神坂神社はその昔東国と都を結ぶ東山道の官道筋、往古この道を辿り遠く九州の防人に徴用された若者の詩が万葉集にも見られるほどに古い官道脇に佇む古社です。
この道は恵那山の中腹、神坂(みさか)峠を越え、あの馬籠宿へと続いているが、現在中央道恵那山トンネルが8.5kmと言う長さでその直下を貫いている。
ここは長野県阿智村、僕は馬籠からこの長くて遠いこの急峻な九十九折れ、車の離合も困難な山道を遥かこの神坂峠を越え神坂神社へとやって来た。
しかし往古よくもこんな山中を歩いて越えたもんだ。
日本杉(やまとすぎ)と呼ばれる巨杉は神坂神社の小さな社の向かって右側直下、拝殿石垣脇の窮屈な場所で天空を貫いている。
周りには柵がめぐらされ撮影ポイントも限られ、どうにもこの角度からの撮影せざるを得ない。
特別品種の変わった杉とは思えないが何故だか日本杉と書き「やまと杉」と特別に呼ぶ。
雪の多い山懐にも係わらずすくっと直立する目通りは9.3m、主幹の樹皮は殆ど剥離、枝も少なく葉付も甚だ心基ない。
推定樹齢1000年以上、樹高約30m、それでも主幹は力強く脈打ち根元の迫力は圧巻、しかしこんな深山幽谷にまで足を延ばす人も少なかろう??
撮影2009.7.18