巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

揖斐川町谷汲岐礼(たにくみきれ)  伊野の一本杉

2012-06-26 | 岐阜県

物凄いものを見たと言う感動にしばし酔いしらされる巨杉でした。

周りを老人福祉施設に囲まれ、長閑な中にも、まさに偉容を誇る様に立ち尽くす一本杉の巨木です。

谷汲と聴いて関西人なら誰でも思いつくのは西国三十三ヵ所、結願の地、谷汲山華厳寺・・・、その旧谷汲村の県道255号線樽見鉄道高科駅近く、新宮神社の小さな社殿を根元に従えてそそり立っている。

写真でも分かる通り、見事な巨漢はその根回り9.3m、目どおり8.8mとなっていて岐阜県の天然記念物に指定されています。

新宮神社のご神木として崇められ、この地とどんな由縁が有るのか?白山信仰の祖「泰澄上人」の母親の名を冠して「伊野の一本杉」と呼び習わされている。

樹高35m、大きく三支幹に分れ聳え立つ姿は尋常な一本杉の姿では無い、みなぎる力を感じ取れる。

反対側に廻った根元・・・樹齢1000年以上といわれているが、それでも尚、漲るパワーを感じ取れる。

主幹から支幹への分かれ目辺りにはそこそこ大きなモチノキが根を下ろしている。

他にネズや桜も共生しているようです。

長生きも良いけど厄介者も一杯居て迷惑なんだろうなあ・・・・・・。

撮影2009.11.14

 


揖斐川町 日坂春日神社大杉

2012-06-21 | 岐阜県

ここは春日神社の巨杉もさることながら、付近の景観が何とも目を見張る程の素晴らしさでした。

福井県境に近い岐阜県の秘境、徳山ダムから流れだす揖斐川渓谷に沿うように走る国道303号線、その名倉大橋から更に支流の日坂川沿いに遡ると軒を連ねる旧久瀬村日坂の集落。

県道から、旧道の在所道に入って行くと左手にすぐそれと分かる木立の春日神社、しかし真正面にでんと構える偉容な民家の景観に目を奪われる。

民家は高橋家住宅として岐阜県重要文化財に指定されているほどで納得の景観を誇っています。

江戸期文化六年の建築とされ、この山深い山村に在って、この規模の大庄屋屋敷に出合えるなどとは思ってもいなかったので本音で驚きの一語に尽きます。

杉の屋敷林と長い長い石垣と板塀・・・・、この地に来てこれだけでもう満足してしまいそう・・・・。

ところで本題の春日神社は此処から振り向くとこんな感じ・・・・、背の高い杉の木が何本も聳え立っている。

手前は小学校の跡地だろうか、もう廃校して永年がたち新しい施設の建物が建っている。

日坂川脇を通る旧道沿に杉の巨木が林立、どれも姿良く高く聳えたっている。

注連縄を掛けられた大きい樹瘤を持つ連理の巨杉。

境内瑞垣付近にもこんな巨杉、別に際立った大きさでもなく際立った特徴が有るわけでもないが・・・・。

しかし巨杉の林立する境内には20数本にも上る大杉が記録され、まさしく巨杉の杜を為している。

撮影2009.11.14


揖斐川町樫原 峰山神社のケヤキ:タブノキ

2012-06-15 | 岐阜県

あの徳山ダムの下流約20km、揖斐川左岸にへばりつく、たった10軒にも満たない小さな小さな集落の鎮守に息づく巨木たち。

前回紹介の滋賀県木之本町「佐波加刀神社」より国道303で深い山を越え、あの徳山ダム見ての帰り道・・・・・

集落外れの山裾にある峰山神社は簡素な石の鳥居とその傍らに起つこのケヤキの巨木が迎えてくれる。

ケヤキの巨木はその身に苔を全身に纏い、それでもすくっと天高く伸びる樹高約36m、目通り5.7m。

少し物足りなさを感じるケヤキの巨木ですが、樹齢約300年以上。

枯葉の深く積もる境内の社叢にはタブノキの巨木が何本も見られ・・此処はまさしくタブの杜

中でも群を抜いて目立つのがこのタブノキ

まるでタコの足が蠢くような根元でしっかり大地を捕まえ・・・・、根元には何処の山村でも良く見られるミツバチの巣箱。

誇らしげに力強く立ち尽くす・・・・目通りは7.1m、樹高41m、樹齢は約300年とまだまだ若く元気そのもの。

小さな限界集落の主として、集落の人達の話し声が聞けるのも、もうそんなに永くは無いかも??

