巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

阿智村 神坂神社の日本杉(みさかじんじゃのやまとすぎ)

2011-12-30 | 長野県

神坂神社はその昔東国と都を結ぶ東山道の官道筋、往古この道を辿り遠く九州の防人に徴用された若者の詩が万葉集にも見られるほどに古い官道脇に佇む古社です。

この道は恵那山の中腹、神坂(みさか)峠を越え、あの馬籠宿へと続いているが、現在中央道恵那山トンネルが8.5kmと言う長さでその直下を貫いている。

ここは長野県阿智村、僕は馬籠からこの長くて遠いこの急峻な九十九折れ、車の離合も困難な山道を遥かこの神坂峠を越え神坂神社へとやって来た。

しかし往古よくもこんな山中を歩いて越えたもんだ。

日本杉(やまとすぎ)と呼ばれる巨杉は神坂神社の小さな社の向かって右側直下、拝殿石垣脇の窮屈な場所で天空を貫いている。

周りには柵がめぐらされ撮影ポイントも限られ、どうにもこの角度からの撮影せざるを得ない。

特別品種の変わった杉とは思えないが何故だか日本杉と書き「やまと杉」と特別に呼ぶ。

雪の多い山懐にも係わらずすくっと直立する目通りは9.3m、主幹の樹皮は殆ど剥離、枝も少なく葉付も甚だ心基ない。

推定樹齢1000年以上、樹高約30m、それでも主幹は力強く脈打ち根元の迫力は圧巻、しかしこんな深山幽谷にまで足を延ばす人も少なかろう??

撮影2009.7.18


丹波市市島町 鴨神社の大イチョウ

2011-12-27 | 兵庫県

舞鶴若狭自動車道春日ICより北方へ約5km、JR福知山線市島駅近くに鴨神社と言う延喜式内社が有って境内から200mほど離れた一の鳥居のそばに神木の大銀杏が立っている。

空一杯に葉を茂らせて居るように見え、元気その物のように見えるが足元が如何も覚束無い。

治療番号1701と書かれた看板が物語るように、主幹のあちこちに創痕が生々しい。

落雷にでもあったのだろうか、根元で二幹に別れ、目通り5.9m 樹高14mと一寸ちんちくりん・・・。

治療の施されていない幹もかなり傷み白化が進んでいる。

それでも治療の甲斐有ってか?地元民の銀杏を大切にする気持ちが通じたのか??ご覧のように旺盛に見える。

推定樹齢1200年と言うが・・・それは俄かには信じ難い。

撮影2009.7.4


姶良市蒲生町 蒲生の大楠

2011-12-25 | 鹿児島県

何としてもこの楠の巨木に遭いたくて出かけた今回の九州気ままな一人旅。

感動の新しいうちにこれだけはどうしてもUPして置かないと・・・

前日の夜泊まった薩摩川内のホテルを朝早くに発ち、あちこち4~5箇所撮影しながらこの姶良市蒲生町に着いたのはちょうど昼飯時。

その日は良い天気で師走の中頃とは言え南国の強い光で正面からはちょうど逆光・・・。

直ぐ近く、がらすきの駐車場に車を捨て置き蒲生小学校横に明るく開けた長い参道の奥、一段高い境内左手にこの大楠は鎮座している。

それは植物を越えた別の生き物のようです。

日本最大の巨樹だと言われるこの楠は目通り24.2m、根回り33.6m、根回りといわず幹や枝にまで着生植物を一杯に纏いまるで命そものが蠢いているようにも見え、誰もが神そのものを感じるに違い無いほどの圧倒的な存在感にみなぎっている。

