YS Journal アメリカからの雑感

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StudentsFirst 初の上席フェロー

2011-05-24 09:01:43 | 教育
カテゴリー的には、「教育」というより「Michelle Rhee の紹介」になってきたが、昨年暮れに彼女が創立した StudentsFirst については、着実に活動の規模を拡げている様だ。(以前の StudentsFirst 紹介エントリー

彼女が、アメリカの公立教育システムに大きなインパクトを与えるかもしれないと思って(既に与えているが)、フォローしているのだが、ワシントンDC市教育監時代に雇用契約でやり合ったワシントンDC市教員組合長であった Geroge Parker を、初の上席フェローとして迎える事を知り、その確信がより強くなってきた。

その時合意した雇用契約は、Michelle Rhee の全面勝利とも言えるもので、今になって振り返ってみると、全国教員組合組織の大反対にも拘わらず合意を行った Geroge Parker は、彼女と同じく、生徒の為に何をするべきかという、彼女と同じ問題意識を持っていた可能性が高い。

Michelle Rhee は、自分のブログでも、最近の彼との会話で、組合も教員の待遇を優先的に考えるのでは無く、生徒の成績向上を目指した改革思考であるべきと考えており、組合も自らの手で気の悪い教師を排除する必要があると思っている事に驚いたと、素直に心情を書いている。

彼等に共通している思いは、生徒の成績を良く為には、教師が良くなくてはならない。その為に一番大事なのは、教師の良し悪しをどのように評価するかという事である。その上で、その評価に基づいた柔軟性のある雇用体系(実績ベースの賃金やボーナス、先任優位の廃止等を)を作り上げるという事である。

生徒の向上をどのように評価するかという、一番難しい問題も残っているが、ワシントンDC市教員組合との雇用契約の交渉でも、ある程度確立されてきている教師の評価システムが、大きく貢献している。

因に、公立教育システムが崩壊しているデトロイト市では、住民の47%が実質的な文盲functionally illiterate)との調査結果が出ていた。荒廃した都市部、貧困、マイノリティ、公立教育システムを改革する為には、否応無しに政治的に成らざるを得ない。

Michelle Rhee は、元々政治学出身なだけに、今後の活躍を注目していきたい。

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2 コメント

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Unknown (Willy)
2011-05-25 11:43:24
教育に限らず評価というのは利害が絡むので難しいですが、
少なくとも勤務年数の短い順に解雇などというのは無茶苦茶ですね。
そんな方法を取るなら、乱数を発生させて解雇者を決める方がよさそうです。
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Unknown (ysJournal)
2011-05-25 19:16:39
Willy さん
先生の殆どは問題ないと思うのですが、悪い先生を排除する方法が無いと、ダメだでしょうね。

アメリカの労働組合、特に UAW については、誕生時の意義については、比較的同情的立場でした。何十年もかかって、やっと時代遅れであると言う事に気がつきつつあるようです。

所謂、労働者が世の中の流れには鈍感という事も言えるのかもしれません。一度、身を任すと、会社であれ、国であれ、組合であれ、堕落しちゃいますね。

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