撮影2009.11.14


長浜市木之本町 佐波加刀神社(さわかとじんじゃ)権現の杉

2012-06-11 | 滋賀県

「佐波加刀」と言う読みづらい字を当てはめられた神社の境内に立つ大杉。

「権現の杉」と言われるように神仏混淆を今に色濃く残した境内、薬師堂の前にそそり立って居ます。

木之本地蔵院の有る旧木之本市街より国道303号線で約3kmほど北上、高時川を渡って県道285号に右折、すぐに出遭う家並みが川合の集落。

再度集落内に掛かる橋を渡って右岸の最奥、山裾に鎮座する佐波加刀神社(さわかとじんじゃ)を訪ねる。

社殿と薬師堂が並び建つ境内に建つ大杉は色々考えさせて呉れ、僕には大杉自身もさることながら強い印象として残りました。

湿度の多い高時川近くの山裾、大きな根元に苔を纏い、地上5m辺りで三支幹を大きくせり出しています。

結構明るく写っていますが昼間でも電燈がつくほど鬱蒼とした境内です。

力強く聳える「権現の杉」は、目通り6.5m、樹高35m、巨杉としては特出したものでは有りませんが滋賀県の名木に指定されています。

帰りに見かけた神社参道から、集落の気配・・・

撮影2009.11.15


敦賀市杉箸(すぎはし) 山神神社のトチノキ

2012-06-07 | 福井県

前回紹介の池河内(いけのこうち)諏訪神社からの帰り道、2度目の訪問でやっと出遭う事が適った山神神社の大栃です。

前回来た時には、小雨の降る中境内を一廻りし、それらしき巨木が見つからないので、そそくさと帰途に着いた曰く因縁の場所です。

杉箸も山の中、福井県敦賀市とは言うものの滋賀県旧余呉町と県境を接する豪雪地帯、笙ノ川(しょうのかわ)上流域の流れに沿った谷合に50軒ばかりが軒を連ねる。

山神神社は川沿いの道路から一番奥になる山裾に神仏混交を色濃く残し、神頂山養福寺と共に並び建つ。

大栃は神社境内建つ小さな堂を脇を通って急峻な斜面を10分ばかり登り切った高台に、その威容さをを見せつけるようにたち尽くしている。

神社裏手のこの杜は通称「森の山」と呼ばれ、目通り4mを超える栃の木が十数本確認されている。

山神神社のトチノキと呼ばれる大栃は目通り8.2m、根元から二股に岐れ、合着木の様にも見えるが圧倒的な迫力と力強さをを持っている。

敦賀市の天然記念物に指定され、推定樹齢500年以上、樹高約25mと書かれている。

神社の奥深く密かに息づく栃の巨木と言う感が強い。

まあ、これから先もそれ程多くの人の目には留まらないことだろう・・・

帰り道、斜面から見た杉箸集落

撮影2009.11.7


敦賀市池河内(いけのこうち)  諏訪神社の桂/ケヤキ

2012-06-04 | 福井県

凡そ10戸にも満たない限界集落の鎮守の杜に桂の巨木が人知れず立ちつくしている。

北陸道が滋賀県湖北、余呉辺りで大きく迂回するように福井県の敦賀方面に向かって行くが・・・、その迂回した山間部に取り残されたような池河内の集落。

<これで殆ど総ての池河内集落>

国道476号線獺河内(うそごうち)より処々離合も困難な林道が池河内集落を越え、北陸道刀根PA近くの杉箸へ抜けている。

集落には何も無いと言ったら何も無い・・食料品や日用品は移動スーパーが廻ってくるのだろう、それでも神社と寺は確かに存在している。

集落の南外れ、林道からは少し奥まった林の中にこじんまりとした諏訪神社が鎮座している。

鎮守の杜と言う言い方が正しいのか分からない山裾の林の中に神社が間借りしている様な佇まいです。

祠のような小さな本殿の少し脇の方、境内なのか山林なのか分からないような処に、遠めには少しヒョロっとした背の高い桂が立っている。

主幹は数幹に岐れ株起ちのヒコバエが周りを取り囲み、中々の樹姿ですが基準までは達し無いのか?全くの無指定・・・。

それでも目通り6~7mは有るような、後は全くわかりません。

道沿いの参道脇にも大ケヤキ・・・。

蔓性植物を一杯身に纏い、誰も愛でる人さえいない鄙びた集落の鎮守を見守る様に聳えたっています。

人知れずでも、手付かずの自然のままで生き続けていく限界集落の巨木です。

撮影2009.11.6