樹齢1500年、遥か気の遠くなるような昔に芽吹いたこの楠は、蒲生八幡神社約900年前の創建時にはもう既に大木になっていたのだろう・・

周囲は一段上がった見学用の木道に囲まれ保護をしているがそれでもこの存在感は特別、圧倒するような巨大さで、最早僕の超ワイドレンズでも手に負えない。

根元には大きな洞が有るようで正面には人が立って入れるほどの木製扉・・、その奥は8畳敷きの空間が有るという。

特に目を見張るのはどっしり大地を捕まえるその力強い根元が脈々と波打つ・・・・。

着生植物を一杯身に纏った生有る巨岩とでも云うべきか

合間から覗く樹肌はまるでタイルでも貼ったように見える・・・・因みに根回り33mは畳70畳敷きにも匹敵するという。

国の特別天然記念物に指定され、まだまだ樹盛に衰えは見えない。

撮影2011.12.19


多可郡多可町 善光寺のイブキ

2011-12-13 | 兵庫県

兵庫県丹波山系の真っ只中、 同じ関西人でも京都南部に住む僕にとってはかなり馴染みの薄い地域です。

中国道滝野社で国道175号線へ、その後西脇市内で国道427号線、県道139号線と乗り継いで多可町東安田集落はずれの山裾まで、付近にそれと解る看板が出ているので間違うことはない。

山裾に簡素な本堂と薬師堂が残るのみで無住の寺となってしまった平安時代の建立だといわれる善光寺が有って、このイブキの大木が一本寂しく立って居る。

紀伊半島方面などでイブキの巨木を見慣れているせいかそれ程の驚きはないが・・・。

主幹はらせん状に巻いてるがそれ程の激しさも無くやや物足りなさを感じてしまう。

樹齢約400年、目通り約4.6m、樹高は17mとある。

しかし何は無くともこの景観は捨て難い、誰も来やしないお堂バックに大きなイブキの巨木。

無住と成ってしまった門も無ければ塀も無いがらんとした境内・・・・薬師堂とこのイブキの巨木が寂しく、お互いをかばうかの様にたち尽くして居る。

海沿いでは大きく育つイブキも、こんな雪の多いこの地域では珍しいようです。

因みに兵庫県の指定天然記念物に成っています。

撮影2009.7.4


京丹波町 九手神社(くてじんじゃ)のアラカシ

2011-12-10 | 京都府

京都の自然200選の一つ九手神社のアラカシは国道9号線沿いにあって誰でも簡単に出会える。

京都市内と山陰方面を結ぶ国道9号線が国道27号線と分岐する京丹波町役場前の信号から、そのまま9号線を道なりに3kmほども進むと右手にそれと解る九手神社の杜が見える。

通常樫類の古木は根元が空洞化、枯損しやすく、このアラカシもその例に洩れず根元の片側が相当痛んでいるように見えますが、参道脇、石鳥居の左手前に神木として大切に守られているようです。

しかし根元から何本にも分岐した支幹がその傷みを覆い隠すように元気に育って、世代交代を図っているようにも見受けられます。

京都府内においては目通り4m、樹高15mに及ぶアラカシは珍しく「京都の自然200選」に選ばれています。

撮影2009.7.12


篠山市 春日江のカヤ

2011-12-07 | 兵庫県

丹波篠山は京都大阪に府県境を接する丹波高原域 の真っ只中に拓けた盆地。

京都亀岡から国道372号線は県境の天引トンネルを通過するとデカンショ街道という愛称で呼ばれ、丹波高原を貫くように縦断している。

天引トンネルを抜けて約10km、城東支所前の信号で右折県道305号線を北上して暫く走ると目の前に大きなカヤの木が道路を塞ぐようにたちはだかって居るのが誰の目にも映る。

傍らには赤い屋根の公民館、この地は旧街道筋の辻、村の中心地でもあったのだろう・・・、傍らには古びた石造物が在ったりして懐かしい景観を見せてくれる。

春日江のカヤと呼ばれるこのカヤの古木は目通り約5m、樹高約20m、逆さ箒状に何本もの枝を大空に向かって広げて居ますが、主幹は遥か昔にでもなくしたのか哀れな姿です。

