YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Students First

2010-12-08 10:47:57 | 教育
このブログでも何回も取り上げた Michelle Rhee は、今年10月に3年半務めたワシントンDC教育監を辞職したのであるが、Students-First という組織(Advocacy Group)を立ち上げた。 (過去のエントリーは、3/28/10, 7/3/10, 9/18/10, 10/17)

趣旨は、「公立教育で学ぶ子供を守るために全国規模で改革を進め、アメリカが世界一の教育システムであるようする」と言うものである。具体的には、賛同する政治家、学区の応援を挙げている。

やり方は彼女がワシントンDC で実践したもので、生徒の成績を元に良い教師には飴(見合った昇給)を悪い教師には鞭(退職勧告)と言う方針である。教育の質は教師の質と断言しており、公立である以上効率的に資金(税金)を活用すべきで、親や地域住民の積極的な係わりも強く訴えている。

活動資金は一般からの寄付を募っており、目標は$1B(約830億円)と野望に満ちたのもである。

オバマ大統領を始め、教育省長官も彼女を応援していたのだが、彼女をワシントンDC教育監に任命した市長が再選出来なかったこと、彼女がオバマ大統領を始めとする民主党を支持する教員組合と激しく対立した事で、見殺し(ワシントンDC教育監を辞職)にした経緯がある。

しかし、彼女のワシントンDC での実績は確固たる物で全国的に評価が高い。これまでの寄付の金額は明らかにされていないが、順調に資金も集まっているらしい。

良い教師も悪い教師もいるという当たり前の事を前提に、公立教育システムを良くしようと言う彼女の熱意による活動が、既得権にしがみ付く教員組合と今後どのような戦いを繰り広げるのか注目である。

自分の経験からしても、真面目で熱心な公立学校区の教師には何の問題も無いし、感謝の気持ちで一杯である。教員組合の幹部とその庇護を悪用しようとする少数の不届き教師が全体のシステムを崩壊させようとしているのである。

当たり前の事を当たり前にする事が困難である事が、アメリカ公立教育システムの根の深さを如実に示している。