井県旧三方町岩屋の円成寺門前に有って「新日本名木百選」「松の名木十選」にも選ばれている笠を広げたように姿の良い松です。

敦賀方面から国道27号線で北上、三方上野交差点を左折、左右の果樹畑を暫く進むと左手に大きく枝を張る松の大樹に出遭う。

地上、僕の背の高さぐらいから四方八方に伸びる枝ぶりは、笠を広げたようにと云うか、鶴が羽を広げて飛び立とうとする姿にも似て、東西南北に約25m以上にも

円成寺の広々とした門前に立つこの大松は、地域では「大門の松」と呼ばれ、又、道いく人々が何度も振り返って見たくなることから、「見返りの松」とも称されるようになったと云う。

四方八方に張った枝は殆ど垂れ下がり、数え切れないほどの支柱で支えられているが、まだまだ若々しく元気そのもの、老松と云う感じでは有りません。

根回り6.9m、目通り3.9m、樹高さ12mと巨樹としては物足りなさを感じますが・・・・

宝暦元年(1751)第十一代淳長大和尚の手植えとされ、樹齢約250年、ますます松の銘木となり行く一樹です。

撮影2009.10.11


小浜市 加茂神社の椋(むく)

2012-04-07 | 福井県

加茂神社の参道脇、鳥居より約50m程手前に立つ椋の木です。

往時は民家なども無く参道脇に鎮座してたのだろうが現在は御覧のように民家を背景に立ち尽くしています。

遠目にはすくっと伸びて樹勢も良く、元気そのもの様に見える大椋ですが・・・・・

一体いつ何がおきたのだろうかのだろう、根元は引きちぎられたように傷つき大きく断裂、痛々しい姿に成っています。

樹齢約400年、根廻り10.2m、目通り6.6mm、高さ34.5m、とされる巨漢ぶりです。

全国的にも有数の椋の巨木だそうです。

しかし根元の傷は新しく痛々しい・・、その後大丈夫ならいいけど。

撮影2009.10.11


小浜市 加茂神社の大杉

2012-04-05 | 福井県

海の有る奈良として豊かな仏教文化誇る古い歴史の小浜市、その郊外の加茂神社に聳え立つ大杉です。

加茂神社の有る小浜市加茂は小浜市街から東へ約10km、山間に開けた小さな里山集落、集落最奥に鎮座する加茂神社は京都「賀茂別雷神社(上賀茂神社)」から勧請された古社です。 

豊かな杜を持つ加茂神社は社叢ごと市の天然記念物に指定され、中でもこの大杉は小浜市最大の巨樹だとされています。

参道から鳥居越しに見事な大杉が聳え立っているのが良く見える。

「加茂神社大スギ」は地上約4~5mで数本の支幹に分岐、独得な樹姿を持っている。

樹齢約500年、幹周6.0m、樹高25m、・・・ という数字には、負けないほどの迫力を感じる 。

ふしくれ立った樹幹はやっぱり神木と呼ばれるに相応しく威厳に満ち満ちている。

撮影2009.10.11


おおい町父子(ちちし) 静志(シズシ)神社のスダシイ

2012-04-02 | 福井県

前回紹介のおおい町、岡安集落の程近く、一寸不思議な読みの父子(ちちし)集落、その鎮守社の神木として立つスダジイの巨木です。

集落のどん突き、一番奥手に集落を見守るかの様に静志(シズシ)神社の杜がある。 

どん突き集落と言うのは何処でもそうで有るように、この集落でも地元民の怪訝そうな目が突き刺さるのを感じるので出来るだけ出会う人ごとに声を掛ける。

 

村の鎮守と言うのが似つかわしい様な、鎮守の杜の小さな境内、拝殿の傍らには見事な根上り株を持つスダジイの巨木。

スダジイの巨木は脈打つような襞に樹瘤を付け、見事に根上り下株元は腐食、空洞も相当に目立つ。

スダジイの巨木にしては珍しくチンチクリンのチビデブじゃなく高く背を伸ばし、大きく枝を張っている。

根上り株に絡まり共生しているブナだろうか??。

これだけ根上りしても、これだけ腐朽がが進んでも樹勢は至って盛んのように見える。

樹齢約300年、目通り約6.7m、さしずめ鎮守の杜のスダ爺さん・・・、地元民から愛されているのが良く解る。

集落、在所道端でも大きなスダジイが2本並び立つのを見かけたりして・・・・、この集落は樹を大切にする村なのだと思ったりした

撮影2009.10.11