春日江集落のシンボルとして大切に保存されているようですが、真横は交通量の多い県道抜け道、それ程良い環境では在りません。

でも反対側はまだまだ元気そうな幹肌を見せてくれていてまだまだ大丈夫とでも言って居るようです。

篠山は緑深くこうした古木巨木の多い所です。

撮影2009.7.4


高野山奥の院参道巨杉群

2011-12-05 | 和歌山県

個体ごとの説明は困難を極めますが・・・あの高野山奥の院へと続く参道脇には戦国武将の墓所や宗派を越えた墓石などと共に巨杉が延々と弘法大師廟まで続き、その景観は観るものを圧倒させてくれる。

高野山入り口にはあの雄大な大門。

壇上伽藍には丹の色もまぶしい根本大塔。

一の橋から先は死後の世界とされ、弘法大師廟が有る奥の院まで巨杉と石塔が累々と2km程も続く参道となる。

参道入り口すぐに立つ巨杉は双幹の合木・・まっすぐに天を突き刺している。

林立する五輪等を背に堂々たる一本。

参道脇斜面から身を乗り出すような巨杉。

天を多い尽くすように林立する巨杉群

そのうち合木化してしまいそうな巨杉達・・

備後福山水野家墓所の前には巨杉が林立。

この辺りが一番巨杉が密集していて圧巻・・・・、石塔等の墓石群は役二十万基にも及ぶという。

此処にくれば歴史上の人物に全て出遭えそう。

樹齢400~600年、目通り5~8mの巨杉が林立し、こんな場所に無かったらこの巨杉達も、もっと注目されただろうに・・・・

撮影2009.6.20


印南町 川又観音の大栃

2011-12-03 | 和歌山県

和歌山県御坊からの帰り道、紀伊半島山中を越えて帰るのも良いものだろうと国道425号線、国道424号線、竜神温泉、高野山を経由、延々約3時間強の山岳ドライブでした。

そんな国道425号線で御坊から約1時間足らず、「印南町」谷川沿いの川又観音の大栃に遭うためにちょっと寄り道しました。

国道425号線から分岐する谷川沿いの山道を500mも遡ればその先参道、其の先すぐ、赤い馬の口から水が出る手水舎があり、其の脇に一際聳え立つこの大栃が立っている。

色々検索してみましたが紅い馬の謎は不明です。

深山幽谷の感が色濃い川又観音参道に立つこの大栃は目通り約5m、樹高約20m、樹齢は不明だと言う事ですが和歌山県の天然物に指定されています。

深山幽谷でないと大きく育たないと言われる栃の巨木、注連縄も掛かり神木として崇められ大切にされているのが良く解る大栃です。

眩しいほどの緑が特に印象深いところでした。

撮影20009.6.13


御坊市 光専寺のビャクシン(イブキ)

2011-12-01 | 和歌山県

 御坊市の海岸際、紀伊水道を前にして在る塩屋町「光専寺」に立つ新日本名木百選にも選ばれたイブキの名巨木です。

国道42号線で御坊中心街を抜け日高川を渡りほんの少し南進すると塩屋の古い町並みが続く、国道から町並みを縫うように走る旧街道を走ると南端に近く、左手家並みの中に一目でそれと解る大きな木が見える。

光専寺の小さい境内からはみ出すように身を乗り出すイブキの巨木は、最近整備されたであろう白壁塀の一部が切取られた様に開口していて訪問者を迎えてくれる。

のたうち捻れて十数本の大枝が大空を覆い、其の迫力気迫に思わずたじろぐばかりの様相が見事で目が釘付けです。

樹齢約600年、目通り5.65m、樹高約14m和歌山県の天然記念物に指定されています。

いくらかの枝が払われた痕が生々しく残っていましたが樹盛は至って盛ん、まだまだ元気そうに見えました。

和歌山海岸沿いの寺院にはイブキの大木が多く見られますが、この迫力は何とも凄い。

撮影20009.6.13